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レンカイ&カイマス(仮マスター)
深海の罠*(R18)レンカイ(デフォルト)

それはほんの偶然。
別に図った訳じゃなかった。

トイレ帰りの静かな廊下。
自室までさほど長くはない、
けれど真夜中のその道は真っ暗。
だから見落としかけた。
慌てて、静かに3歩下がる。

あの人の部屋のドアが少しだけ開いている。
本当の本当に少しだけ。

(……)
意を決してそっとドアを開き中へ滑り込んだ。
自身と同じ色が好きなのか…。
部屋の中は濃い色から薄い色まで
寒色系で染まっていた。

(あぁ…あの人の匂いだ…)
すぅっと深呼吸をする。
鼻腔から脳へ、全身へ駆け巡る…青のボーカロイド、
カイトの匂い。

「…ん…」
小さな声がした。
驚いたが、よくよく考えれば部屋の主は
就寝中である。
起こさないよう部屋を出ようか…、
でも折角のチャンスだ。

その寝顔を見たいと思った。

徐々に暑くなってきているこの季節。
カイトは涼しげな水色のシーツに
包まって眠っていた。
「…可愛いな…」
ベッドに近付き愛しいその人の寝顔を見つめる。
気配に全く気付かない、
と言うか普段から此方の好意に
気付かない愛しい彼。
まぁ、報われる事が毛頭無い事は分かっているが…。

それでも、こんな無防備な姿を見ると…
堪えられなくなる。

触れたい。

安易な、
けれどしっかりとした邪な気持ちを抱いて
軽くキスをしてしまった。
「……」
心が泣きそうになった。
報われないと、知っている。辛い。
どうしてこんなにも愛しい…。
自分の心の総てを締める彼が、彼の全てが欲し
「……っ!」
慌てて離れた。
これ以上この部屋にいられない。

ドアノブに手を掛けてピタリと止まる。

――何で今日はドアが開いていたの?

他人の恋心なんかには
全く気付かないカイトだが、意外と細かい。
就寝前には家中の鍵が掛かっているか
確認してから部屋に戻る位だ。
自分の部屋の鍵を掛け忘れるなんてしないはず。

誰かを招き入れる為に開けておいた?
『誰』を?

この家にはなんだかんだで
結構な数のボーカロイドが住んでいる。
女性数も男性数も沢山居る。
その内の『誰か』の為に開かれていたドア…?
自分以外の…『誰か』……。

――カチリ。
気付けば鍵を掛けていた。
暗い気持ちを抱いた儘、一度離れたベッドに戻る。

「誰が好きなの?」

きっと起きていても聞こえないであろう位の
小さな声で呟く。
あぁ…
こんなにも真っ黒な感情が
自身の中に溜まっていたんだ…。
「違う…よね」
自分じゃないんだよね…。
家族以上の愛を、注いではくれないんだよね?
「もう、壊れちゃいそうだよ…」
精神が、心が、今自分と言う『存在』を作っているメモリーが狂い出そうとしている。

ソレナライッソ、一度ダケデモ感ジタイ。貴方ヲ。

「誰が好きなのかな…?教えてよ…」

細かいカイトらしく、机の上には明日の着替え。
その横にはティッシュとハンカチ。
そっとハンカチに手を伸ばし広げる。
紳士用のそれは少しばかり大きめだった。
起こさないように…慎重にハンカチを
カイトの瞼に巻き付け目隠しをする。

これで、万が一起きても自分が誰か分からない筈だ。
『誰の』名前を呼んで、助けを求めるのかな…?
自分なら、良いな…。
そうしたら、沢山愛して優しくしてあげるのに…。

「カイト…」
名前を呼んで、先程触れた薄い唇にキスをする。
そのまま何度かキスをしながらカイトの上に跨がる。
シーツを捲り、パジャマのボタンに手を掛けながら首筋に舌を這わす。
「ん…。……ぅん」
カイトの口から声が漏れる。
起きるかと思ったが…
少し身動ぎしただけで起きる気配はない。
「熟睡中の所…ごめんね?」
最後のボタンが外れた。
前を開くと白い上半身が暗闇の中露になった。

