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BL短編集
寝起きです

朝。


意識が浮上して一言。

「店長邪魔」

四字熟語誕生である。
今後使うことはきっと無いに違いない。
てかそう願いたい。

「なんで俺だってわかったんだよ」
「こんなんするのアンタくらいでしょうが!」

バイトの寝込みを襲う店長なんて聞いたことがない。
寧ろ聞いたことがあったら警察に連絡する。

そう、警察、に・・・。
こ れ だ 。

携帯持った。
ロック解除。
嫁フォルダを開く。
違う。
電話だ電話。
1、1、0、と。
打ってからドヤ顔。

「おまわりさんこいつです!」

愉快に笑う俺は通話ボタンを、
ボタンを・・・?

通話ボタンを押す筈の親指は空を切る。

「あ?」

バキッ

音のした方を見たくないが見る。

どうしよう。
ちょっと川原の小石と戯れたいな。

目の前の俺の携帯は見るにも無惨、逆パカ状態である。

発狂してもいいかな駿くん。
いいと思うよ駿くん。
でもね駿くん。
もう時間が無いと思うよ駿くん。

ぐるり、機能しない目覚まし時計に目をやると。

現在8時30分

「やべぇ!!」
「あれ、携帯はいいの?」
「いいわけあるかっ!俺が帰るまでに直しといて下さい!」
「俺そんなの出来ないけど」
「じゃあなんでやったの?!」
「むしゃくしゃしたから。」
「キレやすい若者かっ!」
「永遠の14歳だよ。」
「厨二病め!」
「ありがとう」
「ふごぉぉおお・・・!」
「日本語喋ろう?」

もういい。
諦めよう。
この人には勝てない。
性格的な意味で。

「とりあえず制服!」

クローゼットを開き制服を取り出す。
因みにブレザー。
それにいちゃもんをつけてくる男がここに。

「なんでセーラーじゃないんだろうね」
「アンタは男子高校生に何を求めてんだ」
「パンちら」
「いっぺんくたばれ」

まさかのスカートだよ。
もうそれ女子高だよね。



まぁでも。



お願いすればやってくれる優しい人だから。
携帯だって帰ってきたら直っているのだろう。


「ちゃんと直しといて下さいね!じゃあ、いってきむわぁ!」


急に腕を引かれ、バランスを崩す。

なんなんだよ!
変な声出たよ!
俺悪くないよ!

「なんですか!てんちょ、」


ちゅ、なんて。


可愛らしくリップ音なんて立てて唇が触れ合う。
こ、の・・・!

「いってらっうぐっ」

腹にファイト一発です。

「セクハラ禁止!!」


とにもかくにも。
二人共、
いってらっしゃいもいってきますも
最後まで言えないまま1日は始まる。

こんなのが日常だなんてありえねぇ・・・!


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あきゅろす。
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