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レンカイとカイレンのお部屋
崩壊B[Nightmare]*(R18)《レンカイ》

兄さんを…手にいれたい…

俺のその願望は、あの触れるだけの軽いキスからずっと積もり続けていった…。

欲しくて欲しくて欲しくて…ただ兄さんだけが欲しくて。でも兄さんは俺じゃない、ミク姉を見てる。

ミク姉はズルイ。兄さんに愛されてるのに、それに気付かない振りをする。そして、俺が兄さんを好きな事も知っている…。

ミク姉…兄さん要らないんなら俺に頂戴?
アンタよりずっとずっと大切にするんだ。
他の誰にも渡さない、ずっと俺と一緒に歌い続けるんだ。二人だけで永遠に。

兄さんだって満更じゃないでしょ?
だってキスした俺の事嫌ったりしてない。それはもう俺の事も考えてくれてるって事だよね?
後もう一歩、俺の事だけ考えられるようにすれば俺を愛してくれるんでしょう?

待っていて。すぐにそうさせてあげる。
俺の事以外考えられなくしてあげる。

いつか見た夢のようにならないよう、兄さんが俺だけを見詰めてくれるようにするよ…。

だから…それを妨げる

アンタ達が凄く邪魔なんだ…。

********************

カチャ…。
ドアを開けると、明るい室内で普段通り皆が談笑していて、俺が入ると此方を同時に見た。
「あ、レン君〜」
「何処行ってたのよ〜?」
「お帰りレン君、外は暑かったでしょう?
冷たいもの飲む?」
「お帰り。って、その格好で外歩いてたの?ちょっと怖いよ?」
白いブラウスに黒のスラックス、黒のロングコートを羽織った俺を見て兄さんがそう言った。あからさまに普段着と違うそれを見て驚いたようだ。
でもそれ以上その事については触れてこず、手招きをする。
「レン♪ほらそんな所に突っ立ってないでさ、この間のPVの話ししようよ。
皆レンの感想も聞きたいんだって♪」

カッコ良かったんだよレンって〜!という声が聞こえて、お兄ちゃんの方が断然カッコいいわよ!!と微かに聞こえた。
兄さんの声だけがいやに鮮やかに聴こえる。
他の音は霞が掛かっていて通り過ぎていく。
机を挟んでマスターが居て。
三人掛けのソファには、真ん中にカイト兄さんを置いてその両端をミク姉とリンが固めていた。

いつもそうだ。
コイツらは何かにつけて兄さんの隣を占領する。さも当然の如く定位置であるかのように。
兄さんも優しいから、二人が『兄さんの隣が良い』と言えば簡単にそれを受け入れてしまう。

だから、俺は入り込む隙すら与えられない。

「………兄さんは誰にでも優しいよね」

そう口にして、ドアに背を預け鍵を静かに掛ける。鍵の事は誰にも気付かれず、兄さんはそんな事ないよ?と返してきた。
「あったり前でしょ!!あんたと違ってお兄ちゃんは世界一ステキなんだから!」
リンがそう言って兄さんに抱き付いて頬擦りする。

コイツは相変わらず、まるで自分は兄さんの恋人であるかのように振る舞う。

それが腹立たしい。

兄さんは兄さんでどうしてそんな奴を振り払ったりしないんだろう?俺以外の奴に触れさせるのは、イケナイ事だと分からないのだろうか?

そんな事を考えてる内に目の前で抱き付いたままのリンが、見せびらかすように俺の前で兄さんの頬にキスをする。
何が嬉しいの?なんでそんな照れたように赤くなってそいつの頭を撫でてるの?俺にはしなかったよね…?

それが癪に触った。


そして、

狂ってしまおうと、最後の砦の理性が消えた。


ぱんっ!

乾いた音が狭い室内に響いた。なんの音なのか誰にも理解出来ていなかった。
「まずは、お前」
俺の手に握られた、黒い金属の、その先端から薄く煙が上がりすぐ消えた。裏サイトのネット通販でゲーム箱にカモフラージュさせて購入した――――――銃身の細長い鉄炮。
銃口から飛び出した弾は、リンの右頬を破損させていた。

「い"…いやぁああぁああああ!?