高揚する…。
今触れているのは紛れもない自分。

不思議と罪悪感は沸かなかった。
強姦に及ぼうとしているというのに…。
柔らかな耳朶を緩く噛み、そのまま舌を這わし首筋、薄い胸へと下りていった。
「……ん…、ぁ…?」
先程までとは少し違う、疑問を含んだ声。
流石に起きたかと思った時。
「…ぇ?だ、誰?……あれ?」
起き上がろうとする躰を押さえ付ける。
「あれ?なんで?えーと…」
見えない事への疑問詞か。
身動きが取れない事への疑問詞か。
泣き叫ばれても、練習が出来るように
防音がしっかり施されているボーカロイドの部屋。
止める気なんてもうない。
「っっえ!っあっ…!やだっ」
躰を押さえ付けた儘胸の突起へ口付ける。
途端に強張る躰。
驚きと拒否の声が直ぐ様上がる。
「ちょっ…、止めてよ!!何考え」
言葉を遮りキス。軽く触れるだけじゃない。
そんな余裕はもう無い。
声は出さない。
自分が誰だかカイトにバレてしまう。
正体を隠して犯せば、カイトが想い人の名を呼ぶかもしれない。
そう。こっそり開けておいたあのドアから、
本来現れるべき正しい人物の名前が…。
(知ったら…殺しちゃうかもな〜…)
「ん、ふっ…ぅう…んぅ…」
角度を変え口内を味わう。
温かな舌を捉え強引に絡ませる。
「ぅむ…んん…。ふぁんっ!んんー!!」
どう足掻いてもカイトの上に乗っかっている時点で自分の方が体勢的に有利だ。
遠慮なくキスを味わいながら片手を胸に滑らす。
「っやっ!!」
動かせるようになった片方の手を、
自分にキスをする顎に当て無理矢理引き剥がした。解放された口から出たのは、
「止めてよレン君!!何考えてるんだよっ!?」

――レン。
確かにその名を呼んだ。
「……なんで、わかったの?」
思わず返事をしてしまった。失敗した。
黙った儘なら他人の振りも出来たのに…。
「分かるよ!!誰が皆の服洗濯してると思ってるのさ!?」
「なんで洗濯の話…」
襲われているのに何故そんな話が出るのか…。
少しばかり脱力する。
「ねぇカイ兄。なんで今カイ兄を襲ってるのが俺だって分かった訳?でなんで洗濯の話になった訳?」
「……ぁ。えっと…てか、見えないよ!?」
「遅いよ!!」
「外してよ!!何巻いてんの!?」
「俺の質問にちゃんと答えたら外してやるよ?」
くいくいっと目隠しを摘まんで軽く引っ張る。
カイ兄といえば、唇をぐっと引き結んだ儘答えようとしない。
「ふーん…。教えないつもり?なら良いよ?そのまんま堪えててね」
「!!!!」
両手を自由にしてあげた。
元々カイ兄は腕力は余り無い。
皆で腕相撲大会をした時女性陣にすら
殆んど勝てない位力弱いカイ兄なので
抵抗なんて気にならない。
まぁボカロの女性陣、強いからね?
「んんんっ!!んふっあぅむ…んーっ」
「……はっ…。おーいし…。もっと…」
自分の唇で舌でカイ兄の中を喰らう。
両の手は指先を使いカイ兄の胸の突起を弄る。
親指で強めに押してやれば、
引き剥がそうと必死に俺の肩に手を当て
拒絶を示す。
「何?これで抵抗してるつもり?
こんな柔い抵抗…俺の嗜虐心煽るだけだよ。
もっと虐めてやろうか?」
「い、いやだ〜!やっ…んんっ、あ…」
「もっとイイ声出して…?俺を煽って?」
舌を唾液で濡らして
臍からゆっくりと首元まで舐めあげる。
「やあ、あぁあ…。ん…あぅ…レン、く」
「カイ兄上半身だけでも感じる人なの?
もしかしてもう体験済み?誰としたの?」
「…は…え?やあっ!あっあっあっ!!レン君、胸やだ…っ」
顔を覗き込み、問い掛けながら固い突起を捏ねる。少し強めに摘まんでやればカイ兄の躰が跳ね上がる。
「胸弄られるの好き?」
「……っ」
首を横に振る。
頬に優しく手を添えて耳元に唇を添えて呟く。
「嘘吐きには罰しか下らないよ?

