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SS集
冬木市へ疎開の巻その三(2009.5.25〜)
レ:さて……ジェンクさんもパセリちゃんもどこかへ出かけちゃいましたし、僕も散歩にでも……あ、そうでした、釣りでもしてみましょうかね。



レ:ああ、今日はいないですね……よかった。ゆっくり釣るには良さそうです。
………あ、昨日うんざりしてた人がいますね。今日は釣れますか?

??:ん?まぁ、ぼちぼちだな。…あんた見ない顔だが、なんのようだい?

レ:は?

??:おいおい、それだけ闘気だしててその台詞はないだろ?

レ:あ、やっぱりわかりましたか。…あなたもサーヴァントですか?

??:……てめぇ、魔術師か?

レ:いえいえ、魔術なんて使えませんよ。ちょっと複雑な理由でしばらくこの街に滞在する一般人です。

??:…まぁ、いいか。敵にならんなら気にする必要もないしな。

レ:助かります。じゃあ、あっちで釣らせてもらいますね。





レ:よっ…と。

??:…なあ、何でそんなに釣れるんだ?

レ:え?いやぁ…普通に釣ってるだけですけど…

??:普通に釣っててそんだけ釣れるとか、どれだけ強運なんだよ…



レ:……………

??:……………

レ:……………

??:……………

ジ:あ、いたいた、レイトー。

レ:ジェンクさん?どうしたんですか?

ジ:いや、もういい時間だろ。おまえ釣りに行くと夜になっても帰らないからな。

レ:あ、もうそんな時間ですか。それじゃあ帰りましょう。

ジ:今日の釣果は……すげぇな、相変わらず。こんな食いきれないほど釣ってどうすんだよ。

レ:手を入れれば数日は持ちますよ。

ジ:でもなぁ……あ、そうだ、そこのあんた、幾つか持ってかないか?

??:ん?いや、俺も今日の分ぐらいは釣ってるんでね。悪いが間に合ってる。

ジ:そうか…。仕方ない、ちぃと遅いがお裾分けに行くか。

レ:そうですね。…それでは、また。

??:ああ、機会があればな。



ジ:…にしても、随分仲良さそうだったじゃん。何時知り合ったんだ?

レ:今日ですよ。釣りに来てみたらちょうど彼だけでして。

ジ:ふぅん。

レ:で、彼、どなたなんですか?

ジ:知らないで話してたのかよ…あれはランサーっていう、槍兵のサーヴァントだ。






パ:さーて、新都はみんな回っちゃったし、今日は深山に行ってみようかな。まずは士郎の家に〜。




パ:…歩いてくると結構かかるなぁ。でも、橋からの景色は良かったから今度ジェンクとレイトも連れてこよっと。

ぴんぽーん…

ライ:はい、どちら様で……ああ、パセリですか。

パ:こんにちは〜。遊びに来たよ。

ライ:遊びに、ですか?しかし今日は私しかいませんし、遊べるような物も特には…

パ:じゃあ訂正、深山に散歩に来たから寄ってみた。ちょっと休憩させて〜。

ライ:そうですか。では中へどうぞ。居間へ行っていてください。

パ:りょーかーい。



パ:ぷはー。あ、そうだ、士郎達が学校なのはわかるけど、他の人たちは?

ライ:他、ですか。まずイリヤ達はここには住んでいません。私は今日はバイトが定休日なのでここにいますが、普段は仕事ですね。セイバーは……

パ:セイバーは?

ライ:公園で子供と遊んでいたり、商店街で買い食いをしていたり…あと、ファンシーショップに入り浸っていたりですね。

パ:…あー、なんていうか、気ままだね…



パ:さて、それじゃ今度は商店街にでも行こうかな?

ライ:パセリ、それなら送りましょう。

パ:え?

ライ:ちょうど私も出かけようかと思っていたのですよ。

パ:あ、ありがとー。

ライ:少し待っていてください。準備しますので。



ライ:では、後ろに。

パ:すごい自転車だね……

ライ:乗りましたか?

パ:オッケーだよ。

ライ:それでは、行きます!

ごおっ!

パ:わわわわわわぁっ!

ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃっ!

ライ:相変わらず好調ですね。軽く一周してから向かいますか。

パ:ちょっ――――





ききっ!

