「前髪長いよな。」

「…う、ん。」

「切らねぇの?」

「…うん。」

「何で?前見えないだろ。」



ソラは言って、ミツの髪に触れる。



「綺麗だな。」



本当に綺麗で柔らかくて、触り心地が良かった。



「そんな事、ない‥。」

「イヤイヤ、マジで綺麗だって!俺なんて、すげぇ傷んでるし。……どうやったらそんな綺麗になる訳?」

「‥え、分かんないよ。」

「染めててここまで綺麗とか…しかも何にもしてないとか……すげぇ」



驚きの中に感心を含みつつ話すソラ。

こんなに綺麗に染めているのに、傷んでいる所がないのは本当に凄いと思った。

一体どんな技を使っているのかと思うくらいに‥


そう絶賛するほど魅力的に見える蜜の髪。

しかし次の瞬間、ソラの耳に届いた言葉は驚く内容だった。






「僕、髪の毛染めてないよ…?」





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