ね、正直に言って?誰とセックスしたの?
それとも…俺みたいに襲われちゃった?

教えてよ、
カイ兄の初めて喰べた奴…」
「そ、そんな人…居なっやあん!!」
「嘘。
普通男が男に触られてそんな声出る筈無いでしょ?」
「本当、ほん…とだよ…っ!
も、やぁ…おねが…見ないでぇ…っ。
うずうずするよぉ…」
「へぇー?何処が?個々とか?」
自然と手が下半身へ伸びる。
パジャマのズボンはゴム製だったから
難なくカイ兄自身に指が触れる。
「やーっえっち!!変態!!ばかばかばか!!」
「えぇ〜…弟…、男に触られて可愛〜い声出す
カイ兄に変態呼ばわりされたくないかなぁ♪

…誰なんだろ〜?
カイ兄をエロっちく開発させた奴…。がくぽ?ミクオ?意外性でメイコ姉?あ、ルカとか?」
不敵に笑ってるのが自分でもわかる。
見る限りこいつらじゃなさそうなのは、
カイ兄の表情から伺えた。
「たから…違うって…あ…あんっ…。
やめ…なんで…ん…っあ!!」
ズボンは履かしたまま扱き出す。
硬度と質量を増すそれにカイ兄が苦しそうに躰を捻り喘ぐ。
「や…だぁ…ひっ!!れ、れんん…そこ…も、キツいよぉっ…。ぬ、脱が…せて」
「んー、そうだなぁ。
脱がせたくなる位もっとかーわいーい声
聞かせてくれたらね〜」
本当は今すぐ全部ひっぺ剥がしたいのですが。
お願いされると反抗したくなるな…。
「いぃい意地悪反対ぃぃ〜っ!!
もぉっ、助け…レン君ーっ!やあぁっ」
カイ兄の両手が俺の頭に添えられたかと思えば、
おもいっきし掴んでその儘一度精を放った!
多分、何本か抜けた…。
「おー、出た出た。ふぅん、これがカイ兄のかぁ…美味しいかな?」
今だ目隠しで見えないカイ兄の為に、
わざと耳元で手に付いた精液を音を出して舐めた。
「はぁ…はっ!!な、な、な、なぁっ!!」
「なぁんだ。甘くはないんだぁ。
カイ兄も味見してみる?」
「冗っ談じゃない!!て言うかもう済んだでしょ?
目隠し外してよ!!」
「…カイ兄可愛くなぁい。つーかさぁ、
イッたのに元気じゃね?
なんかムカつくからもっかい」
「弟に可愛い言われたくないよ!?
や、また触るの、いやぁ…っだめ、ダメだよぉ。
んんっ…せめて…脱がして…っ」
首をもたげたカイ兄を再び手で包み込む。
指と指の間で擦り込むと
カイ兄の口から辛そうな甘い声。
「あはは♪柔らかかったのに
また硬くなってきた。気持ち良い?

