テニプリ(短編)
柳の企みと赤也の勉強(切原赤也)
「先輩!!英語教えてください!!」
珍しく赤也の口から出た勉強という言葉におどろきながらも
それを引き受けたのは約10分前。
「せんぱ〜い、ここわかんないっす〜。」
「私は赤也の頭のつくりがわからないよ。」
「それどういう意味っすか…??」
「馬鹿すぎて私の手には負えないってことよ。」
「ひどっ!!」
これは、柳君も大変よね…赤也の頭も心配だけど柳君も心配だわ。
これにいつも勉強を教えてるんだから…いいやつだ。
…それより、何で赤也は今回私に教えてもらいに来たのだろう?
懐っこい彼だが勉強に関してはいつも柳君に教えてもらってたはずだ。
「…ねぇ、赤也。何で私に勉強教えてもらおうと思ったの?」
「柳さんが名前先輩は昔外国にいて英語が得意だから教えてもらえって…」
後で〆る。心配して損したわ。
要するに面倒だから私に押し付けたわけね。
返品だ。返品。クーリングオフ。
「赤也。柳君に教えてもらいなさい。」
「え〜、先輩がいいっす…」
「駄目。」
「名前先輩は俺の事そんな嫌いなんすか??」
「そうじゃないけど…」
「じゃあ、いいですよね?先輩に教えて貰えって言ったのは柳さんですけど
言われたから来ただけじゃなくて、…えっと、おっ、俺が先輩に教えてほしいからきたんですから!!」
そんな言い方されると断れなくなるし、それにその言い方だと、
まるで赤也が私に好意を寄せているかのようだ…。
「…ああ、もうわかったよ。教えるから真面目にやってね?」
そして、何故かそれを嬉しく思ってしまう私がいる。
「もちろんっす!!…先輩俺頑張ります!!」
「名前が赤也を好きになる可能性98.7%」
あれは、柳君の声だ。やっぱり後輩思いの良い奴かもね。
でも、柳君も間違うのね。100%だよ。
それに好きになるも何もだってもう好きになっちゃてるし。
今回は柳君に感謝しないとね。
だけど、この気持ちをわかってもらうのより
「先輩、ここってどうするんすか??」
「ここはね…」
英語をわからせるのが先かな……。
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