大人になるその前に
03
「とーおるー。俺着替えないんだけどどうすればいいの」
風呂から上がり、着替えがないことに気付く。
なんか風呂入ったら落ち着いた。
リラックス効果ってすげーのな。
「着替え、ドアの前に置いてあるから」
髪をガシガシと拭いているとドアの向こうで徹の声がした。
でもすぐに足音が徹はドアから離れたのを知らせる。
「…ん、ありがと」
俺は裸ということもあり、徹が持ってきてくれたスウェットと下着をサッと取って着替えた。
…デカいし。
スウェットのズボンは裾がダボダボで、上の裾も手首で止まってくれずダランとなっている。
キョンシーみたいに腕を前にしたら裾がプラプラと揺れた。
おまけにパンツもデカイ。
ストンッて落ちる。
なめてんのか!!
そう声に出してやりたいと思ったがやめた。
アイツがデカいのが悪いけど、俺がちょーっとち、小さいのも悪い。
それにわざわざ用意してくれたんだしな。
ダボダボの裾は何回も折り、役に立たないパンツはスウェットのヒモでギュッとくくって落ちないようにした。
これでよし。
んじゃ…徹のとこ行くか。
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