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BL短編集
発情期につき。


「んで、お前ら」
「・・・」
「人間になる前、なんかなかったの?」

前兆とか・・・そのへん。
二人が人間になったのには多分、
なんらかの理由があるんだと思う。
何もなしに人間になったのならそれこそファンタジーだ。

「俺!」
「ん?」
「俺、秋に会いたいなーって思ってたら、急に眠たくなって、起きたら人間になってた!」
「はぁ?なんじゃそら。」
「本当だよ!」

いや信じるけどさ。
なんだその理由は。
なんだその原因。
意味不明すぎるだろ。

「俺は、夜、秋が寝てるときに、秋に触りたいなぁって思ったら、」
「わかった、もういいよ。」

途中で遮られて(´・ω・`)とする翠。
・・・くそかわ。

「にしても、なんで二人共俺関連なんだ?」

すると元気良く返事が聞こえてきた。
言うまでもなく傑だ。


「俺が秋のこと大好きだから!」
「な、おま、まだ言ってんのかよ・・・」

だから猫と人間じゃ、無理、だっ・・・て・・・。



こいつ今人間じゃん。



「俺、本気なんだよ?秋が好きなんだよ?」
「え、や、だって・・・」

なんか。
傑の目が本気で。
見つめられて逃げられない。

「俺、人間になれて嬉しかったんだ。」
「な・・・んで・・・?」
「だってね、秋と、」

キスできるもん。

とか、言われて、赤くならない奴いますか?
やばい。
今、俺、すげぇ顔熱い。

しかも無邪気に笑って言うし。
こっちが恥ずかしいのなんのって・・・。

「ね、秋。俺せっかく人間になったんだ。」
「・・・うん。」
「だからね、俺、秋とキス、したい。」
「ダメ」


なんでお前が断ってるの、翠。


「秋は俺のだ。」


なんて、言うなよ。




心臓が苦しくなるだろ。


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