真心文庫
始まりは夢の中
(ここはどこ?)
巫女は真っ暗な世界にいた。
何も見えない。
どこにも行けない。
生きているのか死んでいるのかすらも分からない。
重苦しい、真っ暗な世界・・・。
息をしているのか、止めているのか。
何があった?
(そう・・・確か、私は学校から帰ってきて、いつものように過ごして、眠った・・・。ということは、ここは夢の中?)
そんなことを思い出していると、頭の中で声が聞こえた。
-ここは夢じゃないよ。-
(何?)
-ここはこちらへ来るためのトンネル。巫女、君は選ばれたんだよ。-
(選ばれた?)
-そう。君は本当の仲間の意味を忘れている。そんな君の無意識な心の声を聞いて、君はこちらへ来ることを許された。君は選ばれた子なんだよ。-
(本当の仲間の意味?)
-君は今の生活をあまりよく思っていない。そんな君の心が迷子になって本当の仲間の意味を知りたがってる。だから、こちらの世界へ来ることを許された-
(私はどうなるの?)
-安心して。君がその意味を見つけることが出来たら、またもとの世界に戻れるから。-
(見つけられるの?)
-それは君次第だよ、巫女。もし、その意味を見つけられなかったら一生戻ることは出来ないけど。でも、君ならきっと見つけられるよ。だって・・・-
頭の中の声は途絶えた。
そして目の前に光の道が出来た。
(待って!まだ聴きたいことが・・・)
巫女は自然とその光を目指して走った。
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