大人になるその前に
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「凛っ、凛ちゃっ」
なんでこんなことになったんだ。
部屋には俺と俺の親友、羽津隆太の吐息と、卑猥な音と、俺の声にならない声。
それだけが響いてる。
俺は息が苦しくて、涙と唇を噛んで出た血しか流せなかった。
隆太の顔や腕に爪を立てようが暴れようが、手首を掴まれてしまったからだ。
俺はあまりの悔しさに体に力が入る。
「無理、やだ、なんでっ、なんで…?」
中で隆太のがデカくなってるのがわかった。
そんなことになっちゃうと俺はただただ苦しいだけで。
「ごめっ、凛ちゃ…!もっ、イッ…!」
隆太は目を閉じながら口を開けて、腰を激しく振る。
「あっ!?あっ、あっ、やめっ…っ!!」
俺の中でドクドクと隆太のが脈打つのが分かった。
出さ、れた?
俺のケツに?
男同士なのに?
親友、だと思ってたヤツに。
「凛ちゃん…」
「触んなッ!」
俺は隆太の手をパシッと払いのけた。
最低だ。ありえない。なんでこんなことにっ…!
「死ね!くたばりやがれクソ野郎!」
お前とは絶交だ!
俺はそれを言い残し、隆太の部屋を去った。
今日、俺は親友に犯されました。
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