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SS集
アディーヴ旅行の巻(2009.2.27〜)
パ:あ、そーいえば、レイトっていつもいるよね。何時頃来てるのかなぁ。

ジ:確かに。俺も気になってたんだよなぁ。



パ:――というわけで、何時頃来てるの?

レ:え?僕は住み込みですけど…

パ:……ジェンク。

ジ:わかってるみなまで言うな。

レ:…まぁ、僕も勝手に住み着いてるみたいなもんですし。

パ:あれ、じゃあそういう仕事じゃないの?

レ:最初はちゃんと帰ってたんですけど、面倒なんですよね、こっちに慣れちゃうと。

ジ:……あー、なるほど、その気持ちは分かるな。

パ:え?え?どゆこと?

ジ:百聞は一見にしかず。行けばわかる。

レ:え!行くんですか!?

ジ:せっかくだから世界を教えとこうかと思う。

レ:…あぁ、そういうことですか。わかりました。

パ:いや、私何にもわかんないんだけど!?



ジ:さて、それじゃあ行こうか。

パ:行こうかって、そっちは奥だよ?

ジ:いいんだよこっちで。

パ:??



ジ:ここだ。

レ:ここに来るのも久しぶりですねー。

パ:…ずいぶん階段下りた気がするんだけど。

ジ:地下7階だからな。

パ:こんなとこ来てどうすんのよ。

ジ:この扉の先にレイトの住む世界がある。

パ:…は?世界?

レ:いきなり言ってもわからないですよね。
……そうですね。ゲームとか漫画みたいな話なんですが、この扉はいろいろな別世界と繋がってるんですよ。

パ:…えぇ!?

ジ:ま、さっきも言ったが百聞は一見にしかずだ。行くぞ。

パ:行くぞ、って、わわ、押さないでよ!

ジ:はいはいさっさと行く!



パ:そんな押されなくても行くってば……(ガチャ)うわぁ…

ジ:相変わらず自然豊かだな。

レ:工業の発展がほとんどないですからね。人口も少ないですし。

ジ:あ、そうだ。パセリ、これ渡しとく。

パ:あ、うん…メモ帳?

レ:これから行く世界は「無音世界」と呼ばれていまして、呼んで字の如く音が一切無い世界なんです、一部の例外を除いて。

ジ:だから字を書いて会話するわけだ。

パ:ふ〜ん…?

ジ:ま、行ってみよう。


〜無音世界・南の森〜


パ:(へぇ、空気も綺麗…って、本当だ!声がでてないよ!)

ジ:(まぁ、当然驚くよなぁ)

レ:『僕の住む町は少し歩いたところにあります。こっちですよ』

パ:!!

ジ:(ん?)

パ:『なにそのデバイス』

レ:『あ、これですか?会話表示用のワードプロセッサですよ』

ジ:『俺も持ってるぞ』

パ:『ずるいよなんでわたしだけメモ』

パ:『帳なの!』

ジ:(書ききれないほどでかい字で書くなよ…)

レ:『僕の家に行けば予備があるので、ちょっと我慢しててください』

ジ:『ちなみに俺のは自腹で買ったやつだからな』

パ:『むうーっ!』

ジ:(字で書くなよ…)



〜町〜

レ:『到着です』

パ:『うわぁ、結構大きいね』

ジ:『この世界唯一の町だからな』

パ:『え?』

レ:『この世界はとても小さいんです。町一つに森二つ、湖と川が一つずつに草原一つ、ってところですね。さぁ、まずは僕の家へ』


〜レイトの家〜


パ:『…寂れてるね』

レ:『しばらく放置でしたからね』

ジ:『いつから住み込んでたんだおまえは…』

?:『お、レイトじゃないか!今までどこ行ってたんだ?』

レ:『ユーさん、お久しぶりです。ちょっと住み込みで仕事をしてたんですよ』

ユ:『住み込みったって…』

ジ:『悪いなユーさん、俺のとこで仕事頼んでんだ』

ユ:『あぁ、ジェンクか……なるほど了解。で、そっちの子は?』

ジ:『最近うちに出入りするようになった子だよ。別世界初体験だ』

パ:『葉芹です、初めまして』

ユ:『お、礼儀正しいな。俺はユーレイス・ゴディオ、ユーさんとでも呼んでくれ』

ジ:『それじゃユーさん、また』

ユ:『ああ、またな』



〜レイトの家〜

ジ:『こりゃまた予想通りの寂れっぷりだな。埃は積もるわ色は褪せるわ蜘蛛の巣張るわ』

パ:『ライブラリよりこっちを先に掃除した方が…』

レ:『…ちょっと探してくるので待っててください』

パ:『あ、逃げた』

ジ:『んー、そこらのイス払って座ってよう』

パ:『うん』

レ:『お待たせしました』

パ:『はやっ!』

ジ:『動くか?それ』

レ:『チェックしました。それじゃあ、パセリちゃん』

パ:『ありがとー。…どうやって使うの?』

レ:『これはですね…』

ジ:(説明にしばらくかかりそうだな…)



