大人になるその前に
01
「ううっ、うっ…」
俺はボタンが千切れたカッターシャツと濡れた(なにで濡れてるかは聞かないでほしい)パンツだけを着て、泣きながら寮の廊下を歩いていた。
なんであんなこと…。
今日はたまたまバスケ部と水泳部が休みだったから二人で隆太の部屋でゲームしようってことになった。
そしたらいきなり…。
ありがちすぎるだろ。
どこのエロ漫画だよ。
そんな事を考えてまた落ち込んでいると、右側にあるドアが突然開いた。
「あ」
「…ん?」
しまった。
出てきたのは野球部の仲田徹。
コイツも隆太同様、幼馴染で親友だ。
部活が終わったから風呂に入ったのか、火照っているのが分かった。
「なにして……なんだその格好は」
徹の目線が俺の顔から全身に変わった。
まずい、まずいぞ。
どう誤魔化そうか…。
「え、えーっと…あははは」
ここは笑うしかない。
笑いで誤魔化すんだ。
「あははは…は?」
ん?
ケツに違和感…。
引き攣る顔がもっと引き攣っていく。
「わっ!わっ!」
「ど、どうした?」
「く、くんなっ!あっち行け!…っ!!」
やべぇ…大きい声出したから…。
効果音を付けたら『ドロッ』だろうか。
そんな感じのことが俺のケツに起こった。
終わった…。
涙と同時に白い液体が俺の脚を伝う。
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