嫌!?痛い"?い"だい"よぉぉぉ"!?」

少しだけ抉れた右の頬を押さえ、リンが絶叫する。
全員がリンを、俺を見比べる。
「レン!?何するんだ!!冗談でも許される事じゃないんだぞ!!?」
冗談?俺は本気。
それに冗談でも本気でも俺の兄さんにキスなんかしたそいつにはそれ相応の罰が必要でしょ?
「そいつムカつく。俺と同じ顔で、女だってだけで簡単に兄さんに触れる。恋人であるかのように振る舞うそいつはキライだ」
「レンっ!?」
兄さんの瞳が非難の色を宿す。リンが痛みと恐怖の狭間で泣き叫んでいる。
マスターとミク姉はリンを抱き締め、必死にリンを宥めていた。
「あーあ、やっぱこの銃じゃ大したダメージ与えられないなぁ」
「いい加減にしろ!!」
「でも人間ならこれで殺れるよね?」
「きゃっ…」
銃口をマスターに向ける。マスターはかなり怯えてしまってぎゅっと目を瞑った。
「やめろレン!!なんでこんな」
「バイバイマスター?俺の感情引き出してくれたのはアンタのあの新曲のお陰だよ」
マスターを庇おうと前に立ちはだかる兄さん。その脇を難なく銃弾が流れていった。
「マスターぁぁっ!?」
「いや…やだぁぁマスターっ!?」
ちょっとズレた。
「あーあー…兄さんが邪魔するから、殺せなかったじゃん。かわいそーマスター。それ痛いだろうにね〜?」
「……う"ぁ"…」
呻くのがやっとのマスターの首。赤いマフラーを作り出すその首は、まるで兄さんの青いマフラーとお揃いのようで…。
それがまたイライラを募らせる。
「まずい…ミク、救急車を呼んでくれ。
レンは俺が抑えるから…」
「お兄…ぢゃん…だすげ…で…?」
「リン…少しだけ、眠っていてくれ…。必ず直してもらうから、また一緒に歌おうな?
大丈夫、これくらいの傷ならすぐ」

ぱんぱんぱんっ。

今度は容赦なく頭に三発、弾を流し込んだ。縋るように兄さんの服を掴んでた指先ごとビクンビクンと跳ねて、リンが床に寝そべった。
「リンっ!?しっかり、しっかりしないか!?」
「最後まで兄さんに触ってるなんて…随分厚かましいなぁ…ねぇ、ミク姉?」
弾丸を詰め直しながら、視線を向けずにミク姉に問い掛ける。
口元に手を当てて、その緑の大きな目を目一杯に開いて…そのままもうショック死するんじゃないかと思うくらいの顔をしていた。
「いや…やだょレン君…私死にたくない!!」
元凶が懇願してきた。
「大丈夫だよミク姉安心して?」
だから俺は優しい声で、優しい笑顔でミク姉に答えてあげた。その言葉にミク姉は本当に安心したようだった。自分は大丈夫、殺されない。
そう解釈したのだろう。

そんなはずないだろうに。全ての元凶はアンタなんだよ?
沸々と沸き上がる黒い嗤いが喉を越えて漏れ出てくる。今から最大の邪魔物が消せるんだと思うと、もう…。

「大丈夫だよミク姉。


だってこの世界には沢山の『ミク姉』が居るでしょ?

一人くらい消えたって誰も困らないよ」
「やめろ!!」
守るものが一人になった兄さんは、これ以上失わないようにと自ら楯となるべく、ミク姉を抱き締めた。

その行動が、俺の狂気を呼ぶとは知らない…。

「どいてよ兄さん。邪魔をしちゃ駄目じゃないか」
「ふざけるな!!何をしてるのかわかってるのか!?
回りを見ろよ!!なんでこんな真似するんだよ…っ」

アンタのせいだよ…?

近付いて、背後から上半身を屈めて耳元で囁く。
驚いた兄さんが此方を振り向くのとほぼ同時に、その体を渾身の力で蹴り飛ばした。
「ぐっ…!?」
「お兄ちゃん!!お兄ちゃんやだやだぁ!!
離れないでお兄ちゃん助けて、怖いよぉ!!おに」

ドンッ!!

