【 人間万事塞翁が馬 】 11 ******** 「・・・悪かった」 俺は大介を見つめた。大介はバツが悪そうに足元に目をやっていた。 「俺さ、家も一応金持ちだし、その、成績も、顔も悪くはないってゆーか。 その、だからみんなにチヤホヤされてきたし、女だってちょっと声をかけたりしたら みんな同じようなさ、反応してきた。だからお前も同じだと思ってたのに・・・」 「うん」 「なんてゆーか全然他の奴らとは違った。どっか突き放されてるみたいで、俺、なんかすげー焦った。 友達とか、そういうの大事にしない奴なのかと思ったら、でも入学式ん時にさ・・・」 「・・・ああ」 「だからなんか悔しくて。んで話聞こうにもお前は俺のこと全然相手にしてないってゆーかさ。 で・・・えと、だから。ごめん。 でも俺、本当にお前、えと、歩と、と、友達になりたい!だから・・・!!」 おっと。いきなり名前を呼ばれたのにはびっくりだな! 「お、俺と・・・、その、友達になってくだ、さい・・・」 大介はちょっと恥ずかしがっているのか顔が少し赤くなっていた。 「大介、さ・・・」 大介が顔を上げる。 「お前・・・モノ好きだな」 そういえば大介は驚いたような顔でこちらを見た。 「は!?ん、んなっ・・・!!」 「ははっ、冗談冗談!こちらこそ、よろしくな」 「うえっ?」 「今日から改めて、俺とお前は友達だ!!」 「ま、マジでか!?よっしゃー!!」 大介は飛び上がって喜んでいた。(え、そんなに? 変な世界に飛ばされてまだ数日。氷帝に入学してわずか二日。 だけどどうやら俺にも新しく友人ができたようだった。 (新たな友情に、乾杯!) ******** (あ、でも話すのはめんどくさいからおいおいな) (は、ちょ、おま!マジかよ!!) 【 第弐章 END 】 ******** →おまけと後書き、的な?? 見ちゃう?^^ [\(^0^)][(^0^)/] |