ライ:パセリ、つきましたよ。……パセリ?

パ:きゅぅ………



ライ:それではこれで。

パ:あ、うん、ありがとー。それと、人を後ろに乗せるときは後ろの人が大丈夫な速度で走ろーねー。
…っと。そういえば私、商店街に来るの初めてなんだよね。誰か知ってる人とかいないかなぁ。

セイ:おや、誰かと思えばパセリではないですか。

パ:噂をすれば……こんにちは、セイバー。

セイ:こんにちは。どうしたのですか?こんなところで一人で。

パ:暇だったから散歩〜。そうだセイバー、私ここの商店街には初めて来たんだけど、案内してくれない?

セイ:いいですよ。それでは行きましょうか。



セイ:ここは魚屋です。少し前までランサーが働いていたのですが…最近姿を見ませんね。

パ:ランサー?

セイ:いえ、何でもありません。ああ、この先には肉屋と八百屋と米屋があります。



セイ:中華料理屋「泰山」です。非常に辛い料理をだすところですね。たまにはこういった物も良いものです。



セイ:クレープ屋です。常設店ではなく、新都の方で開いているときもありますよ。



セイ:江戸前屋です。ここの大判焼きは絶品で……

パ:……ねぇセイバー。

セイ:なんですか?パセリ。

パ:食べ物関係以外の店も案内しようよ。

セイ:う、そ、それは……

ライ:セイバーは食い意地が張っているので、食品関係の店しか知らないんですよ。

パ:あ、ライダー。どうしたの?

ライ:自転車も思う存分乗ったので、本を買って帰ろうと商店街に来たのですが…

セイ:ライダー!食い意地か張っているとは聞き捨てなりません!

ライ:そうは言いますがセイバー、あなたの食に対する執着は尋常ではありません。

セイ:食は豊かな生活には必要不可欠なものです!執着するのは当然でしょう!

ライ:そういう台詞は自分で食費を稼いでから言ってください。

セイ:……くっ!

パ:そこで負けるんだ!?

ライ:さあ、パセリ。せっかくですから私が案内しましょう。

パ:あ、うん。じゃーねー。

セイ:……私も何か仕事を探すべきでしょうか。



パ:おおっ、おっきい本屋だね。

ライ:ええ、ちょうど今日リニューアルオープンなんですよ。

??:いらっしゃいませー…なんだ、ライダーか。

パ:あ、この前堤防で釣れてなかった人だ。

??:嬢ちゃん、初対面でそれはねぇんじゃねぇか?

ライ:ランサー……また職を変えたのですか。おおかた、客に手でも出したんでしょう?

ラン:そりゃあ、可愛いお嬢さんがいたら声をかけなきゃ男じゃねぇぜ。

パ:わたしはー?

ラン:嬢ちゃんにはちと早いな。

?:ランサー、お客さんと話すのもいいけどこっちも手伝って……お、なんだパセリか、ライダーも。

パ:ジェンク?あ、バイトってここだったんだ。

ラン:なんだ、お前の知り合いか。

ジ:ああ、同居人だ。…ランサーとは面識なかったよな?

パ:堤防で見たことはあるよ。話したのは今日が初めて。

ジ:そか。紹介はいるか?

パ:いや特に。

ラン:いらねぇな。

ジ:じゃあいいや。ランサー、仕事に戻るぞ。

ラン:あいよ。

ジ:あ、パセリ、レイトに遅くなるって伝えといて。開店セールで営業時間伸ばすみたいだから。

パ:わかったー。

ライ:ランサー、ここはどれだけ持ちますかねぇ。

パ:店長の度量による、かな。



パ:いろいろありがとー、じゃーねー!

ライ:ええ、さようなら。

パ:それじゃあ……今日はもう帰ろうかな。





パ:ただいまー。

レ:お帰りなさい、パセリちゃん。

パ:ジェンク今日は遅くなるって。

レ:そうなんですか?じゃあちょっと献立変えますか……パセリちゃん、帰ってきて早々悪いんですけど、買い物行ってきてくれませんか?

パ:いいよー、何を買うの?

レ:今メモを渡しますよ。



パ:とりあえず新都のスーパーまで来たけど……ええと、メモメモ…



パ:あとはあれを買えばいいのかな?でも……届くかなぁ…
よっ、んん、もうちょっと……あ。

?:これでいいの?

