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骨が踏みつけられる音がした

※残酷表現注意










ごり、と骨が踏みつけられるがした











「ぐ、…っ」


思わず耳を塞ぎたくなるような肉と骨が擦れる音。
息を吐く暇も無しに、降ってくる打撃を体で受け止めていた。


「い、た、っあ、」

「…あ?」
「っ…ぁ、あ」

「いちいち声出してんじゃねえよ」
「いっ…!」


その場で叫んでやりたかった。

責め立てるその足を押し退けて。

彼 折原臨也は、唯一の宿敵といえる平和島静雄に、まるでゴミの塊を扱うかのような態度で体のそこら中を踏みにじられていた。
みしりみしりと音を立てる骨や関節は、もういくつかだめになっているかもしれない。
口元や後頭部には赤黒い血が流れ、その血液は首筋を伝って体中を塗らしている。


見るだけで悲痛なその光景は、かれこれ2時間ほど続けられている。
手首は後ろで縛られ、地面に転がされた臨也は身動きの取れない状態でわけもわからずされるがままだ。
だが、そんな理不尽にしか見えない行動さえも、静雄自身には十分な"愛"があった。


「おら」
「あ、がっ、っう」

服がめくれて露わになった白い腹を思い切り蹴り上げる。
相手の苦痛に歪む表情を見て、恍惚とした笑みを浮かべた。

静雄は、自分の高まった感情を暴力でしか表すことができない。
好きだ、素直にそう言えないだけ。だからこうして乱暴をする。
そんなことをしてはいけないのは、子供の頃からわかっていることだったが。

見事に裏返った『好き』の感情は、いつしか『大好き』に変化して。

狂気じみた愛情は、いつかめでたく花を咲かせるのだろうか。

無謀ともいえる望みは、現在進行形で途絶えることなく正常に叩きこまれている。





そして、臨也もいつしかその歪んだ愛を受け入れ、愛情を注いでくれることに安心感まで抱くようになっていた。
殴ってくれる、愛してくれる、
そのためにはこの痛みと苦しみに耐えなければいけない。
静雄にはそういう愛し方しか出来ないのだから。



「…っ、っ!」

「痛いか?」
「…う、んっ、」
「つってもやめてはやんねえけど…よっ」
「っぐ!ぁ、は」
「なあ臨也くんよぉ」
「……な、に…」


負け犬のようにこちらを見上げる様子に、酷く興奮する。

だから、言ってやった。














「まだまだ、いけるよな?」














蹴りたい踏みたい殴りたい、
三回回って好きって言え。









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あきゅろす。
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