♯10
一線を引く事で成り立っていた関係。
それが永遠に続いていくのだと信じて疑わなかった。
いや、デェイルは信じていたかった。
「デェイル、僕はもう君に会えない。…会ってはいけないんだ、」
「……なんで、」
天使は突然言い出した。
悲しげな表情を浮かべ、もう会えない、会ってはいけないと。
デェイルは困惑した。
どういう事だ、
俺は会いたい、
ずっと永遠に会い続けたい。
デェイルの頭の中に『会わない』という選択肢は存在していなかった。
「知られてしまったんだよ、僕がデェイルと……悪魔と会っている事が‥」
「だからって…、」
「だからっ!もう…会っては駄目なんだ‥、会えないんだ‥、」
天使は綺麗な瞳から涙を零した。
悲しみに溢れた表情は儚げで‥やはり美しく。
デェイルは胸が締め付けられる想いだった。
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