パ:あ、ありがとうございますー。

?:あれ、どっかで見たことあると思ったら、確か前に衛宮といた…パセリちゃんだっけ?

パ:え?あ、そういえばたしか公園で…

綴:そ、公園で会った美綴綾子、今日はお使い?

パ:うん。綾子も?

綴:あたしゃ自分で作るんだけどね…他に買う物は?

パ:頼まれたのはこれで全部。あと、少し余分にもらったからお菓子でも買おうかと思って。

綴:あ、そういうことなら、いい店があるよ。





パ:あ、クレープだ!深山にあったのとは違うやつ!

綴:あっちほど量はないけど、こっちのがおいしいんだ。夕食前に食べるならこのぐらいがいいでしょ?

パ:うん、ありがとー!

綴:いいってこと。じゃあね。

パ:…いい人だなぁ。あこがれるのもわかる気がするよ…



ジ:さて……さすがにいい大人が遊び歩いてるわけにもいかんし、バイトでも探そう。まずは近場で……





ジ:うーん……どうするかな…

?:あれ、ジェンクじゃない。こんなところで何してるの?

ジ:あ、ネコさん。この間はどーもありがとうございました。

ネ:いーのいーの、聞いた話によるとだいぶ盛り上がったらしいね。私も行けば良かったなぁ。

ジ:いやぁ、俺は潰されたあとのことは知らないんで何とも……

ネ:で、何してるの?

ジ:バイト探してるんですよ。ネコさんはなんか知りませんか?

ネ:バイトねぇ。うちはこの間バゼットを入れたばかりだし………そうだ、深山になるけど、本屋とかどうだい?

ジ:本屋ですか?

ネ:近々リニューアルオープンするところがあってね。確かバイト募集してたはずだよ。

ジ:あ、それじゃあ早速行ってみます。

ネ:ああ、今度はうちの店にでも寄りなよ。

ジ:ええ、近いうちに。



店長:はい、これで面接は終わり。ちょっと向こうの部屋で待っててね。

ジ:あ、はい。失礼します。



ジ:さて、と。雇ってもらえるといいんだが。

??:大丈夫だろ。俺たち二人だけだぜ?受けたのは。

ジ:あ、この間レイトと釣りしてた…

ラン:ランサーだ。あんたは確か…ジェンクって呼ばれてたな。ま、よろしくやろうぜ。

ジ:ああ。

店長:二人とも採用だよ。仕事の説明をするから、ついてきて。





店長:…こんなところかな。あとわからないことは、その都度僕や他の店員に聞いてみて。

ジ:わかりました。

店長:オープンは明日だから何とか今日中に終わらせてね。

ラン:ああ。

ジ:さて、と。とりあえずは本の陳列作業か。

ラン:ぱっぱとやって、早いとこ終わらせようぜ。

ジ:ああ。じゃあ、この小説棚からやるかな。

ラン:俺は雑誌のほうやってくる。





ラン:ジェンク、どこまでやっ――

ジ:ランサー。こっちは一通り終わったよ。

ラン:ずいぶん早ぇじゃねぇか。

ジ:まぁ、本に関しては、ね。






店長:それじゃあ、今日から開店だから、接客もきちんとやってね。
あ、そうそう、言い忘れてたけど、今日は開店セールってことで営業時間を伸ばすよ。で、できればバイトのみんなにも手伝ってもらいたいから、残れる人は時間が終わっても引き続きやっていって。

ラン:…だとよ、どうする。

ジ:最後までやってくよ。それなりにつくだろうし。

ラン:そうか、んじゃあつきあうぜ。




店長:いやー、今日はありがとう。延長分は時給あげておくからね。

ラン:なあ、これから飲みに行かないか?

ジ:あ?俺は構わないが、そっちは大丈夫なのか?マスターは?

ラン:そっちは問題ない。最近仕事を始めたみたいで、帰りが遅いからな。

ジ:まぁ、そういうならいいんだが…



ネ:いらっしゃーい、あれ、ジェンク、早速来たね。

ジ:ええ、折角なんで飲みにきました。

ラン:ほー、なかなかいいとこだな。

ネ:ありがとね。で、注文は?

