小説
※同棲パロ ジャ遊 (未完)
帰宅途中、外から借りている自分のマンションを見上げると、ちらほらとどこの階にもまばらに明かりが灯っている。
自分の部屋の電気が点いていないのを見ると、口から自然にため息が零れた。
(今日もアイツ帰ってないのか…。)
薄暗い階段を上がる途中で、違う階から楽しそうに盛り上がっている声がドアの向うから微かに聞こえた。
人恋しいこんな時に…、余計淋しくなるじゃないか。
そういえば明日は休みだったな、なんて思考を巡らせながら自分の部屋の鍵を開けた。
手探りで部屋のスイッチを探し当て、電気を点ける。
人の気配などは感じられないのだが、僅かに期待を込めて寝室のドアを軽くノックして控え目に開けた。
しかし残念ながら、そこにジャックが寝ているわけもなく、綺麗に整えられたベッドがあった。
はぁ…今日で何度目のため息だろう。
適当に部屋の隅に鞄を置き、冷たいベッドに腰掛けるとおもむろに携帯を開いた。
ジャックからのメールや着信はない―…。
また一つ溜め息が零れた。
ジャックが新しい仕事を始めてから2週間程経つ。
直接ジャックから何の仕事をしているのか、教えて貰ったことはない。
それはまぁ、いつもの事なのだが、今回ばかりはなんだか俺に隠しているような気がしてならなかった。
しかし帰って来るのが毎回明け方で、この前微量だがジャックから香水やアルコールの匂いがした時に、嫌でも見当がついてしまった。
ジャックはいつも真っ先にシャワーを浴びてしまうから気がつかなかったのだ。
なんなんだろう
胸が締め付けられるように痛い…。
俺だって、好きな人が夜の仕事なんてやっていたら当然不安にもなる。
ジャックは中身はあんなんでも外見とてつもなく良いし…、同性から見てもジャックは格好いいと思う。(断じて惚気ではない)それにジャックには普段から女が寄ってくるし、ましてやそんな店で金髪で紫眼の長身の男に愛を囁かれてみろ、きっと、どんな女もジャックに惚れるに違いない…。
向いている職業だとは想うが…正直、素直には喜べない。
体全体をベッドに沈めると、ぶわっと親しみ慣れた匂いが全身を包んだ。
2人で寝るには少し狭いこのベッドでジャックの腕に身体を包まれる様にして眠ることが多かった。
「ジャックのせいで狭い…。」
なんて口では言いながらも、大好きなジャックの匂いと体温に包まれて本当は凄く幸せだった。
それなのにジャックが横にいないせいで最近はこんなベッドがやけに広く感じる。
遊星……。
瞼を閉じれば脳内で再生されるジャックの低くて優しい声…。
ベッドにいるせいだろうか、ジャックの事を考えるだけで身体の奥がじわじわと熱くなってきた。
ここ2週間同じ部屋に住んでいながら、すれ違った生活を送っていたせいで、ジャックと肌を重ねる事もなかったし、自分でする事もなかったせいか、自然と下半身に手が伸びる。
自慰行為自体、元々好きではないし、生理的に抜く以外では殆どした事はないが、今日に限ってはずっとかまっていなかったせいか、ジャックの事を考えただけで身体の奥がじりじりと疼いた。
欲情してしまった自分を恥ながらも、ズボンを足首まで下げ、そっと指を絡める。やわやわと上下に扱き始めるとソレは容易く硬度が増していった。
「はぁッ…ジャック……」
ジャックとの性交を思い出しながら、瞼の裏にジャックを思い浮かべていると自然に名前を読んでしまう。空いている方の手も、シャツの中に手を入れ自分の胸をまさぐった。
