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真心文庫
いい知らせ
紅花の館 炎精組女性陣の部屋

みちる達が仲良く談笑しているときだった
炎精の部屋に一本の電話が鳴った。
会話が途切れ、全員の視線がそちらに向く。

「こんな時間に誰だろう?」

「まぁ、こんな時間まで話してるアタシ達がおかしいんだろうけどね」

「そうですねー」

気楽に言ったが確かにこんな時間に連絡が来るのは珍しい。

(まさか・・・また明雄がイタ電してんじゃないよね?)

通信相手が誰かも分かっていないのにみちるは一方的に明雄を頭の中で責めた。
だが、万が一他の人だったら申し訳ないので声のトーンは戻したが。

「はい。こちら炎精組の藍崎です。」

『ああ。みちるかい?夜分遅くにすまない。』

「えっ?!会長ですか!?」

『・・・誰だと思ったんだい?』

みちるは言おうと思ったがそうすると日が明けるまで
明雄について愚痴りそうだったのであえて誤魔化しておいた。
会長の耳を煩わせるわけには行かない。
明雄の愚痴など明雄本人に言うだけで事足りる。

「いえ、なんでもないんです!
・・・で、どうかしたんですか?」

『じつは君に頼みがあるんだ』

会長からの頼みは珍しい。
生徒会の面々は優秀なのでみちるたちに頼まずとも大抵のことはこなすからだ。
優秀としか言いようが無い。
でもそんな優秀な人々にはたのまず、あえてみちるに頼んだのは疑問だ。

(生徒会の人たちが出来なくて私が出来ること?・・・なんだろう?)

疑問に思ったが質問はせずにしておいた。
話が長くなると向こうも困るだろう。

「はい、なんですか?」

『実は炎精に仮新入生が二人入ることになった。
二人とも女性だから君に彼女達の案内役を務めてほしいんだ。』

「えっ!新入生ですか!?」

みちるは思わず声が高くなった。みちると瀬南が入ってから誰も来ていない。
まず、炎精組に入ること自体めったに無いことなのでさらに興奮が高まる。

『仮・・・だけどね。頼まれてくれるかい?』

「はい!もちろんです!どこに行けば良いですか?」

『賢人の宮殿にて待っている。では失礼する。』

「はい!ありがとうございました!」

みちるは上機嫌で電話を切ると部屋から飛び出そうとした。
だが、事情を理解していない麗たちは思わずみちるを呼び止め事の次第を聞いた。
だが、みちるも早く行きたいらしく一言で済ませた。

「新入生迎えにいってきます!」

「ええっ!?」

声を荒げた二人を置いてみちるは部屋の外に駆け出した。

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