ラン:とりあえず生二つな。



?:お待たせしました、生二つです。

ラン:サンキュー……!?

ジ:あ、バゼットさん。こんばんわ。

バゼ:こんばんわ、ジェンク。ランサーと知り合いだったのですか?

ジ:ついこの間知り合った。

ラン:おいジェンクてめぇ、知ってて連れてきやがったな?

ジ:さあ、なんのことだか。

バゼ:私が必死に稼いでいる間にあなたは飲み歩きですか、ランサー。いい身分ですね。

ラン:い、いや、ちょっと待てバゼット。

バゼ:何を言っているんですか。怒ってなどいませんよ?ええいませんとも。
……ただ、帰ったら話がありますので。

ラン:……………







レ:うーん、買い物はやっぱりマウント深山商店街ですねぇ。

肉屋:よお兄ちゃん!最近よく来るなぁ。

レ:ええ、越してきたのは新都なんですけど、こっちのが好きなんですよ。

肉屋:嬉しいこと言ってくれるねぇ。ちょっとサービスだ。

レ:あ、ありがとうございます。

魚屋:こっちの店はいつも素通りしてくが、魚嫌いか?

レ:そうじゃないんですけど、魚は自分で釣るもので。

魚屋:お、それなら、ここいらじゃ釣れないこいつなんかどうだい?

レ:あ、いいですね。…もうちょい安くなりません?

魚屋:そうだな、ようやく買ってくれるわけだし…このくらいでどうだ。

レ:もう一声、いけるでしょ?

魚屋:う、あんた玄人だな。わかった、じゃあ、これでどうだ!

レ:ん、じゃあ、それで。あと、これとこれもください。

魚屋:毎度あり!

レ:さて、と。今日は魚メインに切り替えますか。

?:まだ来て日も浅いのに、すごいですね…

レ:ああ、こんにちは桜さん、そちらも買い物ですか?

桜:はい、今晩の食材を。

レ:それなら、これ、いりませんか?買ったんですけど今さっき使わないことになってしまって…

桜:お肉ですか?

レ:ええ、メインにするつもりだったんですけどね。魚を買ったのであげます。

桜:でも……あ、それじゃあ、一緒に作りませんか?

レ:え?

桜:ジェンクさんとパセリちゃんも呼んで、先輩の家で夕食にしましょう!レイトさんの腕も見てみたいですし。

レ:そうですか?それじゃあ…………




ジ:よーぅ、衛宮、今帰りか?

衛:ジェンク?ああ、そうだけど。

パ:それじゃ、一緒に行こー。

衛:あ、ああ。別にいいけど…来るんなら夕食多めに作らないといけないな。ちょっと買っていくよ。

ジ:え?それは大丈夫じゃないか?

衛:いや、今日は確か食材が切れてて桜が買い物してたはずだから…

ジ:なら大丈夫だろ。俺たちその間桐さんから招待受けたんだし。

衛:…はい?

パ:あれ。…もしかして聞いてない?

ジ:なんか商店街でレイトと会って、料理の腕が見たいからとかで合同調理することになったそうだ。

衛:…まぁ、別にいいんだけどさ。それなら食材は十分か。

パ:それじゃ、改めて衛宮邸へ、ゴー!



衛:ただいま〜、っと、レイトさんいらっしゃい。

レ:どうも、台所借りてますよ。

桜:すいません先輩、勝手にみなさんを呼んでしまって…

衛:ああ、別に構わないよ。

ジ:レイト、今日は何の予定なんだ?

レ:最近暑くなってきたので、早いですが夏バテ予防に肉(スタミナ)にしようかと思ってたんですが…

桜:いい魚を見つけたみたいですよ?

ジ:じゃあ今日は肉と魚両方?

レ:ええ、それだと多いので、

桜:夕食を一緒にということに、

ジ:なったわけか…

衛:なんか手伝おうか?

桜:いえ、先輩達は休んでいてください。

衛:じゃあ、茶でも入れて待ってるよ。

ジ:あ、衛宮、お茶請けもよろしく!

衛:図々しいな…



凛:あら、ジェンク達じゃない。…どうしたの?

ジ:うちのレイトが間桐さんと合同料理をやるらしいんで、晩飯を食いに来た。

凛:へぇ、じゃあ今日のご飯はかなり期待できるわね。

パ:レイトも桜も料理上手だもんねー。

凛:パセリは料理するの?

