02枚目

全寮制の学園へ通っている僕。

中等部からの入学で現在は高校二年生。

そんな僕は学園内で空気だった。


中等部の頃、僕は所謂虐めを受けていた。

全寮制という閉鎖的な空間で虐めは遊びのような感覚で常に行われ、それが原因で退学する者も多かった。

僕が虐めの対象となったのは中2の後半。

元々気の弱い質である僕はクラスメートのたった一言によりターゲットにされた。


「アイツウザい。」


毎日苦しかった。

虐めの定番である小説やドラマに出てくるような嫌がらせが日々続いた。

唯一助かったのは強姦のような酷い仕打ちが無かった事。

暴力的なことは何一つなかったから、それだけが救いだった。

僕は耐え続けた。

ずっとずっと我慢して。


何で僕が、

何で僕だけが、

何で‥


こんなのは理不尽だと、哀しくて苦しくて死にたいと思った。

何より苦しかったのは忘れられない感情だった。





僕はずっと吉沢君が好きだった。

この学園へ入学して同じクラスになって、気が付けば好きだった。

どんどん格好良くなる吉沢君も、いつも笑っている吉沢君も、皆に愛されている吉沢君も。

彼を取り巻く全てがキラキラと輝いていて、そんな彼が大好きだった。




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