笑う君から3





学校が終わり席を立つと、彼が笑って言った。



「バイバイ!」

「………、」



僕が返事をする間もなく、あっと言う間に彼は友達の所へ行ってしまう。

完璧にタイミングを逃した僕は、後になって返事が出来なかった事を後悔した。




僕がもっとスムーズに受け答えが出来たら…そうすればたった一言、「バイバイ」って言えたのに…



「はぁ……」



駅で電車を待ちながら、上手くいかない自分を責める。

せっかく僕に「バイバイ」って言ってくれたのに…そんな事を言ってくれた人は彼が初めてだったのに…




いくら後悔しても遅いけれど、時間を戻してもう一度やり直したいと何度も考えた。





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あきゅろす。
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