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Who knows the truth.

寝返りを打つと肌寒さの中に何か温もりを感じてぼんやりと瞼を開けた


(…誰だ)


薄明るい中、見覚えのない奴が隣に寝ている

周りを見渡しても、大部屋のいつもと同じ自分の寝床だと言うこと以外分からない

もう起き出してる奴が騒いでないとこを見ると新人か何かか

どこかピントがズレているようにも感じる憶測に、何がズレてるのかは分からない

が、とりあえず知らない人間、しかも男と同衾する趣味はない、とベッドから蹴り落とした


「っうぉ?!…いってて…なにすんだよ!」

「お前、誰だ」


落ちたそいつが起き上がる前に眉間を狙って銃を抜く

自分に向いた銃口に驚くでもなく眉を顰めた男は、チャキッとナイフをこちらに向け返した


「それはこっちのセリフだよ。あんた、誰?」


その対応に、それなりに場数は踏んでるらしいと見当を付ける

普通の奴なら殺気と共に銃口を向けられて平静を装うことは出来ても、それに返すことは出来ないからだ


「不法侵入か」

「だぁら、それはどっちだって。昨日船長何も言ってなかったよなぁ」


小さくぼやいた言葉の中に、聞き慣れた単語が聞こえた


「ローの知り合いか」

「は?何言ってんだよ。あんたこそ船長の知り合いか何かか?」


どうにも的外れな押し問答をしているような気がしてならない

相手も同じことを感じたのか、ガシガシと後頭部を掻きむしった


「なぁ」

「なんだ」

「とりあえず船長のとこ行ってみるってどうよ?」


仕方なさそうに出された提案は、今一番状況が分かりそうな船の主に会うこと

これが刺客なら能力の情報が分かった上でこんな危うい発言はしないだろう


「…行くか」


スッと銃口を下ろせば、相手も同じようにナイフを下ろした

連れ立って大部屋から出て歩くと、ピリピリした間合いに気付いたクルーが可笑しそうに笑った


「なんだなんだ?ケンカかぁ?」

「周り巻き込むんじゃねえぞ!」

「五月蝿い。さっさと仕事終わらせろ」


いつもと変わらぬ野次に返しながら、やっぱり周りはコイツを知ってるようだと確認する

同じことを思ったのか、同じタイミングで目が合い曖昧に頷きあった

ようやくたどり着いた船長室を前に、一呼吸置いてからノックをする

中からの返事が機嫌良さそうなとこだけが救いか、と零しそうになるため息を飲み込んだ









オワリ?




『何の用だ』

『ロー、こいつは誰だ』
『船長、こいつ誰?!』

『…(効くもんだな)』











できそこないガジェット あきらさまより頂きました!
かっこいいです!ご参加ありがとうございますv ちらっとサイトで話されていた別視点も面白そうですよね、っていうか
仕掛け人のロー視点でこの後の場面とか!コトの起こりは回想でとか!…ああ、面白そうvv お忙しいと思いますが
是非ぜひ気が向いて下さいvv 素敵な作品ありがとうございました!



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