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短編
イカロスはたとえ焼かれようとも sideA
嗚呼、君は僕の太陽だ!

君はきっと堪らなく嫌な顔をして目を逸らすだろうね。

いや、君の太陽が眩し過ぎて僕なんて見えやしないかな。

それでも、やっぱりきみは僕の太陽なんだよ!



イカロスはたとえ焼かれようとも



「退学だ」

「あなたがそうおっしゃるのなら」

最後通牒をあなたの口から言い渡さられるなんて、僕はなんて幸せ者だろう。

例えば10年後、この馬鹿騒ぎのようなたった3か月の高校生活を苦い気持ちで振り返ることがあろうとも、この瞬間だけは、きっと永遠に輝くだろう。

こんなこともあろうかと転校先は準備中していた。

二度とあなたに会えないこと以外、思い残すことは何一つない。

あなたのために、僕ができることは全てやったから。

それでも、僕の輝かしい経歴につけられた退学というたった1つの傷が、あなたの手でつけられたというなら、それさえも愛おしく感じる。

いっそ清々しい気持ちで生徒会室を後にする。

美しいあなた。

愚かなあなた。

あなたが太陽だと手を伸ばす彼が、どうかあなたを焼き尽くしてしまいませんように。

僕があなたに焼かれてしまったように。

周りからどんなに冷ややかな視線を向けられようとも、それに気づかぬくらい恋に溺れたあなたは、やっぱり美しかった。

周りからどんなに冷ややかな視線を向けられてるかを知っていても、僕があなたを愛せずにはいられないくらいに。

目を瞑ると、あなたの笑顔を思い出す。

目を開けると、あなたの冷たい瞳を思い出す。

あなたが僕にくれたものは、全て忘れはしないだろう。

さようなら、僕の太陽。

あなたが塵となり消え去ろうとも、それでもあなたは僕の太陽だ!

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