○
「来週は席替えです。」
担任の声が耳に届く。
今聞かされた事実は、ミツにとって悲しい事だった。
もうずく自分の幸せが去ってしまうのだ。
しかしミツにはどうする事も出来ない。
前の席に座るソラの頭を見ながら「次も近くの席になれますように」とヒッソリ願うのだった。
□
放課後になって、ミツは走っていた。
来週の月曜日までに提出しなくてはいけない大事なプリントを、教室にうっかり忘れてしまったのだ。
「はぁ‥はぁ、」
ミツは運動が苦手である。
寧ろ、運動音痴と言っても良いだろう。
こんなに走ったのは久しぶりだと、ミツは頭の隅で考えていた。
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