たった一瞬の出来事。

それは今思い出しても、甘く切ない瞬間だった。



一方的なモノだったのに、まるでお互いが想い合っているかのようなキス。

ソラは自分に都合良く錯覚し、舞い上がりたい気分に陥ってしまった。





─気持ち悪かったよな‥
どうしよう…。




それでも現実は違う。

ソラはミツに嫌われる事を考えるだけで気が落ち込んだ。



少し話せるだけで良かったのだ。

席替えをする前にミツと話してみたかった。


一体ミツはどんな子なのか…。

ソラはただ、知りたかった。



話題なんていくらでもある。


何が好きで、いつもどんな本を読んでいるのか。


聞きたい事、喋りたい事が沢山あって…

今は少しずつミツを知るキッカケを作るだけで良かったんだ。

それなのに念願が叶った喜びと、溢れ出す欲をさらけ出してしまった。




─次に会った時一体どんな顔をして、どんな風に接したら良いのか…ー

休み明けの事を思うだけで、頭が痛くなるソラだった。





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