#04
シドは人を愛した事がなかった。
行為は人並み以上にあるものの、その行為に愛を感じた事がまるでないのだ。
毎晩のように美しい女性を部屋へ連れ込んでは行為へ及ぶ。
女性は柔らかく綺麗だと思うが、シドはそれ以上に綺麗な存在を知っていた。
しかし相手はただの幻想でしかない訳で…
どうしようもない話だった。
飽きては捨て飽きては捨て…
沢山の女性を抱いてきたシド。
その度に心の虚しさは増すばかりであった。
─ 嗚呼きっと‥あの天使に呪われているんだ。
シドは天使の存在を呪ってみたが、それでも虚しさは消えなかった。
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