先程とは違う、鈍く重い音がミク姉の頭があった所で叫んだ。
「あっはははは♪やーっぱりこっちの方が簡単だ♪一発ずつ弾込めんのめんどいから嫌だったけど、いやぁ楽だなコレ♪」

首なしとなったミク姉の体。司令塔である電脳を無くし、その腕はだらりと下がり、そのまま倒れ込んだ。
「ミク…ミクゥゥ!?嘘だ!!ミクの、顔は…」
「あぁ頭?ごめんね兄さん。コレ貫通式じゃなくて破裂式なんだ。

だから粉々になっちゃった♪」

ふりふりと見せたのが、太めの銃身を持つ銃器。単発式のこの銃は、撃つ度弾を込め直す必要があり乱発出来ない。
しかしその分以上の破壊力と快感を味わせてくれた。

「あ…あ…あ…」

恐怖も怒りも、思考回路が何も追い付かないような声が兄さんから漏れる。
兄さんに近付く為に身を翻す。怯えた兄さんが腕で顔を覆って隠した。
「大丈夫、兄さんは殺さないよ?
それじゃ意味がないからね。兄さんだけは永遠に殺さない」
「……っ」
何故…?
女性を、家族を三人も殺しておいて何故自分だけ殺さないのか?
俺を見上げるその顔にはそう書いてあった。

「俺がなんでこんな事したのかわからない?」
そう問えば、首を縦に振り肯定する。恐怖からか声を無くした兄さんの歯がカタカタと震えている。

「じゃあ教えてあげる、兄さんが悪い子だから。

兄さんさぁ、あの日のキスの事覚えてるでしょ?忘れないよね?俺との初めてのキスなんだから。

なのにあれ以来、俺以外の奴等と楽しそうに笑って、俺に触ってくれなくなったのに、他の奴は簡単に抱き締める」
「そんな…理由…で?」
「そんな理由でも、俺にとってはとても重要な事なんだ。兄さんが他の奴等を見てるのが嫌なんだ。

だったらどうすれば良い?簡単だよね。


兄さん以外の全てを壊してしまえば良いんだから」

蹴られて壁際まで吹き飛んだ兄さんが、皆の元へ戻ろうと這ってくる。だけど兄さんと皆の間には俺が立っていて、兄さんは俺の足元で止まった。
「何処いくの?にーいさん?」
座り込んでその頬に指を添える。先程リンが口付けを落とした箇所…。それを消したくて爪で血が出るくらい強く引っ掻いた。
「ぃたっ…」
「ここ、アイツの口が触れたでしょ?ダメだよ俺以外の奴に触らせちゃぁ」
「ぐっ…放せっ!!」
「んわっ!?」
兄さんが俺の手を払い除けるのとほぼ同時に、後ろから俺は抱き付かれた。見ると抱き付いてきたのは瀕死状態のマスター。これが最後の抵抗というのかな?
「にえ"…なざいっ!」
「マスター!?やめて下さい!」
「あ"あ"たらえ"でも、にげ…」
血を吐きながら懸命に兄さんに逃げるよう促すマスター。あーあー…折角今日の為に用意した衣装が血塗れで台無しだよ…。
「ちょっと、俺の服汚れたんだけど?
邪魔だからさぁ、さっさと逝っちゃいなよ」
「レン!!やめてくれ!!これ以上…っ」
ぱんぱんっ。制止の声ぐらいでやめるくらいならこんな事してないよ。
俺の真横で鳴り響く発砲音は、耳の良すぎるボーカロイドにはちょっと痛かった。

ずるりと俺の体から外れていくマスター。それにしても人間の血って生臭くて気持ち悪いなぁ。

「あ…ぁ…マスター…マスターっ…うぅ…」
「これでやっと二人きりだね」
俺達以外誰も動かなくなった、静かな部屋。
これからはずっと一緒に生きていけるんだ…。嬉しいな…。
「んー、ねぇ兄さん?
マスターの遺言?逃げなくて良いのぉ?