レ:『おまたせしました』

ジ:『お、もういいのか?』

パ:『バッチリよ!』

ジ:『んじゃあ、観光に移るか。まずは北商店街からかな』

パ:『北商店街って、どっちの方にあるの?』

ジ:『あっちだ』

パ:『…あれ?あっちってさっき歩いてきたほうじゃん。あっちは南じゃないの?』

レ:『えーとですね、町に入ったとき、地図は見ましたよね?』

パ:『うん』

レ:『あれの通り、この町は東西に長い長方形をしています。それで、僕の家は北東の隅の方にあるんですね』

ジ:『つまり、俺達は北商店街より北にいる、ってことだ』

パ:『へぇ〜、ってことはこの町って結構狭い?』

ジ:『狭いな』

レ:『狭いですね』

パ:『狭いんだ』

ジ:『それじゃ、行くぞ〜』


〜北商店街〜


パ:『うわぁ、賑わってるね〜』

ジ:『ここは雑貨とか必需品の店が多い通りだな』

パ:『必需品って?』

レ:『このワープロとかですよ。あとはメモ帳とか』

ジ:『ワープロ高いからな。メモ帳使ってる奴も結構いるぞ』

パ:『へぇ…あ、これはなに?杖?にしては細いけど』

レ:『指し棒ですね。ワープロには他人への呼びかけ機能があるんですけど、メモ帳使ってる人はこの棒で突っついてこっちを見てもらうわけです』

パ:『そんなもんまで売ってるんだ……』

ジ:『そろそろ商店街抜けるぞ。今日はいるかな?』

レ:『天気もいいですし、きっといますよ』

パ:『なになに?』

ジ:『行けばわかるよ』

レ:『パセリちゃんは驚くかもしれませんね』

パ:『???』



レ:『この商店街を抜けると、中央広場にでます。みんなの憩いの場ですね』

ジ:『着いたぞ』

パ:『うわぁー、凄い広いね。なんか花壇とか植え込みとかも綺麗だし』

レ:『町の人が交代で手入れをするんですよ』

パ:『で、レイトはしばらくサボってる、と』

レ:『う…サボリじゃなくて仕事ですよ仕事。それより、何か気づきませんか?』

パ:『え?』

♪お〜りていこう ら〜せんかいだん し〜たへしたへとどこまでも〜

パ:『なんか…綺麗な歌声が…って!?』

ジ:『気づいたか?』

パ:『この歌谷山弘子じゃん!』

ジ:『そこじゃねぇよ』

パ:『冗談冗談……で、ここは音がないんじゃ?』

レ:『ええ、「一部の例外を除いて」音のない世界です』

ジ:『この歌声だけは例外らしいんだ』

パ:『へぇ〜』

ジ:『いつものところにいるかな?』

レ:『おそらくは。声の向きもあってますし』

パ:『どんな人なのかな…』





♪ねぇ わたしが〜もっと つ〜よければ〜あなたにふさわ〜し〜い〜かな〜

パ:『…結構距離あるね』

ジ:『元々無音の世界だからな。音が遠くまで響きやすいんだ』

レ:『あ、やっぱりいつものところでしたね』

パ:『凄い…綺麗な人だね…』

ジ:『まぁな』

レ:『歌い終わるまで待ちましょうか』



♪ねぇ いまの〜わたしじゃ〜これだけ〜せいいっぱいのことば あ〜り〜がとう〜

ジ:(相変わらずうまいな。拍手でもしたいとこだが、音でないんだよなぁ)