……ねぇカイ兄。さっきの話。
なんでたかが洗濯物でさ、俺だって分かったの?」
「…………っっ!」
押し寄せる快感の波に首をひたすら振る。
声を殺すのは、どうやらこの話に
返事をしたくないからか。

鳴かせたい…。
さて、どうするか…。

「教えてくれたら楽にさせてあげるよ?」
手はその儘カイ兄を擦る。
もう片手も胸の乳首でこねこね遊ぶ。

微かに震える躰は、熱を含んで熱い。
「……ってぇ…」
声を出すまいと食い縛っていた唇から
言葉が漏れる。
「だって…。

だって洗濯物の中にレン君のも混ざってて、その……に、匂いが…レン君の匂いがああんっ!!
レン君、れんく…んああっ!」
「…?匂い?」
「あっひっ…やぁ、まだ言わせる…の?」
「うん、聞きたいな〜。
カイ兄が俺の匂いのする服をどうしてるのか〜♪」
「…うぅ…ん。
こ…こう、ぎゅってして…
『レン君、の…匂いだ…』って…。

もうお願い…!イかせてぇ…」
俺の背に腕を回し訴える。
「仕方ないな〜。ほら」
焦らすようにまずはカイ兄の目隠しを外す。
汗と涙でハンカチは濡れていた。
「れ、レン君…下、はぁ…っ!」
自由になった瞳でまず見たのが、
弄られる自分自身。

俺じゃなくて自身の熱の行方を気にするなんて…
ムカついたので、脱がさずにもう一度強めに握って擦る。
快楽から逃げたいのか躰が異常に反応してビクつく。
「下ねぇ…。カイ兄がこんなに感じてくれる理由を教えてくれたらね♪」
「そ、そんなぁっ!!やだっ!!んっ…んんーっ……ん?…え?……あ」
「イ・カ・さ・な・い♪」
根本を押さえてイク寸前で止め我慢させる。
此処まで追い上げてやってれば辛いだけだろうから、簡単に口を割る筈。
「ふぁぁ…っ、うぅう"…。

…レン君が…っ、はぁ…触るからでしょ…あんっ」
「俺が触るだけで感じるの?」
辛さからか羞恥からか、
両腕を交差させて顔を隠してしまった。
「カイ兄…、
俺も、もうカイ兄の中味わいたいんだよ…。

だからさぁ…言って?」
カイ兄の股間に自分のを押し当てる。
実を言うと俺の方も勃ちっぱなしでキツいんですよ。
カイ兄もやっぱりイキたいのか、真っ赤な顔を反らしながらも、
「…す、きな…ひとに、さわられたら…たまんない…」
消えちゃうんじゃないかと思う位小さな甘い声。

報われないと思ってた。
血の繋がりがある訳じゃないけど、
兄弟で男同士で年下で…恋愛対象として見て貰えるなんて有り得ないと。
そんな思い込みと伝わらない辛さから強姦に及んだ。

そんな相手からの『好き』の言葉。

「…ヨクデキマシタ。
良い子だから、楽にしてあげる…。

痛くても我慢してね?」
自分は今どんな表情してるんだろう?嬉しすぎてわからない。
「いいよ…っ、なんでも良い。
俺もレン君が欲しいから…、
痛くてもなんでも良いっ…!」
熱い息を吐きながらさらっと言ってくれる。
「ちょっ…、今、余裕持てないんだから
そんなに煽んないでよっ」
「わがまま…。
煽れって言ったり、煽るなって言ったり…」
カイ兄の手が眼前に広がる俺の黄色い髪に触れる。
マジ勘弁して下さい。
色気出まくりですよ、アンタ。
「カイ兄抱ける日が来るなんて思わなかったからローションもゴムもねぇよ?」
「必要?」
………。
まぁ、今の状態ならローションは要らないか…。
カイ兄のズボンを脱がす。
熱の上がった躰は、夏季とはいえ夜気に触れ
軽く身震いをした。
戒めていたカイ兄を再び扱く。
再度熱が上がり始めるカイ兄の手が俺に回される。
「カイ兄やらしー顔〜♪すっげーかわいー!」
「あっあ!ん!!そんな…っまじまじ見ないでよぉっっ……」
「やだよ。今しか見れない貴重な瞬間だからね…。しっかりアイカメラとメモリーに
焼き付けて保存しときます。
はい、俺の目を見てもっと鳴いて?」
「悪趣味〜っ!」
人間じゃないから出来る芸当だよな♪
開発局に今凄く感謝。明日お礼の手紙書くよ(笑)
そんなやり取りをしている間に、
カイ兄が達して白い液が勢いよく零れた。
それを手に、指に纏わせ下の方へと滑らせていく。
「…ん…ん、んぁ…。レン君…くすぐったい…」
「あー…ごめん?それ今だけだから。
すぐにめっちゃ痛くなるし?

