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友達は目が紅い
20−2


空港の地下からモノレールに乗った。
まだまだ時間が早く、車内は殆ど人がいない。
雪は二人掛けの席の窓側に座った。
「なあ、雪」
「なに?」
雪はまどの外、トンネルの壁を見つめながら返事をした。
「何を恐れている?」
「なにも、恐くなんかない。お母さんを迎えに行くだけだもん」
モノレールは地下から外に出て、一気に高架へ駆け上がる。
雪を朝焼けが照らした。

 しばらくして、次の駅に着いた。
雪が何気なく入口を見ると何人か乗り降りし、再び走り出す。
「雪、話があるんだが」
「なあに? 急に改まって」
 雪は視線を窓の外へ向けた。
「君は、集める事に成功した」
「レイア、集めたって何を? 私は何もしてないよ」
「順を追って話そう。発端は二十数年前だ。一人の魔法使いが炎の精霊、つまり僕を捕まえ、懐中時計に閉じ込めた」
レイアの声を聞きながら、雪は首から下げていた懐中時計を服の中から出した。

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