レ:『お久しぶりです、リリィ』

リ:『え………レイト!?』

レ:『元気でしたか?……リリィ?』

リ:『…レイトっ!』

レ:『り、リリィ!?』

パ:『わわっ!?』

ジ:『おお〜、ラブラブだねぃ』

パ:『ジェンクっ、リリィさんってもしかして…』

ジ:『たぶん正解。いや〜、おもしろいもんがみれたな』

パ:『レイトがこんな焦ってるの初めて見たよ』

レ:『リリィ!落ち着いて、落ち着いてください!』

リ:『何処に行ってたのよ…ずっと心配してたんだから…』

ジ:『………レイト、ご近所さんはともかく、彼女にも伝えてなかったのかよ』

パ:『最悪だね』

レ:『いやいやいや!ちょっと待ってくださいよ』

ジ:『言い訳は聞かんよ』

パ:『男らしくないよ』

レ:『聞いてくださいよ!っていうか言い訳じゃないですよ!弁明です!』

パ:『言い訳じゃん』

ジ:『情状酌量の余地なしだな』

レ:『だ〜か〜ら〜!』



ジ:『落ち着いたか?リリィ』

リ:『…はい』

パ:『…で、何か言いたそうだけど?レイト』

レ:『そんな刺々しくならなくても……一応手紙で伝えたはずなんですけどねぇ』

リ:『…それって、これのこと?』

パ:『えーと、なになに……』

ジ:『「仕事に行ってきます。心配しないでください。」か』

パ:『…何一つ具体的なことがないね。心配しろと言わんばかり』

ジ:『レイト、この手紙は言い訳にもならないと思うんだが』

レ:『…あれ?』

ジ:『…まぁ、とりあえずその話はおいといて。久しぶり、リリィ。相変わらずいい歌唄うな』

リ:『あ、ありがとうございます。…えっと、そちらの方は?』

パ:『あ、初めまして。葉芹です』

ジ:『うちの図書館の常連でね』

リ:『初めまして、リリィと言います。よろしくお願いしますね?』

パ:『よろしく!…ところで、質問があるんだけど』

リ:『なんですか?』

パ:『リリィさんってレイトと付き合ってるの?』

レ:『ぱ、パセリちゃん!?』

リ:『///』



ジ:『さて、次は南商店街に行こう。レイト、俺はパセリ連れて行ってくるから、おまえはリリィといてやれ』

レ:『え?』

ジ:『積もる話もあるだろ?二人にしてやるから楽しんどけ』

リ:『あ、ありがとうございます///』

パ:『じゃね〜』





ジ:『世話が焼けるなぁ』

パ:『先に世話すべきは自分じゃないの?』

ジ:『相手もいなけりゃその気もないしな』

パ:『ふーん。ところでさっき聞き忘れたんだけど』

ジ:『なんだ?』

パ:『リリィさんの歌はなんで聞こえたの?』

ジ:『さぁ』

パ:『さあ、って…』

ジ:『何故かわからないが、聞こえるんだからしょうがない』

パ:『あ、じゃあ誰も知らないんだ?』

ジ:『本人も含めて、な。』

パ:『不思議だね』

ジ:『まぁ、実際に起きている以上、何かしらの意味はあるんだろうけどな。…ほら、ここからが南商店街だ。行くぞ』

パ:『あっ、待ってよ』



〜南商店街〜


パ:『あれ?ここはそんなに人通りが多くないね』

ジ:『南商店街は、家具とか事務所が多いからな。頻繁に来るところじゃないのさ』

パ:『事務所って?弁護士とかそういうやつ?』

ジ:『ん〜、そういうのじゃなくて、職人さんのだな』

パ:『職人っていうと…寿司とか?』

ジ:『寿司職人が事務所構えて何をするんだよ』

パ:『寿司を握る』

ジ:『アホか。大工さんとか土木関係とかそういうのだ』

パ:『まぁ、わかってボケたんだけどね』

ジ:『そうでなきゃおまえの将来が心配だよ…っと、もう抜けちまったな』

パ:『あ、ここ見覚えがあるよ』

