#06


「ネモア、掃除は終わっ‥…陛下!!」



突然部屋へ入ってきたのは、使用人の中でもなかなか信頼のできる人物ユースだった。



「…貴様コイツは何だ。」

「申し訳御座いません!!彼が何か無礼な事をしたのでしょうか。しかし彼はまだここに雇われて一週間も経っておりません。どうかお許しを…!!」

「違う、俺は何故こんな幼い少年を雇っているのかと聞いている。」



目の前のネモアと言う少年を瞬時に庇うユース。

しかしシドが聞きたい事はそんな事ではなかった。



「陛下その事ですが…少々話す時間を頂いても構わないでしょうか。」

「……あぁ。」

「…ネモア、今日の仕事はもう良いから…部屋に戻っていなさい。」



ネモアは一瞬どうしようかと焦ったが「分かりました、失礼します」と深くお辞儀をして出て行った。






「…それで、話とは、」

「はい…。実は彼…ネモアと言うのですが、両親が居ないらしいのです。幼い頃から孤児院に住んでいるものの、孤児の人数が増えるばかりで大変お金に困っているらしく…。」

「…ほう、」

「それで…、ネモアは孤児院の子供達の為に出稼ぎをしに此処へやってきたんですよ。」





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