俺何するかわからないよ〜?あははははは♪」
とても楽しい嗤いが込み上げてくる。その感情に任せてそのまま嗤う。
そんな俺を兄さんの綺麗に透き通る青い瞳が、軽蔑の眼差しで俺を見る。

やっと見てくれた…。
その瞳に俺を写してくれた…。

なんて幸せなんだろう。こんなに幸せになれるんなら、もっと早くにこうすれば良かった。

「に・い・さ・ん?どーちたのー?怖くて動けなくなりまちたか〜?」
あははははは♪と高笑いを繰り返す俺の脇を抜けて、兄さんが走り出した。
どうやら本気で逃げる気になったようだ。

「鬼ごっこ!?良いね、遊ぼうよ兄さん!!
でもさ、俺から逃げるの骨が折れると思うよ?だって」
ぱんっ!
ただ兄さんの方に向けて撃った弾は、運悪く兄さんの脹ら脛を貫通した。
「ぅあ…あああぁっ!!」
「あっちゃ〜…兄さんって不運だね〜。当たんないようにしたつもりなのに自分から当たるなんて〜」
ドアまであと少しと言う所で、転げて撃たれた足を抱え込む。兄さんの足から、人工血液が流れ出る。
「もったいないなぁ…」
近付いてその手を退けさせ、舌を這わし溢れ出る血を舐め飲み込む。舌先が傷口に触れ痛むのか、悲痛な喘ぎ声が盛大に漏れた。
「もう捕まえちゃった。もう少し頑張って逃げてくれないと狩りも楽しめないじゃんか…。

まぁいっか。さて、じゃあ捕まえたご褒美貰おうかな」

そう言って仰向けにさせて、兄さんの服を力任せに破る。服に掛かったマフラーも一緒に引っ張ってしまって、一瞬呼吸が止まり兄さんが噎せた。
「げほっ、こほっ!!れ、れん…っ」
「そんな声で俺の名前呼ばないで?さっさと穢したくなっちゃうから。兄さんにはゆっくり俺の味を覚えて貰いたいんだからさ…」
裂けた白い衣装に負けないくらい、白くて綺麗な素肌が惜し気もなく晒される。
見られる事への羞恥からか
足に走る痛みからか
全て失ない、これから起こるであろう恐怖からか

その人工心臓は目に見てわかるほど大きく上下していた。
「兄さん、興奮してるの?」
「何…する気…」
「この状況がわからないほどバカじゃないでしょ?沢山可愛がってやるから…沢山俺を覚えようね?」
顎に口付けて、そのまま舌を這わして唾液の線を臍まで引いていく。何となく、臍の穴に舌を入れてみる。
誰かに、誰かとこんな事する事なんて。
ましてやされるだなんて思った事など微塵もないのだろう。もたらされる快感に兄さんが身を捩り抵抗の意思を示す。
「勝手に動くなよ。良い子にしてないと、また風穴空くよ?」
大好きなその瞳に、銃口を押し当てる。目を閉じる事さえ忘れ兄さんが小さく泣き出した。
「良い子だね?俺の言う事ちゃんと聞いてれば大丈夫だから。俺だけが兄さんを愛してあげる」
「っうぅ…レン…?やめて…」
「何を?俺に抱かれるのが嫌なの?
嫌なんだ…そうなんだ…嫌なんだ…どうすれば兄さんを手に入れられるのかなぁ」
平らな胸板に掌を滑らせて、その肌の感触を指で味わう。いろんな所を触る内に、兄さんはどうも脇腹が弱いみたい。
可愛く跳ねて、それに見合うだけのイイ声があがる。
「可愛いね、兄さん。あぁやっぱり欲しいなぁ…。俺ね、どうしても兄さんが欲しくて困ってるんだよ。特にその青い瞳。
その宝石のような目玉が大好き。此所に俺だけが写るようにしてあげたいんだ…」
指を添えると瞼が閉じられる。溜まっていた涙がいくつも零れてカーペットに染み込む。
「……兄さん。なんでカーペットに涙あげちゃうの?それは、俺のでしょ?」
「痛い痛い痛い!!やめてくれっ本気で痛い…っ」
「じゃあ兄さんは誰のものかな?わかるよね、鈍感でバカな兄さんでもそれくらいは理解出来るよね?」
「うぅ…っ。俺は…、レンのもの…っう…」
兄さんの頬を両手で包み俺だけを見詰めさせる。
辛そうな、苦しそうな顔で兄さんが答え、また涙が流れる。今度は俺の指に染みていった。

やった…。
兄さんから、俺のものだって言わせられた♪
そう、兄さんは俺のもの、俺だけの兄さんだ!!もう他の奴等に渡さない!!

