♯02


デェイルは深い森の中に居た。

全身真っ黒の容姿にギラギラした赤い目の悪魔、それがデェイルだった。


その日は暇を持て余し、真っ黒な翼を休めたデェイルは、誰にも見つからない様な場所で眠り込んでいた。

彼が無防備に眠る事が出来るのには訳があった。





悪魔である彼が生まれもって与えられた力。

それは他とは比べ物にならないほど壮大なもので、他人の魂を吸い取るというものだった。


悪魔、天使、人間、植物。


相手がどんな姿でも関係なくデェイルの力は働く。

デェイルが産まれた時、まだ力のコントロールが出来なかった彼は母親の魂を無意識のうちに吸い取ってしまったという話がある。

それ程にデェイルの力は他とは比べものにならない壮絶なものであり、誇らしい才能とも呼べた。

しかしそんな彼に近付こうとする者は悪魔でさえ誰も居なかった。





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あきゅろす。
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