パ:んーん、全然。家庭科で少しやるぐらい。

凛:始めてみたら?近くに先生もいるんだし。

衛:そうだな。こっちにいる間なら俺たちだって教えられるし。

パ:うーん、それじゃあちょっとやってみようかな…?

レ:何話してるんですか?

ジ:いやな、パセリが料理を習うってんでな。ちょうど先生方もいることだし、と。

レ:それじゃあ、今日はちょっとアレなので、明日からやりましょうか。

パ:うん!

桜:レイトさーん、こっちの鍋なんですけど…

レ:あ、はい、今行きます。

パ:明日からがんばるよー。

凛:試食役はジェンクね。

ジ:う、あんまり変なのがでると困るなぁ。



藤:ただいま〜!士郎、今日のご飯はー?

衛:もうすぐできると思うから、おとなしく待ってろ。

パ:大河はいつもテンション高いよね。

藤:タイガーって呼ぶなー!!

凛:藤村先生、今暴れるとご飯抜きになりますよ?

藤:う…

パ:…凛ってすごいね。

衛:…ああ、藤ねぇに対抗できる数少ない人間だからな。

藤:あれ?ジェンクさんにパセリちゃんじゃない。

ジ:今気づいたの!?

パ:さっきのタイガー発言私なのに……

衛:藤ねぇ、今日の夕食は桜とレイトさんの合作なんだ。

藤:あ、そうなの。確か、この間の料理もレイトさんよね?

ジ:ああ、そうだよ。

藤:ううむ、桜ちゃんってば、士郎だけでは飽きたらずレイトさんの腕まで盗もうっていうのね。士郎、ぼやぼやしてると追い抜かれるわよ?

衛:いや、別に競ってないし…それに洋食じゃもう追い抜かれてたかもしれないしな。

ジ:ふむ、衛宮の得意ジャンルの和食は?

衛:そっちはさすがにまだ負けられないな。

ジ:そうか…ちなみに、レイトの得意も和食だったり。

衛:様子見てくる。

凛:…なんだ、気にしてたんじゃない。

ジ:こんなブラフに引っかかるとはなぁ。



パ:ごちそうさまー!

凛:うん、美味しかったわ。

衛:また腕上げたな、桜。

桜:レイトさんの腕ですよー。

レ:いえいえ、桜さんも教えることがないぐらいの腕でしたよ。

ジ:レイト、むしろ教えてもらったらどうだ?和食部分ほとんど間桐さんだろ。

衛:そうか、おかしいと思ったらやっぱりさっきのは嘘か。

凛:今更ね。

ジ:さて、そろそろ帰るよ。ごちそうさま。

衛:ああ、また来いよ。





ジ:はぁ〜、夜なのに蒸すなぁ。

レ:もう夏ですからね。

パ:来てからもう結構経ったよね。

ジ:ああ。そこでだ、ここらでそろそろあっちに戻ろうかと思うんだが。

レ:……そうですね。もう戻っても大丈夫なんですか?

ジ:ああ、まぁ、大丈夫だろ。ニュースでも騒がれなくなってきたみたいだしな。

パ:そっか…なんか寂しいなぁ。

レ:そうですね。

ジ:でもまぁ、行こうと思えば行けるところだから、またそのうち来ることにしよう。

パ:うん…。

レ:それでは、戻ったら計画を立てましょう。






凛:え?帰るの?

ジ:ああ、もういい加減避難はいいかと思ってな。

凛:そう、それで?いつ帰るの?

ジ:一週間後、ぐらいかな。いろいろやることもあるし。

凛:わかったわ。その日は空けておくわね。

ジ:大丈夫か?なんか予定があったならそっちを優先していいぞ?

凛:あら、それなら私の予定に合わせて日をずらしてくれるの?

ジ:まぁ、やむをえまい。別にその日じゃなきゃならない理由もないしな。

凛:へぇ……まぁ、別に用事があるわけじゃないから、その日でいいわよ。

ジ:悪いな。



パ:帰るんならなんかお土産を買わなきゃね。さて、だれかそういうの知ってる人いないかなぁ…



衛:え?お土産?

