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真心文庫
A一人
ある町の少し離れた森の近くにある、小さな家。
そこには少女が1人、ポケモンたちと住んでいた。

少女は物心ついたときから、両親がいなかった。
噂によると少女の両親は貧しく、ポケモン1匹と暮らすのでさえやっとだったらしい。
そんな時、少女の母は少女を生んだ。
2人は自分たちの子に出来る限りの愛情を注ぎ
可愛がり、育てていたが、やはり十分な暮らしは出来なかった。
そして少女が生まれて半年、2人は泣きながら、この小さな家に6匹のイーブイたちと暮らす
心の優しい、子供好きなおばあさんに預け、蒸発した。

そのおばあさんには子供がいなかった。
そのため、まだ生まれて半年の少女を自分の子のように
大切に、心の優しい子になるように育てた。
少女はそのお陰でみんなを明るく照らす、太陽のような笑顔の子に育った。
だが、少女が7つの時におばあさんは寿命で亡くなってしまった。
少女は最初、寂しいと悲しいと、これからどうすればいいのかと、ずっと思っていたが
おばあさんの残していったポケモンたちを守っていかなくてはと思い、笑顔で生きていくことを決めた。
何度か少女を家で預かろうという声があったが
少女はおばあさんの残していった家に「1人でもいいから住む」と
そう笑顔で言った。
それで町の人間たちは少女に援助することにした。

そうして8年の歳月が過ぎた。
少女 結心 絆 は15歳になった。
そして、ある日まで、ずっとその家にポケモンたちと住んでいた。
笑顔でポケモンたちと住んでいた。
たった一人で、ポケモンたちと笑顔で住んでいた。

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あきゅろす。
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