「来週は席替えです。」



担任の声が耳に届く。


今聞かされた事実は、ミツにとって悲しい事だった。




もうずく自分の幸せが去ってしまうのだ。



しかしミツにはどうする事も出来ない。


前の席に座るソラの頭を見ながら「次も近くの席になれますように」とヒッソリ願うのだった。












放課後になって、ミツは走っていた。


来週の月曜日までに提出しなくてはいけない大事なプリントを、教室にうっかり忘れてしまったのだ。



「はぁ‥はぁ、」



ミツは運動が苦手である。

寧ろ、運動音痴と言っても良いだろう。



こんなに走ったのは久しぶりだと、ミツは頭の隅で考えていた。





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