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波乱上々
みーつけた(蓮side)

背の高い方は見たことがあった。
確か、葛梨輝だったか。

サッカーの推薦入学だった筈だ。
頭はそれ程良くないが、
サッカーセンスだけは垢抜けていたのを覚えている。
顔も良くネコ受けの強い人種だ。

と、もう一人。

誰だあいつは。
この学園では見たことの無い顔だ。
この学園にいる生徒は少なからず、
顔立ちが何処か他とは違い、垢抜けている。

だがどうだろう。

お世辞にも美男子とは言えない顔立ち。
特別に身長が低くもなく、高くもない。
声質も、少し良いくらいか。

限りなく平凡に近かった。

否。

この俺がそんな奴に目を惹かれる筈が無い。

普通でいて、普通じゃない。
冷め切っている様な、暑苦しい様な。
冷静でいて、とても情熱的。
楽しそうであり、苦しそうだ。
赤子の様であり、大人の様で。

全てが矛盾している様な少年。

ドクン

鼓動が鳴る。
原因は何か。
俺はまだ知らなかった。
否、もう既に気付き始めていたのか。

「動悸か?」
「何を一人で呟いているんですか?」
「ああ、都筑か。」
「どうしました?」
「俺はもうすぐ死ぬかもしれない。後は頼むな。」
「え?・・・え!?ダメですよ死んだら!」
「あれ?なんで都筑が泣いてるの?ちょっと連?」
「動機がしてな。死ぬかもしれないと言っただけだ。」
「はぁ?!そーゆーの都筑が本気にしちゃうって、
アンタ知ってるでしょ!?」
「本気なんだが・・・」
「氷菜の可愛い都筑を泣かすなんて・・・っ!」
「少し落ち着けよ、お前ら。」

周りが┌(^o^≡^o^)┐としていたことに、
生徒会一同気がつかなかった。


「けしからん!実にけしからん!」「はよ!もっとやれ!」

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