ジ:『町の入り口広場だな。戻るか?』

パ:『もうちょっとぶらぶらしようよ。まだそんなに経ってないし』

ジ:『…そうだな』



ジ:『…そうだ、せっかく入り口まで来たんだから、ちょっと外をまわってみるか』

パ:『え、森はもう十分堪能したよ』

ジ:『わかってる。だから今回は川とか湖とかに行ってみよう』

パ:『…遠い?』

ジ:『森よりいくらか』

パ:『……そのくらいだったらいいや』

ジ:『んじゃ、出発〜』



〜東の湖〜

ジ:『到着だ』

パ:『おぉ〜』

ジ:『普段こんな風景見ないから新鮮だろ』

パ:『うん、…うわ、すごい澄んでる。底が見えそうだよ』

ジ:『調子がいいときは本当に見えるぞ』

パ:『調子って……何の?』

ジ:『水源の』

パ:『……………?』

ジ:『ま、わからなきゃいいさ』

パ:『でもさー、こんな澄んでて魚とか住めるの?』

ジ:『住めるよ。そういうところだからな』

パ:『…?ふーん』



パ:『ねぇジェンク、あの川って、何処から流れてきてるの?山とか見あたらないけど』

ジ:『北の遺跡だな。草原を抜けたところに古代遺跡があるんだ』

パ:『へぇ。じゃあこの川を辿っていけば着くんだね』

ジ:『行ってみるか?ちょいと危険だが…』

パ:『大丈夫!運動神経には自信あるから』

ジ:(そういう「危険」じゃないんだが…ま、いいか)



パ:『あれ?ここから下ってる…』

ジ:『ああ、緩やかに下った先が目的地だ』

パ:『…ちょっと待って。なんで川が斜面を登ってるのよ』

ジ:『そりゃあ、川だからな』

パ:『川だから、ってそれ答えになってないよ!』

ジ:『まぁ、気持ちは分かるが落ち着け。この世界は物理法則ではなく、定義が支配してるんだ』

パ:『…は?』

ジ:『面倒だから詳しい説明は省くが、つまり「川」=「下流へ流れるもの」、「湖」=「下流」っていう定義があるんだよ』

パ:『じゃあなに?その定義が正しければ物理法則関係なし?』

ジ:『関係なし。異世界なんてそんなもんだと思っとけ』

パ:『…頭痛くなりそ』



ジ:『着いたぞ、ここが北の遺跡だ』

パ:『…あれ?ただの洞窟?』

ジ:『トンネルだよ。ここを抜けないと中へ入れないことになってる』

パ:『じゃあ、この先が本当の?』

ジ:『本当の、って…まぁいいか。とりあえず行こう』



パ:『ほわぁ〜、何これ、古ぼけてるけど機械じゃん』

ジ:『ああ、先代文明の名残、ってやつだ。技術レベルじゃ他世界と比べても頭二つ分ぐらい飛び出てる』

パ:『動くの?』

ジ:『管理者がいればな。今は無理』

パ:『ちぇっ』

ジ:『まぁ、遺跡なんてふつう動かんし、そのつもりで見学すれば………?』

パ:『……?どうしたの?』

ジ:『地面が揺れてるの、わかるか?』

パ:『…そういえば』

ジ:『…………来た!逃げろっ!』

パ:『!?!?!?何あれ!』

ジ:『パセリ、町に戻ってレイトに伝えろ、俺もすぐ戻る』

パ:『でも……』

ジ:『でもじゃない早く行け!』

パ:『わ、わかった』

ジ:(行ったか。しかしまぁ、ベヒーモスとはなぁ……)

獣:!!

ジ:(危ねっ!…援軍待つのは無理かなぁ)

獣:!!!!!!!!





ジ:(さて、と。久しぶりだからちと不安だが…『ポイント』)

獣:…?《いぶかしむような動き》

ジ:(つづいて『ドラッグ』……っと!あぶねー!一撃で死ぬぞこれは)

獣:!!!!《両手爪による攻撃》

ジ:(うわこいつ結構早い!っと!……よし、ちょっと消えてもらうぜ。『カット』!)

獣:《その場から消失》

ジ:(…ふぅ。さて、後はレイトがくるのを待つか)