平らな胸には女性のような膨らみなど勿論ないのだが、ジャックの筋ばった指を自分の指と重ね、自分の蕾を弄っていると、下半身はすっかり勃ち上がり先端から先走りが零れだす。
濡れた水音が嫌でも耳に届き、背徳感を感じる。更に顔が蒸気し、呼吸が乱れる。
「はぁ…っんッ…!ジャックぅッ……!」
絶頂が近づき手の動きを早めると身体がのけ反り、先端から白濁色の液体が勢いよく飛びだし、自分の腹を汚した。
「んあぁッ…!!はぁッ…はぁ…」
全て出し終えると、ドクドクと自らの心臓の音を聞きながら、乱した呼吸を整えた。
自慰を終えた後独特の倦怠感と虚しさに襲われ、頭がぼんやりとする…。
「ジャック…会いたい……。」
ぽつり、と無意識に本音が零れた。
すると脳内からではなく、部屋の中の空気を揺らし、低い声が響いた。
「俺が、どうしたって?」
「……ッッ!?」
声がしたのに驚き、声のした方を向くと、寝室のドアの近くに見慣れた金髪を見つけた。
全身から嫌な汗が流れ、体が凍ったように動かない…。
何故なら、そこにはついさっきまで俺が名前を呼んでいた人物がいたからだ
「…ジャック…!」
「フン…俺のいない間に随分と楽しんでいたようだなぁ…遊星?」
ジャックはにやにやと頬を緩ませながらコチラを向いて立っていた。
「ッ…!」
ぐしょぐしょに濡れた下半身に注がれた視線に気付き、慌てて手で覆う。
「…み、見るな…ッッ!」
最悪だ…軽蔑されただろうか、恥ずかしさと惨めな自分に涙が出そうだ。
しかしジャックは、笑みを浮かべながらベッドに近付いて来る。
「いや…ッッ」
顔が燃えるように熱いのがわかる。羞恥から目に涙も溜まってきた。
こんな所をジャックに見られるなんて、このまま消えてなくなりたい気分だった。
「どうした遊星?俺に会いたいんじゃなかったのか?」
「……ッジャック!いつから、そこに…それに仕事はっ!」
声を震わせながら、必死に喉の奥から言葉を紡ぎ出す。
そう、いつもなら仕事をしている時間帯の筈で、日付が代わる前に帰って来るなんて今までなかった事だ。
「ここのドアは開けっ放しだったぞ、玄関に入ったらお前のやらしい声が聞こえてな。」
「……ッッ!」
…最悪だ、ほとんど最初からじゃないか!
「ふッ…いい声だったぞ遊星。」
ジャックは俺に覆いかぶさり、俺の耳元で囁くようにすると、待望んでいたジャックの甘い声が鼓膜を震わせ脳内に響いた。
「ふぁっ…」
全身に電流が走るような、そんな感覚に陥る。耳が焼かれたように熱い―…。
「遊星…随分お前には寂しい想いをさせてしまったようだな…。」
ジャックが俺の唇に優しくキスをした。
「すまなかったな。」
俺はジャックの胸の中に顔を埋めると、胸の奥からじんわりと温い何かが広がった。
不思議な感覚だ
とくん、とくん、と一定のリズムを刻むジャックの鼓動がやけに心地よい。
目尻から自然と涙が頬を伝い落ちていった。
「ジャック…。」
「全く、1人でこんなにして…」
「ふっあぁッ!!?」
くちゅくちゅ…といやらしい水音をたてながら、ジャックの指先が先程イッたばかりの遊星のモノを扱き始めると、それは徐々に熱を持ち始め、硬度を増していった。
「どうだ?生身の俺は?」
「ふぁ…あっ!…いいッ!ジャックッ!」
「俺のが欲しいか…遊星?さっきみたいにねだってみろ。」
遊星の口の端からは涎が伝い落ち、目は快楽に溺れ、とろんとしている。
今、俺の頭の中に最早理性などと言うものは欠けるも残っておらず、ただ本能のままジャックを欲した。
「あッ…ん!ジャックがッ…欲しい…!もっと…気持ちよく…して…!」
