○
その触り心地の良い感触を満喫していたソラ。
暫くしてから、ようやくミツが俯いている事に気が付いた。
「上向いて。」
今度は顔が見たくなってミツの顔を上へ上げると、長い前髪を横に流した。
─はじめて、
はじめて目が合った。
こんな事に喜びを感じて…。
ソラは今日、始めてミツの素顔を見た。
ミツは男にしてはとても可愛らしい顔立ちをしていた。
緊張でうるうる潤んでいる瞳と視線が交わり、ソラの心臓は高鳴っていく。
全体的に小さく、簡単に壊れてしまいそうなくらい華奢な体を、この手で抱き締めたいと思った。
視線を下げたミツの長い睫。
赤く染められた頬。
全部、全部が愛しい。
癖なのか、アヒルのように突き出しされた唇も魅力的で可愛くみえた。
ミツを知れば知るほど、
愛しさが増していく…。
「かわい…」
気付けば口から本音が漏れて…、
ソラは全てに魅了され、無意識に…それも吸い込まれるようにキスをした。
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