BL短編集
するつもりもないよ
｢う、わ｣
急に腕を引かれた。
｢秋、秋。｣
｢なに、翠･･･？｣
｢なにもされてない？｣
｢あ、うん、一応な･･･｣
よかった、なんて溜め息をつく翠。
そして。
急に、真剣な顔をして。
｢ごめんね、俺も、｣
俺も秋が好きなんだ。
とか。
｢謝るくらいなら言うな、卑怯だ。｣
｢ごめん･･･｣
それに。
｢俺に、猫と付き合う趣味とかないし、｣
｢うん･･･｣
｢ましてや飼い猫だし、｣
｢うん｣
｢さっき発情期の猫に襲われたばかりだし、｣
｢うん｣
｢俺好きとか恋とかよくわかんねぇし、｣
｢うん｣
｢でもお前が初恋だから。｣
｢うん･･････、え？｣
｢人間なら、別にいいし。｣
俺だって別に消極的なわけじゃないんだ。
好きな奴にアタックくらいする。
でも。
急に抱き締められたら、困る。
end...？
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