パ:うん、そろそろ帰るんだってー。

衛:そうか、帰るのか…

パ:で、なんかお土産とかないかなぁ。

衛:そうは言ってもなぁ。冬木は別に観光地じゃないからそんな大したモノはないんだ。

セイ:シロウ、無いのであれば作ればよいのではないですか?

衛・パ:作る?

セイ:ええ。シロウもサクラもいるのですから、お菓子でも作ってもらい、それを土産にしてはどうかと。

衛:…セイバー、そうやって作らせて、おこぼれに与ろうって魂胆だろ。

セイ:ななななな、なにを言っているのですかシロウ!

パ:あ、でもそれもいいかも。

衛:まぁ、作るのは構わないけど。どんなのがいいんだ?

パ:うーん、みんなで摘めるようなのがいいな。あとは士郎たちの好きにやっていいよ?

衛:そうか。ちょっと桜と相談してみるよ。

パ:おねがいねー。



パ:これでお土産(食)はよし、っと。あとは、モノもほしいよね、「根性」みたいな。商店街に行ってみようかな。



パ:あ、なんかそれっぽい店があるじゃん。すいませーん。

ラン:はいよー、らっしゃーい…おぅ、なんだ嬢ちゃんか。

パ:あれ、ランサー?本屋でバイトしてたんじゃ…またクビになったの?

ライ:残念ながら違うようです。

パ:あ、ライダー。

ラン:いい加減その毒舌にも慣れたけどよ……まあいい。今日は本屋は休みなんでな、短期で入ったんだよ。

パ:へぇ。で、ここ、何のお店?

ライ:骨董品店ですよ。最近土産物も置きだしたのですが。

パ:あ、そうなんだ。

ライ:パセリこそ何故ここに?

パ:あ、実はその土産物を探しにきたの。

ラン:何だ、こんなもんがほしいのか?

ライ:こんなもんとは失礼な。これでも売れているのですよ、主に外人に。

パ:……ライダーも外人だよね?

ライ:そうですね。

パ:外人が外人のことを外人って言うのもなんか変だなぁ。

ライ:ですが、ほかに言葉が思いつきません。

ラン:待て待て…話がそれてるぜ。

パ:あ、そうだった。なんかそろそろ帰らなきゃならないらしくて、一応お土産を探してたんだ。

ライ:帰る…ああ、そういえばそうでしたね。ここにあるもので良ければ、見ていってください。



パ:よしっ、と。これでお土産は買ったし…他になんかあったっけ?ま、いいや、まだ一週間あるし。

ジ:おーい、パセリー!

パ:あ、ジェンク、ちょうどいいところに。これ持ってー。

ジ:ん?なんだこれ?

パ:お土産。

ジ:お土産、って…誰に渡すんだよ。

パ:友達とか親とか?

ジ:……あのなぁ、どこに行ってきたって言うつもりだよ。

パ:どこって…あ。

ジ:おまえは(ご都合主義な設定)でおまえが居なかったことは無かったことになってんだ。下手に違和感もたれると面倒だぞ?

パ:あー、そっかー…忘れてたよそんなこと。

ジ:まぁ、土産は図書館にでも置いとけ。

パ:わかったー。…で、どこ行ってたの?

ジ:ああ、遠坂のところにな。あの家通るんだから、連絡しとかないとまずいだろ。

パ:不法侵入だもんね。

ジ:ああ。…で、パセリ、他のみんなには帰ること伝えたか?

パ:士郎には言ったよ。あとセイバーとランサーとライダー。

ジ:衛宮に言ったんならだいたい伝わるな。あとは、衛宮を介さない知り合いぐらいか。よし、パセリ、とりあえず今日は帰ろう。

パ:だね。






イリ:え?帰っちゃうの?

ジ:ああ。

イリ:ふぅん、少し寂しくなるわね。

ジ:衛宮に伝えとけばいいかと思ったんだが、最近来ないみたいだからな、出向いてみた。

イリ:そう、それは悪かったわ。

セラ:…ジェンク様、お嬢様は療養中ですので、用件がすみましたらお引き取りください。

ジ:ああ、そうだな。風邪、しっかり治せよ。

イリ:わかってるわ。あ、そうだ、シロウには心配ないって伝えといて。

ジ:あいよ。



ジ:さて、と。それじゃ、帰るわ。

セラ:…お待ちください。あなた、どうしてこの屋敷を知っているのです?私の知る限りこの屋敷には来ていなかったかと思いますが。

ジ:え?普通に来たことあるぞ?イリヤに連れられて。

セラ:…は?