「うん、兄さんはイイ子だね!!そうそう、間違えちゃダメだからね?兄さんは、俺のもの。

俺以外を愛しちゃいけない。
俺以外を見ちゃいけない。
俺以外に触れちゃいけない。

兄さんが愛おしいと想うもの、心委ねるもの、その全ては俺が壊してあげる。

この世界が壊れてなくなるかは、兄さんの行い次第で決まるからね?」
「レン…なんでそんなに…」
兄さんの手が俺の頬に伸ばされる。そっと触れてくるその指は震えていてとても可愛い。
俺を見て、俺だけを感じて震える兄さん。

今夜はなんて幸せな夜だろう…。兄さんと結ばれるなんて夢のようだ!!

「俺が兄さんの事大好きだから。なのに兄さんは」
「俺もっ、レンの事が好き…」
「うんわかってるよちゃんと。兄さんは俺以外を愛さない。俺以外を求めない。

だから、気持ち良くなろうね?」
「うん、俺は……レンのもの…」
兄さんが泣きながらそう認めた。嬉しすぎて笑みが零れる。兄さんのベルトを外す。なすがままにされてる兄さんは最期の抵抗か、顔を隠して耐えていた。
「可愛い…兄さん。早く気持ち良くなろうね?」
ズボンをずらすと、兄さんの性器が出てきた。だけどそれは恐怖からか萎えたままだった。
「兄さん…?感じてないの?俺じゃダメなの感じられないの?俺のなのに…?俺を感じられないんなら、これは要らないよね?」
「っ!?嫌だ嫌だ嫌だ!!お願い、それはやめて…っ!俺初めてだから、わからないんだよ…っ!だから、レンが教えて…!」
「…なぁんだそうかぁ♪そうだよね、誰でも初めての事ってわからないもんね?イイよ教えてあげる♪」
兄さんの性器に指を絡め、扱きだす。少しずつだけ硬度を持ち、先端から白い液が出てくるのを眺める。絶好の光景に、俺自身の熱は昂る。
「あ、ん、んんっ!!レン…レンっ…ああぁ…」
「もっと大きな声で鳴いてみて?兄さんの一番高いキーで叫んでよ…」
そう伝えると、否定を示す首の動きが見えた。
「逆らうの?」
「やだ…だって皆が居るのに…っんあ…」
「皆…?」
皆ってのは、其処に転がってるアイツ等の事?
そう訊ねれば肯定の返事として首が縦に振られる。
ガツッ!!と痛ましい音がする。拳銃の持ち手で兄さんの頭を殴った。
「痛い!!やぁ、いたっ…なんで、なんでぇ…?」
「兄さんが悪いんだよ?ダメじゃないか、俺以外の奴の事考えちゃ…。どんな時も兄さんは俺の事考えていなくちゃ。

