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†about me
涙の日々





今日はとてもいい天気だ。


昨日はあんなに曇っていて、夜中には雨だって降ったのに、次の日にはこんなに晴れるなんて…



あたしの心は、晴れなかった。

一晩中泣いたって、
晴れることはなかった。



これからあたしは、どうすればいいの?


わかってる。2人のことを一番近くで見ながら、涙を必死にこらえる日々があたしを待っていること。

それだけならともかく、
翔子はきっと、千宏との様子をあたしに話してくれる。

なにかで悩んで相談してくるときもあるだろう。
逆に、二人の幸せな話も話してくれるだろう。


その時あたしは、ちゃんと受け止められるだろうか。

まだ、翔子の笑顔を愛しく思うことができるだろうか。



―――たぶん、あたしは、二人が一緒にいるだけで、胸が張り裂けそうに気持ちになるよ……






教室へ行く足取りが重い。


教室のドアの前で立ち止まっていると、
誰かがあたしの肩を叩いた。


「おはよ、ひかる」

振り向くと、翔子と千宏がいた。

「おはよ。翔子と、下駄箱で会ったんだ」

…嘘。
一緒に来たに決まってる。

「……はよう」

あたしは、つぶやくように言った。

態度に出しちゃだめ。

あたしは二人に精一杯笑った。


二人の表情が曇る。


あ…うまく笑えなかったかのかな

二人のすぐ後ろにある窓にあたしの顔が映ってる。

―――なんて、ひどい顔。

目が、笑っていない
まるで、いきてないみたい

「ごめん、朝から調子悪くて」

そう言ってごまかして、あたしは先に教室に入った。二人は、不思議そうに顔を見合わせる。


こんなにも、こんなにも辛いなんて―――……


あたしは、二人に隠れてたびたび1人で泣いた。



二人を避ける日々。

遊びの誘いもできるだけ断った。
二人よりも広子といる方が多くなった。


何より、あたしは笑うことが減った。

広子も、そんなあたしを心配し始めた。
でも広子は、ひとの気持ちを考えてくれる子だから、あたしが一度何も聞かないでと言ったら、二度と聞いてきたりはしなかった。


だけど…

千宏は、千宏だけは、あたしをほっといたりしなかった――――。




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あきゅろす。
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