これ以上の喜悦はない



『涼介!』



やめてやめて…



俺の名前を呼ばないでよ、



その声で呼ばないで…



お願いだからっ、



今更、今更なんで…ー










「涼介おはよ。」

「…おはよー。」



謙人に必要以上会わない為に、秀明の部屋に泊まり込んで暫く経った。

そんな今日の寝起きは最悪。

原因は彼…

奥野謙人の行動にある。



あれから謙人は、毎日ストーカー並みのしつこさで俺の前に現れた。

もう俺達の関係は終わった筈なのに、そんな事をされたら可笑しくなりそうだ‥。






だけど本当は心の中が喜悦だった。

避けて避けて避けて、謙人を無視して…。

そうすれば謙人が俺の名前を呼んで追い掛けてくれる。



そう考えてしまう俺はやっぱりまだ謙人のことが好きで、

馬鹿みたいだけど謙人のその行動が嬉しいって思ってしまって…



夢みたいな現実に少しの幸福を感じていた。



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