[携帯モード] [URL送信]

BL短編集
バイト終了後拾い『人』

現在、帰り道。


「んじゃお疲れ様でしたー」
「お疲れ様でーす」


やっと終わった・・・。
早く帰らなきゃ。

小走りで信号を渡りながら、
ふと目に止まった。

「なんだ、あれ」

そこには人だかりが出来ていて、
小さな騒ぎになっているようだった。
そこは公園で、いつもの猫達がいるところだった。
気になったため覗いてみると、

「は?」

人集りの中心には、


裸の男がいた。


なにこれデジャヴ・・・。
とりあえず近くにいたおじさんに話を聞くと、

「公園のベンチの横で寝転がっていたらしい」

と、気味悪そうに男を見ながら言う。

嗚呼、もうこれ・・・。

チラリと男に目を向けた。
あ。
目が、あってしまった。

「秋!」
「誰ですか俺知らないです。」
「秋、なんで俺人間なの?!」
「お前それ奇人だからやめろ。」

男に話しかけられた。
やばいやばい。
もう周りの皆さん俺に注目しちゃってるよ。
嬉しそうに言うなこの野郎。

あー、もう。

「この人俺が預かります。何かあったのかもしれないし・・・」

なんて言い訳じみたことを言って逃げてきた。
どうしよう。
もうこの周辺に顔出せないかもしれない・・・。


でもなぁ、『傑』をほっとくわけにもいかないし。


戻る←→進む

8/14ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!