緑龍は赤い鈴を鳴らす
裏切られながら信じて生きろ。疑うより信じた方がいいじゃない
銀時はゆるりと立ち上がり荒々しく頭を掻き始めた。
銀時「お前…もう嫌いだ…銀さんのプライド壊したぜ…Sは打たれ弱ェ事知ってるだろ」
龍「知るかァアアア!!!!」
渋々と俺は万事屋の家へと足を踏み入れた。
銀時はドカッと目の前のソファーに座り、俺は銀時と反対側でゆっくりとソファーに腰を下ろす。
銀時「朝っぱらから何の用何だよテメェ」
銀時はご機嫌斜めのようだった。
俺は少し躊躇いながらも話した。
龍「俺が死んだ時…うっ!!げほっげほっ!!」
俺はソファーに立ち上がり銀時から少し離れた。
龍「げほっげほっ!!はぁ……けほっ」
咳と同時にまた吐血をした。
銀時「龍男く〜ん!!ケチャップ吐いてんじゃん!!ケチャップでも吸って来たの!?」
龍「吸う訳なかろう!!今度お前がてに〜ずに行った時オムライス頼んだらお前のオムライスに吐いてやるよ真っ赤にな!!!!」
銀時「やめて〜!!鉄の味しかしねーじゃん!!やだよ!!」
龍「鉄分豊富なオムライスでいいじゃないか。洗面所借りるぞ」
俺はどたどたと急ぎ足で洗面所に向かう。
銀時「鉄分が豊富とかの問題じゃねェエエエエ!!!!」
俺は蛇口を捻り水を口に含み何回も吐き出した。
赤いものが見えなくなると俺は水を止めて着物の袖口で口許を拭う。
顔を見上げると目の前には鏡があった。
以前よりも顔が少し痩せ細り顔色が悪く何だか弱々しく見えた。
額に手を置くと熱い…一週間ぐらい熱が続いている…。
銀時「大丈夫か?お前結核じゃねーの?」
銀時は洗面所まで来た。
………………。
銀時「お前が攘夷時代の頃によォ…血吐いてなかったか?よく咳してみんなに隠れて吐血してよ…」
………………。
俺は何も言えなかった。
あの頃からこの症状は続いている。
俺はみんなに心配かけまいと隠れて吐血をしていた。
熱を出しても攘夷に参加し皆と戦った。
龍「あの頃は死に場所を求め、どこに向かおうとしてきたのだろうか…」
龍「深く恥じる、志に背いて、この身がまだ無事に生きながらえていることを…」
戦死した多くの同志たちに対して、済まない気持ちだ。
龍「結核の喀血(かっけつ)が柘榴(ざくろ)をうるおした、 俺の胸の中の熱血も赤々と燃えていることを示すように…」
銀時「龍男………」
雲井はやっと銀時の目を見るようになった。
心の中で何やら決意をして…。龍「俺は今夜…濃左衛門という男と会う約束をしている」
銀時「こいさえ…もん?誰だそいつ?」
と、急に万事屋の扉がガラリと開いた。
中までどたどたと入って来たのは昨夜の女…お葭だ。
お葭「山田濃左衛門…または首斬り(山田)濃左衛門と呼ばれております」
銀時「この女誰だよ!テメーの彼女か!?」
龍・お葭「ちっげーよ!!天パ!!」
銀時「何で二人して言うんだよォオオ!!」
お葭は咳ばらいをし話しを続けた。
お葭「首斬り濃左衛門は代々幕府の人間に使い首斬り濃左衛門の家柄は罪人を斬首する仕事が与えられているのです」
首斬り………。
お葭「首斬り濃左衛門は頭を斬った後、首から下を貰いその死体を使って薬を作り売っています」
銀時「そんな事したら金○で作った薬飲んでる可能性あるってェのか!?」
お葭「はい…」
龍「はい。じゃねぇよ!!うっ…吐き気がして来た」
銀時「俺もだァ…」
龍・銀時「おう゛ぇええええ!!おぼぼぼォオオ!!」
お葭は二人が吐いてる姿に怒りを感じ二人を蹴り飛ばす。
お葭「レディーの前で吐くんじゃねーよォオオオ!!」
ガンッ!!!!
雲井と銀時は壁に激突し壁に穴が開いた。
お葭「で…雲井は今日濃左衛門様に会うんですよね?」
俺は起き上がり着物に付いた埃など払いながら返事をした。
龍「あぁ」
お葭「敵の貴方に言うのも可笑しいのですが……気をつけて下さいね」
お葭は顔を少し赤くしながら長い髪を片耳にかけた。
お葭「特に金○を…」
龍「金○を気をつけないといけないのかよ!!」
と、銀時は俺の肩を掴み片手でぐっとをして来た。
銀時「金○気ィつけてな」
箪笥が開き、小さな子供がお葭と銀時を蹴り飛ばした。
神楽「金○金○うるさいネ!!お前等金○好きあるか!?金○詐欺あるか!?今、何時だと思ってるネ!!」
さっきからピーピー五月蝿いィイイイイ…!!!!神楽「もう金○言うなアル!!」
神楽はまた箪笥の中に入り眠ったらしい……。
ド○○もんかお前は!!!!
銀時「龍男…これだけは言わせろよ」
俺は銀時に呼ばれ振り返る。
銀時「死ぬんじゃねェぞ。てめっさっき俺が死んだ時って言いかけただろ?」
龍「……………」
銀時「生きて帰って来い…ぜってぇに!そんしたら病気治そうな?金の方は何とかしてやるよ…だから死ぬんじゃねぇよ」
銀時……お前は本当に何と言うか…。
お葭「お金の方なら私が出しますよ!」
と、天井からまたあの眼鏡が出て来た…しかもパジャマ。
猿飛って女…天井裏に住んでんのか?
猿飛「貴方!!本当に龍男さんが好き何ですね!!」
お葭「はぁ!?」
猿飛「龍男さんは銀さんの大切な人何だから駄目よ!!」
銀時「何か変じゃね!?俺達そういう関係じゃねーっつうの!!テメーが言うとややこしくなるからやめろォ!!てか、人ん家の天井裏に勝手に住むんじゃねェよ!!!!」
猿飛「銀さん!?銀さんなの!?」
猿飛あやめという女は俺の頬をべたべたと触る。
……………。
猿飛「さっちゃんは貴方以外の男何て興味ないの!!永遠に貴方が好きです銀さん!!」
猿飛はどんどん雲井に抱き着く…雲井は何とか猿飛から離れようとする。
龍「ちょ!!俺は銀時ではない!!離れ…ろ!!」
猿飛「やっぱり銀さんの声がするわ!!やっぱり銀さんで合ってるのね!!銀さん背が小さくなった?何だか……」
ゴチンっ!!!!
お葭が猿飛を殴り飛ばした…。
お葭「その人は坂田さんじゃねーんだよ!!いい加減離れろやァアアアアアアア!」
猿飛「ちょ!!銀さん!!酷いじゃないの!!私が雌○だからって…ドMだからって……興奮するじゃないのォオオオ!!!!」
お葭「雲井…さん…坂田さん、今のうちに何処か外に出て適当にぶらぶら歩いていて下さい」
龍「あ…あ…」
と俺達は外に出て、扉を閉めた。
猿飛「いやァアアアアアアア!!興奮しちゃう!!やめて〜!!」
お葭「雌○のくせに人間様の話し方すんじゃねぇぞゴラァ!!雌○なら豚らしく鳴いてみろや!!オラァ!!」
龍・銀時(……怖ェエエエエ!!)
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