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布団と枕
6.ヒワダタウンに潜む影
 長い道のりだったつながりの洞窟を抜けた。久々に感じる太陽の光が体中に染み込むように差して、気持ちが良い。

「もうすぐヒワダタウンに着くので、頑張りましょう」

 少し歩いて行くと、町の入り口に着くが―

「ん…?」

 少し先に中年男性と黒服の男が何から会話をしている。だが、様子がおかしい。

「なんだ、お前!
 俺達のことを知らないのか!」

 ………。

「俺達は………
 ロケット団様だ!」

 まさかの…遭遇だった。
 数年前にもカントー地方でロケット団がカンパニーをジャックしたと言う事件があった。
 しかしそれをレッドと言う少年が事を終わらせたとマサキが話していたのを思い出す。

「サカキ様の野望を達成する為に
 また復活したんだよね…」

(サカキ…?
 どこかで聞いたような…)
 
「ってそんな事はどーでもいい!
 ツベコベ言わず消え失せろ!」

 彼は中年男性を突き飛ばすと、井戸の近くで見張りをする。一方突き飛ばされた彼はそのままいそいそと街へ行ってしまう。
 傍にいるブラッキーは低く唸り、井戸の方に視線を向けて今にも駆けだしそうな勢いでいる。

「ブラッキー、落ち着いてください。
 一旦、町で話しを伺いましょう。場合によっては…」

 彼を制しながら、キャスケットの鍔を摘まみ―

「アナタやメリープに…お願い申し上げますから」

 いつになく鋭い目をして言う。
 その後、ヒワダタウンの住人に声をかけてこの町でおかしい事がないか尋ねると予想通りにそれがあった。
 最近、この町にいたヤドンというポケモンが突如消えたのだ。それにおかしい事にヒワダジムの前にロケット団が見張りをしている。
 他にもヤドンのしっぽを売っている店がある等と話しが続々と出てこの件に関しての繋がりが少し見えて来た。
 もう少し詳しい話しを聞く為、一人と一匹はぼんぐり職人のガンテツという男の家を訪ねる。

「すいません、ガンテツさんでいらっしゃいますか?」

 目の前の白髪の老人にたずねる。

「おう、お前は誰や?」

「私は@nameと言います。
 こちらはブラッキーです。
 少しお話しを伺う為、こちらへ参りました」

 丁寧に帽子を外してから挨拶をする。
 だが、目の前の老人はその気が無いのか渋い顔をする。

「悪いがそれ所ちゃうんや…」

「ロケット団、ですか…」

「知っとるんか!」

「えぇ…有名ですからね」

 ロケット団はポケモンを自分の野望の為に使う犯罪組織だ。
 目的の為ならば他人のポケモンを奪うのに手段を選ばない。警察でも手を焼いている厄介な者達である。

「そいつらが井戸でヤドンのしっぽを切って売りさばいとるんや…」

(…だから井戸に見張りを…)

 それならばジムリーダーを見張る必要も出て来るわけだと判断する。

「だからワシが行って、ちと懲らしめらるんや!」

「えっ…?」

 予想外の事に奇妙な声を上げる。

「よーし!
 まってろヤドン!
 男ガンテツが助けたるぞ!」

「あの、ガンテツさ……ん」

 ガンテツは凄まじい速さで家を飛び出し、井戸へ向かった。残った@nameとブラッキーは漠然としている。

「……私達も行きましょうか」

「ブラッキィ!」

 二人も井戸へ向かう…。

 井戸に見張りがいないのを確認をすると、梯子を伝って下りる。底に着くと小さい声でブラッキーの名を呼び、彼は彼女に目掛け飛び降りて受け止めた。
 井戸の奥まで行こうと進むと、誰かが倒れている。

「!…ガンテツさん、大丈夫ですか!」

「おう、@nameか…。
 上で見張っていた奴は大声で叱り飛ばしたら、逃げよったがな…」

 どうやらこの井戸を降りる際に腰をうって動けなくなったらしい。あの見張りを大声だけで退かしたというのには驚く。

「くそう…ワシのポケモンがちょいちょい懲らしめたのに…」

「…あとは、私達に任せて頂けませんか?」

「おう。
 ワシの代わりにトレーナー魂をみせるのじゃ!」

「トレーナーじゃあないんですがね…」

「ん…?
 トレーナーじゃないんやら、お前はなんや?」

 彼女のキャスケットの鍔を摘まみ―

「探偵、ですよ…。
 自称ですが…」

 やや苦笑で口にする。

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あきゅろす。
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