あんまり怒らせないでくれる?兄さんが俺以外の事考えるんならこんな電脳要らないよね?」
「やっ…ごめんなさいごめんなさい!!もうしません!!レンの事だけ考える!だから、だから…許して…お願い…」
向けられた銃口を反らそうと兄さんの手が手首を掴む。必死に懇願するその姿に、銃をどけた。
「次はないよ?」
耳朶を噛んだまま囁く。大きく頷いて、口を開く。
「ん…んあっ…あっ!」
「そう、そのまま…。逆らわないで、本能に任せて声を出すんだ」
「あ…ああ!!レン!!んー…っやんっ!!だめ…きもち…い…」
扱くスピードをあげる。くちゅくちゅ溶けるように滑らかになるそれは、兄さんの快楽の証。
「可愛いよ兄さん。もっともっと可愛くなろうね?沢山たくさん教えてあげる。勉強熱心な兄さんならすぐ覚えるよ」
「ひあああっ!?」
強く握り込みそのまま千切らんばかりの勢いで抜きあげた。強い快感に甘い叫びがあがる。
「あ…あ…、はぁ…はっ…」
「どう?すごくイイでしよ?兄さん一人じゃこんなの味わえないでしょ?
俺だけなんだ、俺だけが兄さんを穢していいんだよ…」
「う…うん…。れん…れ…ん、…もう…」
「まだ始まったばかりじゃないか♪まだまだ教え足りない」
兄さんの精液を指に馴染ませ、後ろへ指を当てる。絞り出させた精液の粘り気で中へと挿れていく。きゅうっと吸い付くように指を飲み込み中の温かさが伝わってくる。
「あ…ん。中に、レンの指がある…つ!!」
「ん…兄さんの中、温かい…。柔らかくて焼きたてのパンみたい…。兄さん、どこがイイか言ってみて?」
指をぐりぐりと動かす。狭い肉壁は拒む事なく俺の指を受け入れて嬉しそうに腰を揺らす。
「あ、はっ…!わかんない…ぜんぶ…レンだと思うと…きもちいい…んんっ!?」
「どうかした?」
一際高い声が出たその場所をもう一度強く押す。過ぎる快感に足を閉じようと動いたが、体を割り込ませそれを阻止する。
「あ、あ、あ、っっ!!そこ…そこっ!すご…イイ…!そこが、一番気持ちいい…っんあーっ!!」
「ここがいいの?こっちは?」
「やだぁ…さっきの所がいいの…っ。レン…さっきの、とこ…」
腕を伸ばし俺の首に絡み付いてきた。縋るように泣きおねだりをする様は誰よりも愛らしい…。
「指でいい?」
片腕で抱き締め返すと肩の辺りで兄さんの頭が横に揺れた。熱を帯びた泣き顔で、呟くような声が耳から電脳へ直接聞こえた。
「レンの…欲しい…。レンの熱いのが…」
「いいよ、あげる…」
腕を外させカーペットにもう一度横たわらせる。離れたくないと言った手にキスをして、噛みついて…。兄さんが待ちきれないと言わんばかりな息を荒げる。
「兄さん…兄さん。ちゃんと食べるんだ。俺のものは残さず食べられるでしょ?
俺の事大好きな兄さんは好き嫌いしないもんね♪」
「ん、ん!!食べる…レンの全部食べるから…!!早く、早くきて…味あわせてよ!?」
理性を削ぎ落とした本能だけの兄さん。男である事も兄である事も捨て去った俺に抱かれるだけの存在…。俺だけの…俺だけの…。
「兄さん…食事の前には?」
「あ…んあっ…ふぁ…、い、いただき…ます…」
「えらいえらい。じゃあ…召し上がれ…」
ズボンをずらし、塊を宛がう。先端が穴に触れ一瞬だけピクリと反応して、気遣う事もなく奥へ押し進んだ。
「あ、あ"ーーっ!レンっおっき…い、やぁあ…はっ…いい…いいっレンのが一杯ですごくいいよぉ!!」
「ああ、兄さん…。ちゃんと味わってる?」
「うん!うんんーっ!こんなの知らない、こんな御馳走…はじめてぇっ!ああああーっ!」
「お味は…?」
「お、おいしい…何よりも美味しいです…っ!!
世界で一番、レンのものが美味しいよぉぉ…っ」
兄さんの反応に満足する。ぐちゅぐちゅと音をたて俺を飲み込む兄さんのお尻。軽く突いてやると止めようのない声が響いて、耳に残る。
「俺も兄さんの中味わってるんだ…。どんなデザートよりも甘くて美味しい…。

兄さんってこんな美味しいもの隠し持ってたの?
悪い子だね…」
「やだぁっ!だって…だって知らなかった…んん…だよ…ふあああっ!!だめ、奥だめぇ…っ!!

もう一杯なの、もうそれ以上は食べられないよぉ!!」
「俺はまだまだ食えるけど?」
だってやっと繋がったのに…。こんなに簡単に放せる訳がない。
もっともっとと貪欲に、奥の奥、壁の向こうを欲して突き進む。
「れんん…っ!!なんで…こんなに気持ちイイの?」
「兄さんが俺を大好きだからだよ…当然の事でしょ。そんな当たり前の事聞くなよ…」
「あ…好き…うんっ。俺はレンの事大好き!!
だから、レン!!あんあんっ!!奥、レンの鉄砲撃ち込んで!!お願い!んあ…それが欲しいのぉ!!」
長い脚が俺の腰に絡み付く。もっと奥へと促すようにグイグイ押さえ付ける。
「しょうがないなぁ…。まぁこれからはいつでも好きなだけ食べさせてあげられるからいいか…」
俺から、快楽から逃げられないように腰を掴んでひたすら貫く。
兄さんの袋と陰毛に地肌が触れ絡む音がする。中で突く角度を変え遊んでいると、ちゃとしてって怒られた。
「レンのじゃなきゃ…いけない…だからぁ…レンの鉄砲を、早く引き金引いてよ!!」
「あっはははは!!短時間で随分いろいろ覚えられたね?賢いなー兄さんはぁ♪

