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真心文庫
オタマロ?♪ (陽月&絆)
●陽月はピアノを弾いていた。

絆「陽月ちゃん!」

●絆がやってきた。
●陽月は手を止め、絆を振り返った。

陽月「む?どうかしたのか?」

絆「ねえねえ、これ、見つけたんだけど・・・」

●絆は持っていた紙の束を陽月に渡した。
●陽月はそれを受け取り、首を傾げる。

絆「さっきね、1階の部屋とか、箪笥とか見てたら見つけたの。勝手なことしてごめんね。」

陽月「別に構わないが・・・」

●絆が渡したものは楽譜だ。

絆「この楽譜、ピアノのだよね。弾いてみて?」

陽月「・・・・?がくふ?」

絆「え?うん、楽譜だよ?どうしたの?」

●陽月は不思議そうに無表情ながら首を傾げる。

陽月「これはオタマロではないのか?」

●沈黙が流れた。

絆「・・・・?オタマロ??何で???」

陽月「私はこれをオタマロだと母様に教えられた。」

絆「何でオタマロ???」

陽月「この黒い記号がオタマロに見えるからオタマロなのだと母様に言われたのだ。」

●陽月、4つの頃。回想↓

<空海「いい?陽月。この黒い記号があるでしょう?これね、ポケモンのオタマロに似ているでしょう?
だから、これはね、オタマロって言うのよ。」>

<陽月「オタマロですか?」>

<空海「そうオタマロよ。分かりましたか?」>

<陽月「はいっ!母様っ!」(笑顔)>

●回想終了。
●ちなみにこれは空海のデマだ。
●空海の心の中↓

<空海「(フフッ。本当に信じたみたい。可愛いですよ、陽月♪)」>

●陽月は昔からいじられていた。

陽月「だからこれはオタマロではないのか?」

絆「あはははっ・・・。陽月ちゃんのお母さんも面白いこと教えるんだね;」

陽月「むぅ?」

●陽月はまだ不思議そうに首を傾げている。
●絆はちょっと困ったように笑っている。

絆「(陽月ちゃんって、最近いじられてる;昔からいじられてたんだね;)」

陽月「ところで、この、楽譜?とやらを見つけた君は、私に何をしろと?」

絆「あ、うん、えっとね、この曲弾いてほしいなって。楽譜読めるならだけど・・・」

陽月「読めるとは思うが・・・」

絆「じゃあ、聴かせて!あたし、聴きたい!」

●絆は笑顔を向けた。
●陽月はその笑顔に少し微笑んだ。
●そしてピアノに楽譜を置く。
●再び前に向き直り、ピアノと向かい合う。
●少し楽譜を見た後、弾き始めた。
●かなり激しい曲だ。
●だが難なく弾く。
●弾き終わった。

絆「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

陽月「・・・・弾いたが?」

絆「・・・・・・・・・・陽月ちゃん・・・・・」

陽月「ん?」

絆「・・・・・・・・・出来ないこと・・・・ないんじゃない?」

●絆は驚きのあまり平然としている。

陽月「?私には色々出来ないことがあると思うが?」

絆「例えば?」

陽月「・・・家事・・・だな。」

絆「料理とか?」

●陽月は小さく頷いた。
●絆はやっと微笑んだ。

絆「えーっと・・・・じゃあ、今度あたしが教えてあげる。陽月ちゃん、教えたら出来そうだし。」

陽月「・・・?」

●陽月はとりあえず頷いた。
●絆は陽月の手を取った。

絆「下、行こ?」

●陽月は微笑み、立ち上がった。
●小さく頷き、絆と共に下へ下りた。





ーーーー

いやー・・・何となく、陽月が楽譜という一般的な名を知らずに「おたまじゃくし」ならぬ「オタマロ」と言ったらどうなるのかなー?と。
だってほら、楽譜って最初分からないとき、結構「おたまじゃくし」って言いません?
音符が おたまじゃくし に似てるから・・・。
言いませんか・・・私だけかな?
「この世界に果たして『おたまじゃくし』という生物はいるのだろうか?」という考えからオタマロにしたのですが・・・。
ほら、オタマロって おたまじゃくし がモデルみたいだったので・・・。
言い訳にしかならないですね^^;

ちなみに陽月ちゃんは絆から基本的なご飯の炊き方を習ったようです。
おいしくできました(笑)

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