#18


「えっ…そんな事が…?」



次の日加持は、作間に昨日の事を話した。

加持自身が松戸と関わりを持とうとしている以上、作間にも話しておいた方が良いと思ったからだ。

作間は案の定、驚いたように目を見開いた。

集団リンチなど、誰が聞いても質が悪く感じるに違いない。



「…まぁ、そう言う事だから。俺が云うのも何だけど、作間も松戸の事気にかけてやって。」

「それは良いけど………これからは4人でご飯食べるの?」

「…あ〜、まだ分かんねぇ…でも俺はそうしたいかな…、」

「そっか…僕はどっちでも良いよ。僕もイッチー君の事は気になるし。」



そんな話をしていた所、屋上の扉が開いた。

入ってきたのは嘉藤と松戸で、嘉藤が松戸の手首を掴んで引っ張っていた。

まるで無理矢理連れてきた…と云うような光景に加持は険しい表情を浮かべる。

加持はその表情のまま嘉藤を睨み付けた。



「二人ともハロ〜ん!」

「ハローじゃねぇよ。松戸が嫌がってるじゃねぇか…。お前、絶対無理矢理連れてきただろ。」

「まぁ良いじゃん!さ、一夜たんも座って座って!一緒に飯食お!」

「良くねぇだろ…」

「………」



松戸は無言で輪の中に入った。

加持は昨日以上に暗い松戸が凄く気になり、暫く視線を向ける。

やはり嘉藤に厭々連れて来られたのではないか…そう思った。



「松戸…大丈夫か?」



結局、大丈夫かと言ってしまった。

加持は改めて言葉のレパートリーのなさに情けなくなった。



「……、」

「大丈夫って何の話〜?」

「あ゙?お前が無理矢理連れてきて厭がってるんじゃねぇかって話だよ。」

「え〜、無理矢理〜?そんな事ないよね?一夜たーん?」

「………ん、」



松戸はコクンと頷いた。

その様子に加持は尚も嘉藤を疑いながら、無理矢理納得する事にした。

本人が厭じゃないと言っているならそうなのだろう。

単に昨日の今日で緊張しているだけかもしれないし。





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