【 人間万事塞翁が馬 】 7 ******** 「大丈夫?はい、これも」 「あ!ありがとう!!ごめんね、鳳君ッ!!」 目の前で交わされるあまりにもナチュラルな会話に、俺は一瞬固まるしかなかった。 ******** 「どういたしまして。あ、桜庭さんのお友達?」 「うん、そう!隣のクラスの北川歩ちゃんでーす!!」 両側からニコニコとした笑顔を向けられる俺。 「あー、どうも。E組の北川です」 「はじめまして、鳳長太郎ッて言います!」 ハイ、知ッテマスヨー 向けられた笑顔は本当ににこやかで邪気のない、邪気のない笑顔だった。 (大切なことなので二回言いました)(チョタは腹黒設定が多いからねー) 少年は相変わらずニコニコとした笑顔をこちらに向けてくる。 遥香の笑顔とあわせてマイナスイオン駄々流しなこの空間には癒されそうだけれども。 ・・・少年よ、ないすばでぃなお姉さんたちに拉致されたりしないようにね。 「あー、えと、帰らないの?」 なんとなく居心地の悪さを感じた俺は二人(特に鳳)から視線を逸らしてそう言った。 「あ!じ、時間やば!!行かなくちゃ!!」 ち、遅刻するッ!!とオロオロしだした少年と、 それにつられてか、なぜか一緒に慌てだす遥香。(お前は落ち着け) 「・・・へー、もう部活?」 そう言って声をかければ返ってきたのはキラキラとした笑顔で。 「うんっ、男子テニス部に入るんだー!!」 返ってきたのは、やはり、すでに分かりすぎている答えだった。 「もう参加するんだね」 「うん、本当は来週からなんだけどね!!」 「が、頑張ってね鳳君ッ!!」 「ありがとう!じゃあ桜庭さんに北川さんッ、またね!!」 遅れるー!と慌てて背を向けて走り出したまだそんなに背の高くない少年に。 笑顔で手を振る遥香を見ながら俺は。 そんなに慌ててたら転びそうだな、なんて暢気なことを考えていたのだった。 そしてそんな俺たちのやり取りを見つめている奴がいるなんてことには これっぽっちも気が付いていないのだった。 ******** (うわああぁ!!)(ガタガタっバンっドタンッ)←バッグが机に引っ掛かり、ドアにぶつかって転んだ (だ、大丈夫っ!?) (あー、やっぱりそうなるわなー) (・・・・・・) [\(^0^)][(^0^)/] |