ジ:あー、そういえばセラは買い物に行ってるとか言ってた気もするから、多分そういうことだろ。

セラ:はあ、まぁ、お嬢様が招待したというのなら認めましょう。ですが、あなたのようなどこの馬の骨ともわからないような人間を、この屋敷にあげるわけにはいきません。今後、ここには来ないように。

ジ:あいよ。まぁ、どちらにしろ当分来ることもないと思ってたしな。そいじゃ。




レ:さて、と。ジェンクさんもパセリちゃんも居ませんし、僕もでかけましょうかね。



レ:ランサーさん、今日はどうですか?

ラン:相変わらずぼちぼちだよ。…そういえば、あんたらこの街を出るんだってな。

レ:ええ、来週には。もうジェンクさんから聞いてました?

ラン:いや、あのちっこい嬢ちゃんからな。

レ:パセリちゃんでしたか。

ラン:しかしまぁ、結局その当たりの多さは盗めなかったな。

レ:こればっかりは自分でもよくわかっていませんからね。それでは、釣り納めとしましょうか。

ラン:おう、まぁ、のんびりやろうぜ。



レ:さて、他に一人で挨拶に行くところは……あそこですね。



アサ:おや、一人とは珍しい。

レ:ええ、そろそろここを離れることになったので、挨拶に来たんですよ。

アサ:ほう。ならばその前に一戦交えたいものだが……生憎と貴殿達との戦は禁じられていてな。

レ:まぁ、今生の別れというわけでもないでしょうし、今回はお預けということで。代わりといっては何ですが、将棋などいかがでしょう。

アサ:盤面での戦なら構わぬか。宗一郎とは度々やっているが、他の相手を探していたところだ。

レ:それでは、一局。






ジ:二人とも、準備はいいか?

パ:オッケー。

レ:いいですよ。

ジ:うし、そんじゃ、遠坂邸まで行きますか。




凛:遅かったじゃない。

ジ:そうか?そんなでもないと思うんだが…

パ:あ、みんな!

レ:見送りに来てくれたんですか?

衛:ああ。…そうだ、パセリちゃん、お土産。

桜:自信作ですから、みんなで食べてくださいね。

パ:あ、ありがと〜!

ジ:にしても、なんだかんだで結構居たよなぁ。

衛:そうか?引っ越すには短期間過ぎるぞ。

ジ:あぁ、それもそうか。

凛:そろそろいいかしら?場所は、居間でいいのよね。

ジ:ああ。「扉」の位置は変わらないからな。



ジ:さて、と……あったあった。遠坂、脚立かなんか貸してくれるか?

凛:アーチャー。

アー:まったく、君は人使いが荒いな。

ジ:サンキュー。…っと。

ぎぎぎぎぎぃっ…

衛:これが……

桜:「扉」ですか…

ジ:そいじゃあ、これでお別れだ。またそのうち来ることがあるかもしれないけど、そのときはまたよろしくな。

衛:ああ、またな。

凛:次は手土産でも持ってきなさい。

桜:体には気をつけてくださいね。

パ:またね〜。

レ:お世話になりました。

ぎぎぎぎぎぃ…ばたん。

ジ:…戻ってきたな。

パ:楽しかったね!

レ:最初はどうなることかと思いましたがね。

ジ:さぁ、図書館開けるか…といいたいとこだが、さすがに疲れた。明日にしよう。二人とも帰れ〜。

レ:僕もですか?

ジ:暫く帰ってないことになるだろ?

レ:わかりました。では。

パ:あ、お土産置いてくね。士郎と桜にもらったのは明日食べよう。

ジ:ああ、そうだな。

パ:…あ。

ジ:ん?

パ:そういえば私、全然勉強してないんだけど。

ジ:……明日から開けるのは無理そうだな。パセリ、補充やるぞ。拒否権はない。

パ:え゛。

ジ:きっちりたたき込んでやる。覚悟しとけ。

パ:…今から?

ジ:今から。

パ:…………よけいなこと言わなきゃ良かったよ…。



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