カイ兄気絶しちゃうかも」
「そ、そんな酷くされちゃうの!?」
驚いた表情も可愛い。
悦に入り浸りながら、お尻の割れ目の、
その中央に指を這わす。
「!!!!  れ、レ、んくん!?

聞いても良いのかな?!
因みに、何処で覚えてくるの?
こんな…同性の…せ、せ…」
「sex?何、知りたいの?
まず、カイ兄を犯す所想像します」
「なぁっ!?」
「で、ネットで調べます。
そしたらさぁ…、この穴の中にすっごくイイ所、
あるんだって」
「へ?え?あ…あ!?」
「カイ兄は…そんな知識あるのかなぁ…。
なんか、あったらヤだなぁ」
這わしていた指を、
溢れてくるカイ兄からの精液を使って一本。
ちゅっ…と音をたて俺の指を飲み込んでいく…。
「うぁっ、うわっ!あっあっあっ!?ひいぃっ!
やあぁぁっうぅうあぅぅあぁっ!!!!
ななななにコレぇぇぇ!?」
可愛い気の無い喘ぎ声。途端きゅうっと締まる中。
快楽から気持ち悪さからか、
カイ兄の腰が少し浮く。
「なにコレってなんかひどーい♪
カイ兄の大好きな、俺の指じゃんか」
中の深い所を指先で掻く。
更に締まりの良くなるカイ兄。
流石にこのままじゃ…。
「カイ兄…緩めてくれないとさ、
俺の指千切れて無くなっちゃうんだけど…」
「ぅ、ぅ、うで、!む、無理…つ!
勝手に…締まる…っひぃっあんん!」
どうしたものかなぁ…。
指増やして慣らしたくとも、これじゃ…。
「キスでもしてあげたい所なんだけど…」
恨めしや開発局…。身長が足りません。
恨みの手紙も書いてやろうか。
「悪いんだけどさカイ兄。コレで我慢してね?」
指は挿れた儘、空いてる片手でカイ兄を再三扱きながら、舌を腹の皮膚に這わす。
「っ!やああーっ!」
一際高い喘ぎ。瞬間的に緩んだ躰。
すかさず指を追加。
「ずいぶんイイ声出たけどさ…
まさか挿れられてる此方より、舐められた方が
感じたとか無いよね?」
「はっう…っ。や、やあぁ…」
「カイ兄?」
二本に増えた指は、バラバラに中を弄る。
焦点を無くしつつあるカイ兄の瞳は殆んど虚ろだ。
「…何一人だけ気持ち良くなってんの?」
「いぐっ!?や"あぁ"ああぁっ!?」
無理矢理だったが、何とか三本目の指も挿れた。
切れたかもしれない。
此処まで来たら多少の出血は無視するけど。
「や、や、レン君…!それ、やぁ…」
「あれ?そんな気持ち良さそうな顔で、
何が嫌なの? あ、

もっと激しくって事?」
「ちがあぁぁあっ!ああっひぎぅっ…ん、はあっつぅ!!やだぁ…はげし…ダメぇっ!!」
「指だけで…こんな乱れんの?
俺の挿れて大丈夫かなぁ…」
「んあっ!?」
適当に中で動かしていた指。
何処か擦った時に、カイ兄から別種の甘い声。

「あ、今の所なんだ…。
この辺?もうちょっと、…此方かな…?」
「ああ…」
ポイントがズレたのか、
先程のような声はあがらない。
もう少し、ズラしてみる。
カイ兄の躰が目一杯に跳ねた。
「……みっけ」
「あ、あ、あ!やだっ!何、なんで!?あぁっ!こんな…こんなっ…」
「まだまだ…待ってね。この位置、
記憶させてるから…」
「に"ゃあ"ああぁっ!!やああああっ!そこっ!そこぉぉぉっ!!!?」
「うん、此処だね♪気持ちイイでしょう?

