真心文庫
お茶会 (空&ヨルノズク)★
とても天気のいい青空の下。
空とヨルノズクはのんびりと庭園でお茶を飲みながら話していた。
ヨルノズクはコーヒーテーブルの上に大きな古い本をおいて読み、空は足を組み、右手にコーヒーカップの小皿を、左手にコーヒーカップを持っていた。
空はカップに口をつけ、離すとヨルノズクに言った。
「・・・のどかな日だな。」
「そうですな。最近はどこも平和に満ち溢れております。」
「そうだな・・・少し平和ボケし過ぎているようにも感じるが・・・」
「ホッホッホ。それでいいんです。平和であることが1番ですから。」
ヨルノズクは読んでいた本から顔を上げ、笑顔でそう言った。
空はそれを聞くと少し不思議なものを見るような顔をしていたがやがて目を閉じ、小さく笑った。
「平和が1番だな。」
そして飲みかけのコーヒーにまた少し口をつける。
「聖様もきっと、今この時を穏やかにお過ごしのことでしょう。」
空はいきなりの名前に口をつけていたコーヒーを噴出しそうになったが、寸前で止めた。
カップから口を離し、ヨルノズクを見る。
「いきなり何だ?」
「いえ・・・平和が1番と聞いて聖様のことを思い出しただけです。今頃、あのお方は何をしているでしょうか?」
空はカップを右手に持っていた小皿におき、青空を見上げた。
まるで何かを思い出すように。
「会いたいですか?」
ヨルノズクはそんな主人を見て、穏やかな口調で訊いた。
「どうだろうか・・・姉さんが今この時を穏やかに過ごしているなら、わたしが会う必要はないだろう。それに・・・」
空はいったん口を閉ざし、何事もなかったかのようにまたカップを左手で持ち上げ、口をつけた。
「ん?どうやら、また何かを見つけたようですぞ?」
ヨルノズクはテーブルにおいてあった光った水晶玉を片翼で示した。
空は小皿とカップをテーブルに置くと椅子から立ち上がり、その身体には少し大きい杖を掴み、羽織っていた白のローブを翻し、言った。
「さあ、仕事だ。」
「はい。」
ヨルノズクはそんな空の後を器用に杖を使いながら追った。
ほんののどかなお茶会だった。
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空とヨルノズクのプチお茶会です/
リクエストもらったので書かせていただきました。
陽空さん、ありがとうございました!
気に入ったのなら、陽空さんのみ、お持ち帰り可能です。
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