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BL短編集
バイト開始


現時刻、16時。


カラン、コロン。
来店の合図、鈴が鳴る。

『いらっしゃいませ!』

普段は声なんてそんなに張らないけど、
バイトの時は別だ。
やってきた客は俺達を見て頬を染めながら笑う。
客は二人で、こそこそと話しているのが聞こえた。

「やっぱり!」
「うん!店員が皆美男美女って噂!」
「どっちもイケメン・・・!」
「私は左の子がいいなー・・・」
「えー、右の人の方がかっこいいよ!」

因みに、右が俺で左が駿君。
俺は違うだろ・・・?
と、駿君と目が合った。
あ。
駿君も気付いてたのか。
駿君は苦笑して、頷いた。
サービス精神旺盛だな・・・。

「きゃああっ!」
「笑ったよ、こっち、見た!」
「やばい、超かっこいい!」

駿君と二人で女の子達に微笑んでみたら、
顔を真っ赤にして奥の方に小走りで行ってしまった。

「流石だね駿君。」
「え?いや、秋さんがでしょ。」

ここのバイトは楽しい。
客足は疎らだけど確かに繁盛しているし、
バイト中の会話も許されていて、
なにかと制限が少ない。
要するに楽だ。

「んじゃ俺注文聞いてきます」
「うん、お願い」


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あきゅろす。
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