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第一章
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ある日の休み時間。
俺と、幸介、光は喋っていた。

「テストもうすぐだなー」
「うげぇ、また国語の記述が俺を襲ってくる…」
「知哉確か前の国語の小テスト二十八点だったよな」
「うるせっ!大体この学校は理系なのに…」

点が悪かった事を言われ、国語の存在意義を問い始めてみる。
そうだよ、折角理系高校なんだし日本語なんだからもう良いじゃんか、喋れるんだし。

「そう言うなってー。んな事言ったらオレ、化学の小テスト五十点満点で十点だったぞ」

赤点暴露をし始める俺たちを見ながら窓に寄りかかっている幸介が呆れたようにしていた。

「何だよ幸介。お前は何点だったんだ?」
「俺?国語は九十だった。因みに化学は満点」

自慢げ…かそれが普通なのかはよく分からないが、あっけらかんと答える。
うわ、こいつ、素で頭いいんだ。

「…ひかるぅ、幸介がいじめるんだけどぉ」
「おい幸介ー、知哉いじめんなよー。よしよし、こいつは頭いい以外は脳無いから大丈夫だよー」
「あ、そうか。うん、そうだよねぇ」
「おいこらてめーら。何どさくさに紛れて言いたい放題言ってんだっ」

座っていた俺と光の頭を机に押さえつけるように手を乗せてくる。
さすが、柔道やってるだけあって力は強い。
てか、手でかいな。
ぐわっと光が幸介の手を押しのけた時に、離れた場所から人を呼ぶ声がした。

「おーい、川上。ちょっと」
「あ?何だ鈴木。悪い、行ってくる」

飛び掛ろうとしていた光を押しのけて呼ばれた所に向かった。
光は何をしようとしたのか握っていたペンを手持ち無沙汰にくるくると回し始めた。
俺は何か違和感を感じ、幸介を目で追っていた。
あれ、あいつ、今。








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