〜パセリside〜

パ:『うわあああん!』

ユ:『ん?葉芹じゃないか。どうした?』

パ:『化け物!』

ユ:『……俺そんなに顔崩れてないつもりだったんだけどなぁ』

パ:『違くて!遺跡に!』
ユ:『なに?…わかった。葉芹はレイトを呼べ。俺は先に遺跡に行く』

パ:『へ?』

ユ:『これでも元モンスターハンターだからな。さ、早く呼んでこい!』

パ:『う、うん!』



パ:『レイトー!!』

レ:『!?、パセリちゃんどうしたんですか!?』

パ:『北の遺跡に化け物が!』

レ:『…了解です。リリィ、パセリちゃんをお願いします』

リ:『はい、負けないでくださいね』

レ:『もちろんですよ』

パ:『……………』

リ:『もう大丈夫ですよ。ジェンクさんもレイトさんもお強いですから』

パ:『……………』



ユ:『ジェンク!』

ジ:『あれ、ユーさん?なんでここに?』

ユ:『葉芹が大慌てで駆け込んできたからな。今レイトも来る』

ジ:『……あー、まぁ、ユーさんならいいか、知ってるし』

ユ:『モンスターはどうした?』

ジ:『とりあえずカットしてある』

ユ:『種族は?』

ジ:『ベヒーモス。ユーさんにも手伝ってもらった方がいいかも』

ユ:『任せておけ。……久しぶりの実践だが』

ジ:『なんか不安な言葉が聞こえた気が……というか武器は?』

ユ:『ここにある』

ジ:『…おおぅ、そーか、ユーさんのところは圧縮機があったんだっけ』

ユ:『でなきゃこんな馬鹿デカい斧使わねぇよ。…お、レイト来たぞ』

レ:『お待たせしました』

ジ:『よし、それじゃあ始めようか』



ジ:『…『ペースト』』

獣:!!!!!《出現》

ユ:『正面は俺が引き受ける』

レ:『了解です』

ユ:(さて、と。久しぶりの実戦だが…行けるよな?)

獣:!!!!!!!!《咆哮》

ユ:(…おおおおおっ!)

ジ:(うーん、あんだけでっかい斧を軽々と…見た目通り豪快なあんちゃんだなぁ)

レ:『ユーさん!』

ユ:『おう!…行くぜ相棒、『叩き折る雷』!』

レ:『『横薙ぐ銀光』!』

獣:――――――!!!!!

ジ:『へぇ、ユーさんもなかなか…これからはレイトがいなくてもなんとかなりそうだな』

ユ:『……あまり積極的には動きたくないんだが』

レ:『……それにしても、かなり大物でしたね』

ジ:『まぁ、大丈夫だろ。また出るようなら問題だが、そんな気配もないし』

レ:『それならいいんですけど』

ユ:『それじゃあ、俺は戻るぞ』

ジ:『ありがとう、俺らも戻るよ』



リ:♪ほ〜んと〜のきもちをつ〜たえ〜たい〜とき――『パセリちゃん、帰ってきましたよ』

パ:『ホントっ!?』

ジ:『おーい……っと、パセリ?』

パ:『……………』

レ:『すいませんパセリちゃん、心配させてしまいましたね』

パ:『……………』

ジ:(あーあ、泣かせちゃった。苦手なんだよなぁ…)

ユ:『ジェンク、やっぱりいい子だな、彼女は』

ジ:『やめとけロリコン』

ユ:『…全く口の減らないやつだな』




ジ:『…もういいか?』

パ:『うん、ごめんね』

レ:『謝ることはないですよ』

ユ:『元はと言えばジェンクの説明不足が原因だからな』

ジ:『面目ないが面倒だったんだ。知らんならそれでいいし』

リ:『ジェンクさん、そのせいで心配をかけたんですから、謝らないとダメですよ?』

ジ:『う………悪かった』

パ:『…ん。無事だったし、いいよ』

レ:『それじゃあ、また町を回りましょうか。まだ行っていないところもあるでしょう?』

パ:『うん、そだね!』



〜図書館地下扉〜

パ:『あ〜っ、やっと帰ってきたね』

レ:パセリちゃん、もう声出ますよ。

パ:…あ、そうだった。

ジ:で、どうだった?初めての異世界は。

パ:吃驚もしたけど楽しかった。旅行に行ったみたいな?

ジ:そーか、それはなにより。

レ:この図書館にはいろんな世界の物語が納めてあるんです。一度見てみるといいですよ。

パ:うん、わかった。

ジ:さて、通常業務に戻ろうかね。

レ:…働くのは僕だけですけどね。

ジ:細かいこと気にすんな。…あとおまえは週一ぐらい家に帰れ。普段はここに住んでいいから。

レ:…いいんですか?

ジ:せっかく部屋があるんだし、むしろ住んでくれ。その方がこの建物も長持ちする。

パ:??

ジ:つまりここもまた異世界、ってわけだ。

レ:パセリちゃんはここに来るとき、無意識に扉をくぐってるんですよ。扉の格好をしてないのでわからないと思いますけど。

パ:……へぇ〜。

ジ:微妙な反応だな。ま、とにかく、これからも頼むぜ、レイト。

レ:わかってますよ。さて、ちょっと遅いですけど、図書館を開けますよ。

ジ・パ:らじゃー!



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あきゅろす。
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