10枚目
ホームルームの最中、僕の心はそわそわと落ち着かなかった。
幾ら北原君が居てくれるとはいえ、普段話さない人達の中に入るのは不安で仕方がなかった。
昨日までは期待感の方が大きかったのに、いざ直前になると緊張感の方が勝る。
胸がバクバク煩くて、こんな事に緊張するなんてやっぱりヘタレだ…と自己嫌悪にかられた。
深呼吸、深呼吸。
「じゃあ行くか。」
小西君に声をかけられて、ぞろぞろと4人で歩き出す。
僕と北原君は一番後ろで小西君達に着いていく形となった。
「ふぅ、」
北原君が隣にいてくれるおかげか今は随分気が楽だ。
「あ、て言うかどこ行くんだよ、」
僕も疑問に思っていた事を北原君が手前の二人に聞いた。
「手島の部屋。」
そう答えた小西君にへーと言う北原君。
僕もそうなんだ、と続ける。
でも肝心の手島君は「マジ初耳だわ」と少し嫌そうな顔をした。
小西君が勝手に決めたのかな…?
「まぁ別に良いけど、」
そう言ってため息を零した手島君。
黒髪で真面目な雰囲気のある小西君とは対照的に、髪の毛を脱色してるちょっと怖い人。
小西君に誘われた時点で多少覚悟はしてたけど、まさか手島君が居るなんて…正直想定外だった。
ここだけの話、手島君でも勉強するんだ…とかなり失礼な事を考えてしまって本当に申し訳ない。
手島君ごめん。
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