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緑龍は赤い鈴を鳴らす
健康の為に塩分、糖分、脂肪分は控えましょう!!
雲井は醤油ラーメン、銀時はパフェを頼んだ。

沖田「あっ…さっきのヤローですぜィ土方さん」

雲井と銀時は隣の席を見ると沖田と土方が座っていた。

土方「万事屋の野郎ォオオ!?何でテメーがいんだよォオ!!」

銀時「多串君か?パフェに食いに来たんだよ…悪ィか?」

何だよ…この二人仲悪いな全く……。

俺は近くにあった塩の蓋を開けて醤油ラーメンにドバっと掛けた。

銀時は引き攣った顔で雲井に質問をした。

銀時「龍男くぅ〜ん?醤油ラーメンに何掛けたのぉ〜?」

龍「塩だ……」

土方「なぁああああに当たり前な顔して言ってんだよォオオオ!?」

俺は淡々と醤油ラーメンを食す。

龍「最近貧血で倒れるから塩分を多めに摂取している」

銀時「貧血で倒れ死ぬ前に塩分で殺されるわァテメーぇええ!!」

その瞬間、隣の席に居る土方が雲井達の席にやって来た。

土方「塩分よりもマヨネーズだろォオオ!!」

銀時「いや…糖分だァアアアアア!!」

龍「いや…塩分だろ…!!」

沖田(何やってんですかィこの三人は……)

銀時は何か思い付いたのか自信満々に話した。

銀時「ならこうしょうじゃねーか!!」

銀時は雲井の醤油ラーメンにパフェを入れた。

雲井はそれに驚き血管の筋を浮かばせ机を叩いた。

龍「天パ!!醤油ラーメンの中にパフェ入れんなよ!!!!」

土方はマヨネーズを大量に掛けられた焼きそばを銀時と同じ様に醤油ラーメンの中に入れた。

もう何とも言えなかった…糖分、塩分、脂肪分が混ざっている。

こんなの食べたら即死だ……。

沖田に肩を掴まれ哀れむ様な顔でめでる。

沖田「アンタ…ぜってぇ食べちゃいけやせんぜェ…」

龍「いや食べないから!!!!」

土方と銀時はマヨネーズ醤油パフェを食べた瞬間二人とも吐いた。

銀時・土方「「おぼぼぇえええ!!厠行っ…う゛ぇえええ!!」」

二人して厠へと駆け寄った。

沖田は呆れ顔で土方と銀時の後を追った。

俺はぽつりと一人で席に座り窓際から人が行き交う姿を眺めた。

?「久し振りだね…龍男君」

この声は…!?

俺はその人物の顔を淡々とした眼差しでその人物を見る。

炎の様に燃える赤い瞳と髪。

コイツの名前は吉田稔丸(よしだとしまる)。

銀時達と同じ寺子屋の元に通っていた奴だ。

現在は鬼兵隊で高杉の下で稔丸は働いている。
俺は冷たい眼差しで吐き捨てる様に話す。

龍「何しに来たんだ…?」

稔丸は細目で雲井を見遣り口許を歪ませにこりと笑う。

稔丸「相変わらずつれないね〜。まぁいいや…高杉が君に鬼兵隊に入隊して欲しいだって…ねぇ入らない?正直言って僕も君に入って欲しいんだぁ」

またか…高杉は何を企んでるんだ?