中に一ヵ所だけね、イイ所があるんだって。
カイ兄のは…こーこ♪ね?」
執拗に其処だけ攻める。
最早快楽だけの顔を振り、
それから逃げるように涙を流す。
「んふぁっ…も、もう…もう…もぉぉッ!」
「どうして欲しい?
言ってくれないと、俺もどうしたら
良いかわからない」
「やっ…そんなぁ…意地悪…」
「これは意地悪じゃないよ…。
本当にどうしたら良いかわからないんだ…。

初めてだし、カイ兄が辛くないようにしてあげたい。
与えるなら、快楽だけをあげたいんだ…。

だから、 どうして欲しい?」

愛しい。
愛しい。

きっと言葉にしても、
触れ合っても伝えきれない。

それ程までに、
自分の想いは純粋で、真っ黒で。
「同じだけ返してなんて言わない。
カイ兄はカイ兄のペースで返してくれれば良い。

ただ…一つだけ…。
何よりも一番に…俺を想って?」
カイ兄、見えてるかな?
俺の表情、見る余裕あるかな?
きっと今までで一番優しい表情してるよ?俺。
「んんっ、れん…レンんっ!

はっ、…! 好きに…して…。
レンを…
全部…下さい…っや!」
「カイ兄…」
「…………っもっと…いじめてよ…」
呼吸も絶え絶え。
懸命に伸ばす腕は、俺の首に巻き付いた。
「…。俺に、
俺のペースに任せると、

カイ兄死ぬよ?」
それでも良いって、俺の耳元でカイ兄が言った。
いや、死なせたくはないんで
頑張って自重しますけどね?

指を抜いて、自分の服を脱ぐ。
熱く猛った自分。
男相手に此処まで勃つのって凄いよな…。

「カイ兄…。息、抜いて楽にしててね…」
すでに荒い呼吸で辛そうだが…
限界なのは俺もなんで。
指が入っていたその場所へ熱を当てる。
「っ」
一瞬、息を飲んで固まる。
抜いて楽にしててねって言ったのは
聞こえなかったのかな?
「…ぁ…あ…あっ!?や、熱いっ!!
れん、熱い、よ!?」
「しょうがないじゃんっ。
ずっとずっとカイ兄の中に入りたくて
我慢してたんだ。
熱も高まってるよっ!!」
半ば強引に、奥を目指す。
狭く、熱いカイ兄の躰の中。

決して他人に暴かれる事の無い、
深い部分…。
「あぁぁああっ!あ、奥!おくうぅっ!!
やだっ、レンの、奥居るっ!」
「っは、せっま…。
動けるようになるまで時間掛かるかな…?」
「んんんっ」
俺の言葉にカイ兄は首を振った。
「うごいて…」
「カイ兄?
少し慣れるまで待たないと、
カイ兄痛いだけだよ?」
「…、大丈夫…。
レンなら、大丈夫…。
痛いのも、気持ち良いのも…レンなら
全部許すから…もっと…

犯して…」

かつてこんなに愛された強姦魔は
居るでしょうか?
もう止まりません。理性?
そんなものデリートしましたよ。
「カイ兄が悪いんだからね…。
優しくしてあげようと思ったのに、
メチャクチャにして構わないなんて
言ったんだから…」
腰を持ち上げ、ゆるゆると抜いて、

