友達は目が紅い 8−1 十二月二十四日、クリスマスイブの東神高校。冬休みで閑散としている学校の、図書室で話し声がしている。 「広いですね」 八甲田雪(はっこうだゆき)は室内を見回して言った。 彼女のセミロングの髪は酷いくせ毛で、頭が実際より大きく見える。また、着ている制服はこの学校のものではない。 「そう言われたらそうかも」 雪の隣で、大江橋はるかが言った。 彼女は雪と対照的に、長く真っ直ぐな髪をしている。 「見てわかると思うけど、ここは図書室」 はるかは今、この学校に通うかもしれない雪のために学校を案内している。 「雪ちゃんって本が好きなの?」 はるかは雪が嬉しそうにしているのを見て、尋ねてみた。 「特別、本が好きってわけじゃないですけど、本が沢山あるところは好きです。なんだか不思議な感じがするじゃないですか」 雪はしっかりと、はるかの目を見ながら言った。 [次へ#] [戻る] |