龍「前にも言ったが俺は入らない…用件が済んだならささっと消えろ」

雲井は稔丸に向かって冷たく言葉を吐き捨てた。

そんな中稔丸はにこにこと不気味に笑う。

稔丸は立つのを止め目の前の席に座り向かい合わせになった。

稔丸は笑うのを止め真剣な眼差しで話してきた。

稔丸「君さ…幕府や天人から逃走してるんでしょ?」

ギクッ………。

俺は口の中に溜まった唾をごくりと呑んだ。

稔丸は雲井の弱点を見付ける為に口許を歪ませながらも話す。

俺は思わず身を固くした……。

稔丸「そうだ龍男は四計塾(よんけいじゅく)に通ってるんだっけ?そこで君の大事な人を殺したらどうなるのかな?」

俺は稔丸の胸倉を掴み掛かった。

龍「やめろ…そんな事したらお前でも許さない…!!」

稔丸はヒューと口笛を吹いてせせら笑うと。

稔丸「松陽先生の事忘れてないよね…?」

何言ってんだこいつは……。

龍「忘れる訳ないだろ……」

未だにこの世界に復讐心がある…だけど俺には大切な人が出来た。

その人と出会ってから俺の黒いモノは消えた。

稔丸は興味津々に雲井の顔を覗き込む。

稔丸「ふ〜…なら鬼兵隊に入らないなら殺しちゃうね?君の大事な人を…雑草頭君」

俺は悔しさの余りに唇を噛んだ。

龍「ふざけんな…!マシュマロが!」

稔丸「マシュマロってね…マシュマロの素晴らしさが分からないの?」

龍「分かりたくもないわ!!」

その瞬間

誰が投げたのかは分からないが稔丸を目掛けて木刀が飛んで来た。

稔丸は軽々と避けてから硝子を割って外に出た。

店の中の客達はざわざわと騒ぎ出す。

そんな中、銀時は厠から帰って来た。

銀時は稔丸の姿を見て目が飛び出すぐらいに驚いた。

銀時「稔丸……」

銀時は稔丸の名前を小さな声で呟き稔丸を睨んだ。

稔丸は銀時の姿を見ても動揺はしなかった…ただ、にこにこと笑っていた。

稔丸「久し振りだね銀時」

銀時「お前誰だっけ?」

稔丸「………」

銀時は馬鹿かァアアアア!!!!

後から出て来た土方と沖田は今、起きている現状を直ぐに把握した。

土方は腰に付いている刀を抜き稔丸に向けて構えた。

土方「鬼兵隊の吉田稔丸か?捕まえてやっぜェ!!おい、総悟!捕まえっぞ!!」

沖田はバズーカを稔丸に向けて構えた。

沖田「分かってやすぜェ…」

稔丸は真撰組の姿を見ても全く動揺しなかった…平然と当たり前の様に呆れ果てる。

稔丸「何だ…真撰組か…でもあの有名な土方と沖田に会える何てね…凄く嬉しいよ」

沖田はフッと鼻で笑った。

沖田「俺も嬉しいですぜ…テメーを牢屋の中にぶち込む姿を想像するとゾクゾクしやす」

稔丸「あははは!!黙れ青二才が…僕はそう簡単に捕まらないからね」

稔丸は自信満々に話した後、俺の顔を見てフッと笑う。

稔丸「ちゃんと慎重に考えた方がいいよ?じゃないと君の大切な人の命を奪っちゃうからね…じゃあね」

稔丸は言い残した後そのまま逃走し去ってしまった。

土方「待てぇええええ!!」

土方と沖田はそのまま稔丸を追ってしまった。

店の中は誰一人も客が居なくなり俺と銀時が残った。

店の中は重い空気に包まれた。

俺はそれに耐え切れず黙って店から出ようとした瞬間…銀時は俺を呼び止めた。

銀時「待て、龍男」

俺はこの重い空気から逃げたかった…。

仕方なく俺は銀時の方へと振り返り見遣る。

銀時「お前に何があったのかは知らねーが…俺で良ければ相談に乗るぞ?」

俺は嬉しさの余りに泣きそうになったが…銀時を巻き込んではいけないと俺の頭が言っていた。

そうだ…この件については銀時は関係ない…関係ない人を巻き込んではいけない絶対に。

銀時「言いたくねーなら言わなくてもいいぜ?何か理由があんだろ?」

俺はゆっくりと頷いた。

銀時は頭を掻きながら自分の投げた木刀を拾いに行く。

銀時「ま…もう無理だァアア!!とか助けてェ欲しい時はヘルプミー!!して来い!!…必ずおめェの所にまで駆け付けやるよ」

銀時はにししと子供の様に無邪気に笑った。

銀時……。

龍「銀時……ありがとな」

俺は顔をくしゃっと崩し無邪気に笑った。

そうだ…。

俺は思い付いた様に一人で笑う。

龍「銀時!もし時間が空いてるなら俺が通ってる塾に寄って見ないか?」

とその刹那。

?「待て!!俺も連れて行け!!」

割れた硝子の外から桂の声が聞こえた。


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