奥まで一気に貫く。
「うっ、ああああーーっ!!」
縋るものを失い、ベッドシーツを
力一杯握り締める。
心の何処かで、優しくしてやりたい気持ちが
少し残っているのか…。
痛みが和らげばと、勃ち上がっていた
カイ兄に指を添え軽く擦る。
気持ち良さそうな声が上がり安堵した。
「あっん!れん…っあっ!」
「気持ち良い?辛くない?」
「良いっ…ふっ!れんはぁっ!?」
「…良くなかったら、
さっさと終わらせてるよっ!!」
「ああんっ!や、そこっ」
「わかる?」
先程指で見つけたカイ兄の
一番イイ所…。
狙って、抜き挿しを繰り返す。
「やあぁっ!其処、やだぁっ!!
其処はやだぁーっ!!」
「じゃ、止める?」
ピタリと動きを止める。
見下ろすカイ兄の表情はすっごく可愛かった。
「あ…やめないでよぉ…っ」
「でも此処は嫌なんでしょ?」
「あんっ!だって…ヨすぎるんだよぉ…」
それはつまり、気持ち良いんだよね?
意地悪な言葉を上から降らす。
「イイ顔してる…。
気持ち良いんなら大丈夫だよね?
俺はもっとカイ兄鳴かせたい。

俺にだけ歌って?カイ兄オンステージ♪」
「あぅっ!あん!だ、め…んはっあぁ…やぁ…れん…。
それ以上…良くしないでぇ。んっんっんっ!

レンの…ばかぁっっ!
こんなの、歌じゃ…あっ、ないぃっ」
「歌だよ…。
『鏡音レン』って楽器に歌わされてる
『KAITO』だよ…」

酔い痴れる…。カイ兄の甘い声…。

離さない。誰にも渡さない。
カイ兄は俺だけのもの。  ――永遠に。

「レ…ンっ!も、イク…っ、んあっ!!
お願い…ぎゅって、してぇっ!!」
ご要望通りかわからないけど、
身を屈めて何とか、漸くカイ兄の脇に腕が届いた。
腕を回して抱くとカイ兄が俺の首に腕を回した。

身長差が…↓
俺の希望としては、
本当ならカイ兄の頭を抱え込んで
イカしたかったんですけど…。
現実って酷い…。

「カイ兄…こんなんで、ごめん」
「んんんっ…。凄く、嬉しい…!
レンの匂い…本物だ…」
鼻先を髪に擦り付ける。
そんなに匂うのかな、俺。
「カイ兄…どんな嗅覚してんの?」
その儘の体勢で突き上げていく。
もう緩急は付けず、ひたすらあの場所を貫く。
意地悪無しで、本能に任せて
互いに熱を解き放った。


**********

全力を使い果たした後、
そのままカイ兄と一緒にベッドで過ごした。
そうだ! と思い出し最初の疑問を問い掛けた。
「ねぇカイ兄、今日部屋の鍵開いてたのなんで?」
「えー……。
…鍵自体は、前から開けてたよ…。

誰かさんが早く来ないかな〜…ってね」
「へ?」
動くのもめんどい。つーか会話もしんどい。
全身でそれを示すカイ兄はシーツに
突っ伏したままだ。
それでも言葉を繋いだ。
「レン君、なかなか来てくれないんだもん…。

どうしたら良いか皆に聞いたら…ドア…
開けとけって……」
今聞き捨てならぬ台詞いただきました。皆に!?
「来るなら…早く開けとけば良かっ…」
「カイ兄!?カイ兄!!!?
皆!? 皆って本当に皆!?

いやそれ以前に、俺がカイ兄好きなの気付いてたの!?お、起きろ〜!!」
揺すろうが叩こうが機能停止したかの如く
ピクリとも動かなかった。


――その色は深い海の色。
ゆらゆら、ゆらゆら…。波に浚われていく…。
――その声は甘く優しい罠。
溺れる、溺れる…。人魚の歌に囚われる…。


心地好さに、俺も意識を落とした。



―――――――――――――――――――

[作者]
長編にならなかった…orz
因みにレン君もカイ兄と同じ事してますね。

カイ兄は誰が誰を好きかよく知ってます。


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あきゅろす。
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