友達は目が紅い
7−1
十二月二十三日。
クリスマスムード一色の街の私鉄駅、東神市駅の前に、一人の少女がやって来た。
少女は黒く長いストレートヘアーで、瞳の色も髪と同じく、真っ黒だ。
彼女の名前は大江橋はるかという。
はるかは何かを探すように辺りを見回すが、見つからなかったらしく、近くのベンチに座った。
しかし、それでも落ち着かない様子で、腕時計を見たり、メモ帳に書かれている予定を確認したりしている。
そこへ、一人の少年が通りかかった。
少年は紅い瞳で、はるかを見つけた。
「よう、はるか。何やってんだ?」
少年の名前はカリミスといった。
「そんな浮かない顔して、どうしたんだよ」
彼は、ははるかの隣に座った。
「別に、大したことじゃ……」
「と、言うわりに手が振るえてるぜ」
カリミスの視線の先にあるはるかの手は、微かに振るえていた。
「実はね家族が増えるのよ」
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