♯04
デェイル自身、天使を見た事がなかった訳ではない。
ただ目の前に居る天使が本当に美しく、あまりにも眩しくて…、
デェイルは何度もまばたきをした。
「…何でこんな所に居るんだ、もしかして堕天使か?」
こんな深い森の中に、ましてやここは魔界である。
天使がここにいる意味が分からなかった。
「私は堕天使などではありません!ちゃんとした天使です!」
「…では何故魔界に居る。」
「…え、ここってッ…!…あぁ、そっか、どうりで…、うん、空も木々も薄暗くて不気味だなぁ〜って思った訳だ…。」
堕天使だなんて無礼な!と不服そうな表情を浮かべたかと思えば、驚いたような表情を浮かべる天使。
儚げな容姿とは似合わずコロコロと表情が変わり、オマケに可笑しな事を言う奴だとデェイルは思った。
「で、何故お前は魔界に居るんだ。何度も言わせるな。」
「……、迷子?…ですかね…、あはは、」
「……、」
デェイルは盛大に溜め息を吐いた。
こんなに馬鹿げている天使を見るのは始めてだと。
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