戻れない道 とある高校で * * * チャイムが鳴り、昼休みになる。 皆が弁当を広げたり、購買に行っているなか、一人だけ机に突っ伏して寝ている。 「朔、弁当食べないの?」 「ん、食べる」 声をかけられ起きたと思えば、さっきまで寝ていたのが嘘のような速さで弁当を広げた。 「てか、今昼だよね?」 「昼だよ」 何当たり前のこと言ってんだ。という風に軽く返す女の子。 「うち、1限から寝てた!?」 「うん」 「何で誰も起こしてくれないん!」 やや叫ぶ朔と呼ばれた女の子。 「いやーすごいよね。進級して約1ヶ月。クラス内でできた暗黙の了解」 「・・・・・・・・・何、それ」 聞きたい気持ち半分、聞きたくない気持ち半分。そんな感じで聞く。 「先生が起こせと言うまで起こさない」 クラスの誰もが朔の安眠っぷりに何も言えないのだ。 「先生達ですら諦めてるしね」 よかったね。と笑っているが理由を聞いた朔は脱力している。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |