○
話したい。
明日は話そう。
そう思いつつ、やっぱり勇気を出せない。
初日は普通に話し掛けられた筈なのに、意識をすれせばする程…先延ばしにすればする程、行動に移せないでいた。
そんな所に、とうとう出てきた席替えの話。
席替えなんてもっと先の話だと考えていたソラは、ひたすら後悔した。
この時よくやく気が付き、ソラは知ったのである。
何時も当たり前のように考えていた「明日」と言う日がもうない事に…。
後悔しても遅い。
それでもソラは、そこを離れたくないと言う気持ちを抑えきれずにいた。
そして少しでもいいから、もう少しだけミツを感じていたいと思った。
だから…
その感情を少しでも紛らわし、そして満たす為…
その日の放課後を教室で過ごす事にした…──。
ミツの席に座り、机を優しい手つきで何度も撫でる。
─席替えなんてしたくない。
─次も近い席になれたら…。
同じ事を何度も考え、ただ、純粋に願った。
←→
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!