じゃあ食べ終わったら何て言うの?」
「あ…ひぁっ…れん…レン…!
美味し…かっ…た…はんっ!!ご、ち、ぁああぁっ!!やああぁぁぁぁぁあだめえぇぇぇぇ!!!!ごちそうさま、ごちそうさまなのぉぉっ!?もお一杯、入らないのおーっごちそうさまぁぁぁぁっやーーーっ!」
「…くっ…、うん…一杯食べたね…。また食べたい時は言ってね?いくらでもおかわりあるから…」
兄さんの絶頂と共に中に全て解き放った…。





「はぁっ、はあっ?ふあ、はっはあ…っ」
俺の欲望から解放され、兄さんが体全体で息をする。動く気力はもうないみたいで、指先すら動かない。ただ呼吸に合わせて無意識に揺れるだけ。
「兄さん…頑張って食べたね俺の事。
いい子。そのまま寝てていいよ?

俺はまだ目的を果たしてないから」

ぱちんっ!と妙に響く金属音。寝そべる兄さんの眼前で折り畳み式の薄いナイフが開かれた。
「なに…するの…?」
「こうするんだ」
頭をわし掴んで動けないように兄さんの体に乗り上げて。

瞼を閉じないよう開かせて、左目の縁にナイフを添えて眼窩の奥へと沈めていく。
「っ――――――――――――――――っ!?!?」

痛みや恐怖なんて簡単な言葉では表せられない。
声にならないその声。 手足をバタつかせ暴れる兄さんはオモチャみたいで楽しいけれど今は鬱陶しい。
「あっと…動いちゃだめだよ、この綺麗な宝石に傷が入ったらどうするの?
この世に二つしかない貴重な物なんだから…。
大人しくしないと両目とも抉るよ?」
「―――――っ――――――――――!!」
俺の言葉が聞こえないくらい痛いのか、バタつく手足は一向に動く事を止めない。
クチグチと音をたて、骨に当たってゴツゴツと音がする。上手く切り離せなくてナイフを一周ぐるっと回してみた。
「うーん、人間とちょっと違うのかな?医学書程度じゃやっぱり外せないね…」
ナイフを取りだしさてどうしようかと考える。
目玉を半分飛び出させ、驚愕の表情で訳のわからない単語を叫ぶ兄さん…。
飛び散った人工血液が鮮やかすぎて、ずっと眺めていたいと思ってしまう。
「んー…そうだ!!もうナイフで切れないんだし、引っこ抜いちゃおうか?」

右手が、指が眼球に触れる。そのまま眼球を撫でるように指を滑らし…。
ズブッズチュ!!
「ひぐあっ―――っ」
兄さんの瞳の中も暖かい…。こんな暖かい人が俺だけのものだなんて…なんて、幸福…。
「あは!?つーかまーえたぁ♪」
指先で目玉を掴み、潰さないように細心の注意を払って一気に引っこ抜いた。何本かの配線が一緒につられて飛び出してきた。多分色や距離感なんかを繋ぐ線だろうな〜。
「―――――――――つ……」
「俺これずぅっと欲しかったんだぁ♪
凄く綺麗でしょ?この青!!知ってる?光に照らすと透き通るんだ♪あはは、あはは♪やったやったぁ♪兄さん手に入れちゃったぁ!!」
両手でそっと包み、足元に転がる生きてるのか死んでるのかわからない兄さんをたまに踏みながら、俺はその場で小躍りした。
一通り踊った後、腐敗はしないと思うけど…と一応ホルマリンの瓶に入れて密封した。

[*vorn][hinten#]

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