「…ッ! 手加減は出来きんぞ…遊星。」
こんな台詞、普段の俺だったら死んでも口になんてしないのに…。
このままめちゃめちゃに壊して欲しい…とさえ今は想ってしまう。
ジャックの存在がいかに大きかったのかを改めて実感する。
ジャックは遊星の足を高く掲げ、遊星の後孔に指を1本ずつ埋めていった。
「フ…いい眺めだな?」
「んあぁ……ッッ!!」
1本…2本…と指を増やしていく度に遊星の身体がびくびくと悶えた。
ひさしぶりに感じるジャックの指先に身体が歓喜の声をあげる。
先程自分で達したばかりだと言うのに、先端からは先走りの雫が伝い落ちて、後孔を濡した。
「……んあッッ!!」
ジャックの指先が前立腺を掠めると、遊星の身体が大きくのけ反った。
「あッ…!あっ…!んぅッ……!!」
俺の身体の中に侵入したジャックの指が俺の内壁を擦りながら、ぐちゅぐちゅと淫らな音を立てて激しく動いた…。
「んぅっ…ひあッ…! ジャックっ」
「…どうした遊星?」
「ジャック……キス…して欲しいッ…」
遊星のお望み通り、ジャックは遊星の唇に噛み付く様にジャックがキスをする。遊星の舌とジャックの舌が深く絡まりあい、口の端から唾液が零れおちた。
お互い興奮している為か口内が焼けるように熱い。
ジャックの巧みなキスに俺の身体は限界がきていた。
「あぁッ!! ジャックぅッッ…!もう…イっちゃぁ…!!」
「まだイクな遊星。」
「ふあぁッッ!!?」
遊星がイク寸前に、ジャックが遊星の熱棒を強く握り込んだせいで、吐き出せなかった熱い精液が逆流する。
「あぁッ…?!…はぁ…はぁ…ッッ!」
空イキをした俺の身体はひどく倦怠感を訴え、ぐったりとベットに全体重を沈めた。
く…苦しい……。
「じゃ…ジャッ…ク」
力の籠らない声で愛しい人の名を呼ぶ。
何故イかせてくれないんだ、と無言でジャックに訴える。
「…自分だけ先イこうったってそうはいかないぞ? 遊星。」
ジャックが前を寛げると自分のソレよりも一段と大きく、雄々しく聳えたった立派な肉棒が勢いよく飛び出した。
「……っ!!」
あまりにも大きなジャックのモノに、これが自分の中に入ると想うと、気持ちよくなりたい反面、痛みを知っている身体は無意識に力が入り表情が強張った。
「力を入れるな…遊星。」
「わかってるッ……んぅ……ッ!」
ジャックはくちゅ…とリップ音をさせて、遊星の唇に吸付き舌を絡めると、先程よくほぐした遊星の後孔にジャックも限界まで反りあがった自身をあてがい、ゆっくりと挿入を開始した。
「ぐッ…!」
「ひああぁッ!! ああぁ…!!」
挿入した瞬間に痛みでイかないように、ジャックが俺の中心をまたギュッと強く握りこまれ、呻き声をあげた。
「はぁっ…はぁっ…!やはり…狭いな…喰いちぎられそうだ」
「んあぁぁっ!!」
ジャックも、遊星がキツく締め付けるせいで苦しそうに息を乱した。
ジャックの熱く大きなモノがヒクヒク痙攣する自分の胎内に全て収まると、お互い熱い吐息を漏らした。
「では…動くぞ…遊星。」
「あッ…待っ…て…あぁッッ!!」
ジャックが腰を動かし始めると、俺は夢中でジャックにしがみついた。
ジャックが俺のナカで動いていると快楽がゆっくりと背後からやってきて、ジャックが俺のいいところを刺激する度に、俺の身体が大きく弓なりにしなり、口から次々に嬌声が溢れた。
「あぁッ…」
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