[携帯モード] [URL送信]

真心文庫
聖獣学園体育祭 −当日−
体育祭当日。
朝早くから集まった全校生徒は開会式の会長の挨拶が終わり
第一種目である【空中戦闘】のスタート地点である
賢人・紅・黄金・蒼の宮殿の真ん中に位置する広々とした庭に集まった。

色々な組の代表選手が顔をそろえた。
炎精組からはみちる・明雄・奏の3人。

聖獣学園指定の体育着に身を包んだ3人は赤いはちまきをつけた。

「いよいよだね、今日は全力でぶつかって行こう!」

「あんなやつらに負ける気なんざしねぇよ、くくくっ」

「一致団結して勝利を掴みましょう!」

そして3人は手を重ね合わせた。
周りからの痛々しい視線を気にすることなく3人は大声で言った。

『勝利は炎精の手中に有り!』


ーーー

『では、これより第一競技である空中格闘を行いますわ。
出場選手は全員ポケモンを出し、速やかにスタートラインにて待機するように。』

カンナのアナウンスと共に選手達がポケモンを次々と出していく。

みちるはガルバーダ。
明雄はトロピウス。
奏はムっくん。
そして横に居る雷帝組代表の海月はジークを出している。

そしてついに戦いの幕が開けた。

『競技開始ですわ!!』


そして全員が飛び立った。

ーーー

戦闘に躍り出たのはジーク。
ポケモンへの直接的な妨害が認められているので
他の選手達は日ごろの恨みをこめて一斉に攻撃してくる。

「ジーク!まもる!、そして火炎放射!」

数多くの実践を積んできたジークはまもり、
多くのポケモンにやけどを負わすと、何事もなかったように飛び続けた。

やけどを負ったポケモンの何匹かはそのまま落下し、リタイアとなった。
その様子を少し後ろのほうにいたみちるが見て、思わず息を呑む。

「あの場に私が居なくてよかった・・・。」

そして数が減ったところで前のほうの団体と合流する。
前のほうと言ってもほとんどが成金グループだ。
海月の姿はもうなくなっている。

怒りの矛先を向ける相手が居なくなった成金達は
同じく憎い炎精組の中でももっとも恨まれていると思われる明雄に向ける。

「死ね!!翠殿寺明雄!!」

「父上を傷つけられた恨み、ここで晴らす!!」

「消えなさい、反逆者!!」

明雄はその大量の弾丸を見、歪んだ笑みを広げる。

「ピーピー喚いてんじゃねぇよ!トロピウス、マジカルリーフ!」

魔力を帯びた葉はその弾丸一つ一つを切り裂き、エネルギーを分散させる。
それだけでは威力は弱まらず、そのまま技を放ったポケモンに当たり、そのまま落ちていった。

みちるは目の前にいた成金達が跡形もなく消えているのを見て改めて思った。

「本当・・・私、参加しなくて良かった・・・。」

アメルダスはそこまでスピードは出せないのでふわふわと飛ぶ。
そしてその隙を突こうと後ろから攻撃が飛んできた。

「やあ!みちるちゃん、元気にしてる?」

「銀さん?!」

明るい銀とは裏腹に彼の不意打ちとも言える攻撃は中々強力なものだった。
ギリギリのところで影分身で避けられたからよかったものの
当たっていたら確実に成金達と同じ末路を辿っただろう。

「う〜ん・・・。さすがにみちるちゃんは一筋縄じゃいかないなあ。」

「銀さんも・・・ですねっ!!」

みちるもお返しとばかりに冷凍ビームを銀のジバコイルに仕掛けた。

「ジバコイル、ミラーコート。」

笑顔にもかかわらず二倍のダメージを跳ね返す銀。
だが、みちるも口の悪い男たちと張り合っているのだ、このぐらいで怖気づいたりはしない。

「ソーラービーム!」

太陽の下にいるため、チャージ時間は必要としない。
だが、さすがに威力二倍なのでソーラービームは銀には当たることなくその場で拡散した。

見ると、銀がめがねを小指で軽く持ち上げながらニコニコ笑っている。
下ではアメルダスにロックオンをしているジバコイル。

「本当・・・。みちるちゃんは簡単には倒せないなあ。だから確実に帰らせてあげるよ。下にさ。」

「わざわざお気遣いありがとうございます!でも、お疲れのようですので銀さんが先に帰ってください!」

「いや、レディーズファーストだからさ、みちるちゃんからどうぞ!」

そう言った瞬間に電磁砲がみちるに向かって解き放たれた。
だがみちるも負けてはいない。

「年上の方を優先させるのが礼儀ですから!では、また会える日まで!」

みちるはジバコイルを打ち落とすために彼の頭上に岩を出現させた。

そして決着がつくと思われたその時。

「高速移動!そしてお二方の技の中心でまもってください!」

どこから現れたのか奏がムっくんとともに凄まじいスピードで二人の間に割ってはいると
双方の技を全身で受け止めた。

「奏ちゃん?!」

「あ〜もうちょっとだったのになあ。」

驚くみちると残念そうにしている笑顔の銀。
そして少し怒った口調の奏。

「お二人とも!傷つけあっちゃだめです!」

「いや・・・そうは言ってもこの競技は妨害おk・・・」

「駄目です!誰も傷ついては!!」

銀は少し目を見開いた。

謝ろうと考え始めたそのとき

『今、トップの選手がゴールしました!第一着は雷帝組 海月さん!第二着は翠殿寺明雄くんです!』

アナウンスが響いた。


結果


第一位 海月

第二位 翠殿寺明雄

第三位 Ext・・・。

最下位 藍崎みちる
     蒼真銀
     奏


第一競技 【空中戦闘】 終了。

[back][next]

17/56ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!